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2026-08-29 · article コラッツ予想乱歩連分数

その定数は、まだ定数になっていない — 極限には閉じた式があり、各深さの値には無い

跳ね上がり比の裾 P(R > λ) ≍ C/λ の定数 C には、閉じた式があります——C = q²p/(ln2·(log₂3 − 4/3)) = 0.4215205965。しかし各深さ s での値 2s·P(log₂R ≥ s) は、深さ 140 でも ±0.3% で揺れ、一つの値に落ち着きません。振動の正体は log₂3 の収束分母で添字づけた鋸歯で、周期には閉じた式があり、転送作用素の最大固有値はちょうど 1/2 で、その下にギャップがありません。

Lean機械検査済み(Lean 4 + mathlib、標準三公理以下、sorryAxnative_decide なし。定理名を添える) 証明はあるが機械検査は未了 計算この端末で確かめた範囲。外に出す主張にはしない 既知言い換え・既知の定理・外の文献の確認

極限 C0.4215205965q²p/(ln2·(log₂3 − 4/3))。一周期の平均で 4×10⁻⁶ まで一致
深さ 140 での揺れ±0.3%0.42020(深さ 69)〜 0.42276(深さ 101)計算
振動の正体鋸歯周期 Tn = (log₂3 − 4/3)/‖n·log₂3‖、n は log₂3 の収束分母
転送作用素λmax = 1/2右固有関数 2−xギャップ無し
この記事の順序
  1. C とは何か
  2. 問題を乱歩に書き直す
  3. 深さ 140 まで、厳密に計算する
  4. 極限の閉じた式
  5. 振動の正体——鋸歯と、ギャップの無い作用素
  6. 残ったこと
  7. 出典と再現

01

C とは何か

奇数 n₀ から始めて、出発点を初めて下回るまでに到達する最大値 ÷ 出発点を跳ね上がり比 R と呼びます。臨界性の記事のとおり、その裾の指数はちょうど 1 で P(R > λ) ≍ C/λ。

C  :=  lims→∞ 2s · P(log₂R ≥ s)

C は跳ね上がり比 R の裾の定数です——軌道の高さの分布の規格化定数ではなく、「出発点を初めて下回るまでの遠出の最大値」の裾の係数です。


02

問題を乱歩に書き直す

Vk を halving の累計、a = log₂3 として Wk := Vk − k·a と置くと——

log₂(nk/n₀) = −Wk   /   τ = min{k : Wk > 0}   /   log₂R = −min{Wk : k < τ}

W は歩幅 X = v − a の乱歩です(v は halving の回数で、Terras の定理から P(v=j) = 2⁻ʲ)。v − 1 = m と置き直すと形が綺麗になります。

X = m − u,   m ∼ 幾何分布(1/2) on {0,1,2,…},   u = log₂3 − 1 = 0.5849625…
歩幅 X = m − u の分布負になるのは m=0 のときだけ
m確率歩幅 X
01/2−0.5849625★ これだけが負
11/4+0.4150375
21/8+1.4150375
31/16+2.4150375

下向きの歩幅は、常にちょうど −u の一種類だけです。確率 1/2 で、必ず同じだけ下がる。
だから新しい最小値を更新する幅(下降ラダーの高さ)は、必ず (0, u] に収まります。——Wiener–Hopf 分解が古典的に扱いやすい形です。

もう一つ、規格化の中身。Terras 分布の下で E[2−X] = 2a·E[2−m] = (3/2)(2/3) = 1 が厳密に成り立つので、2−W は厳密なマルチンゲールで、裾の指数がちょうど 1 になります。C はその行き過ぎ因子の定数です。


03

深さ 140 まで、厳密に計算する

状態は (e, k)。e = Vk − ⌊k·a⌋ は整数なので、畳み込みで厳密に追えます。深さ s に初めて到達したところで吸収し、P(log₂R ≥ s) を求める。P は 2⁻ˢ で小さくなるので、最初から 2ˢ を掛けて走らせ、各段で繰り込みます(線形なのでそのまま通ります)。計算

検算——奇数 100 億個の実測と、数値の安定性
log₂R ≥厳密(模型)実測(奇数 100 億個)
12.86274502×10⁻¹2.86275×10⁻¹1.00000
51.35362648×10⁻²1.35360×10⁻²1.00002
104.11675933×10⁻⁴4.11450×10⁻⁴1.00055
151.29088272×10⁻⁵1.28160×10⁻⁵1.00724

深いところのずれは標本の範囲の効果です(模型の誤りではない)。時刻の打ち切り(KM)と状態の深さ(EMIN)を 3 通りに変えても 13 桁まで同じ値が出ます。

2s · P(log₂R ≥ s)。定数なら水平になるはず深さ 140 まで
深さ s2ˢ·P深さ s2ˢ·P
410.4215574850.4212565
490.4211851930.4222548
570.42062781010.4227638 ← 最大
650.42027881090.4226197
690.4202040 ← 最小1210.4219289
770.42042391370.4211523

s ≥ 40 での平均は 0.421444、幅は 2.56×10⁻³(±0.3%)。深さ 140 まで来ても、一つの値に落ち着いていません。


04

極限の閉じた式

C  =  q2 p  /  ( ln 2 · (log₂3 − 4/3) )  =  0.4215205965

q と p は Wiener–Hopf 分解の二つの因子——下降ラダーの高さ H についての Spitzer–Baxter 級数で、q = (u − 1/3)/Ẽ[H]、p = 1 − Ẽ[2−H](Ẽ は傾けた測度)。下降ラダーの高さが (0, u] に収まる構造がそのまま効いています。形は Cramér–Lundberg の教科書どおりで、新しい数学ではありません既知

この式は一周期の平均で 4×10⁻⁶ まで正しいことが確かめてあります。s = 3000〜6800(後述の主周期 3995.41 のちょうど一周期)の平均 0.421518768 は閉じた式と −0.00043% の差。s = 400〜700 の平均が +0.038% 上回るのは定数のずれではなく、周期 3995 の鋸歯をその 8% の窓で見た値です。転送作用素の 200 ビン近似も C を 1.1×10⁻⁶ まで再現し、下降ラダー高の法則を Spitzer 級数なしで直接出す独立の検算は、二つの補題 Ẽ[H] = (u − 1/3)/q・Ẽ[2−H] = 1 − p を 10⁻¹⁶ まで再現します(Ẽ[H] = 0.496570266041、P̃(H = u) = 3/4 は厳密)。計算


05

振動の正体——鋸歯と、ギャップの無い作用素

この歩行の到達しうる値は V − k·a(V, k は整数)の形です。a が無理数なので、この集合 ℤ + aℤ は稠密——格子ではありません。しかし a = log₂3 は有理数で異常によく近似できます。

log₂3 = [1; 1, 1, 2, 2, 3, 1, 5, 2, 23, 2, 2, …]

行き過ぎは {σ·u} ちょうどです(位置の小数部が歩数だけで決まるため)。だから e2πin{ku} が水準降下作用素の近似固有関数になり、生き残るモードは log₂3 の収束分母 n で添字づけられます。各モードは深さ s について厳密に周期的な鋸歯で、周期と減衰に閉じた式があります。

Tn  =  (log₂3 − 4/3) / ‖n·log₂3‖,     κn  =  (2π‖n·log₂3‖)2 · (4/9) / (2 (log₂3 − 4/3)3)
収束分母 n‖n·log₂3‖周期 Tn実測1/e 深さ
533.0125×10⁻³83.5383.9 ± 0.5200
3061.4748×10⁻³170.62—(163〜178 の三本と分離できない)835
6656.2980×10⁻⁵3995.41鋸歯を直接見た(s = 3860〜4340)4.6×10⁵
156012.6249×10⁻⁵9586.152.6×10⁶

周期と減衰を理論値に固定した 5 モードで、s = 40〜700 の分散の 96.7% が説明されます。分離できている二本(n = 53・665)では半振幅も 7% で当たります。計算

転送作用素——最大固有値はちょうど 1/2、ギャップ無し

水準降下核 D について、傾けた確率核 D̃ との関係 dP/dP̃ = 2ΔW(ΔW = −1 − (x′ − x))から恒等式

D  =  ½ · M2−x · D̃ · M2x

が出ます。 D̃ は確率核(最大固有値 1)なので、D の最大固有値はちょうど 1/2、右固有関数は h(x) = 2−x——E[2−X] = 1、すなわち 3 = 2² − 1 の言い換えです。不変測度は定常行き過ぎ測度 P̃(H > x)dx/Ẽ[H] on [0, u)。「閉じた式=最大固有値」は文字どおり真で、しかもその固有値は有理数 1/2 です。

ただしギャップがありません。真のモードは円周上のフーリエモード n = 53, 306, 665, 15601 で、|λn| − 1 は 5×10⁻³, 1.2×10⁻³, 2.2×10⁻⁶, 3.8×10⁻⁷ と 1 に集積します。有限次元(ビン)近似では n = 665 を解くのにビンが 1300 本以上、15601 には 3 万本要り、N = 200 と N = 400 で偽の周期が総取り替えになります——必要なビン数が log₂3 の収束分母で決まる。これが「ギャップが無い」の実務上の意味です。

極限には閉じた式があり、各深さの値には無い。C(s) = Ẽ[2−{σsu} ; εj ≤ 0] は Weyl 和で、閉じません。

振動が ±0.01% に収まる深さ

周期と減衰の式があるので、窓幅を使わない形(sup/rms)で問えます。an = 2|cn|/c₀ と κn を n ≤ 2×10⁶ まで足すと、実測の半振幅はどの深さでも rms の 1.7 倍に乗り、この校正で ±0.01% に収まるのは s ≈ 6〜7×10⁵、全モード同位相の上界では 1.3×10⁶。包絡は指数ではなくおよそ s−1/2 の冪で落ちます(‖nα‖ < ε となる n の個数が εN に比例するため)。単独で律速するモードは n = 665 です。計算


06

残ったこと

動いた宿題の現在地は 残っていること にある。ここには現時点の未決だけを置く。

内容
言えたC の閉じた式 0.4215205965。一周期平均で 4×10⁻⁶ まで一致
言えた振動は収束分母で添字づけた鋸歯、周期 Tn と減衰 κn の式
言えた転送作用素の最大固有値はちょうど 1/2、ギャップ無し
言えた±0.01% に収まる深さは s ≈ 6〜7×10⁵計算
言えない周期の次の次数。定常位相での Δ の法則で精密化しても T₅₃ は 84.45 になり、一次近似 83.53 より実測 83.9 ± 0.5 に近づかない。位相依存の作用素の摂動が要る
言えないLean。C の式も固有構造も紙のまま

出典と再現

もの種別出典・道具
P(v=j) = 2⁻ʲ定理Terras (1976)
裾の指数が 1初等的3θ = 21+θ−1 の根が θ=1(臨界性の記事
C = q·L の形・Spitzer–Baxter 級数既知Cramér–Lundberg(Feller II 第 XI–XII 章、Asmussen)
「ほとんど格子」の更新定理の遅い収束既知よく知られた現象
P(log₂R ≥ s) を深さ 140 までこの端末で計算繰り込みつきの畳み込み。KM・EMIN を変えて 13 桁一致
実測との照合この端末で計算奇数 100 億個・349 億ステップ(C 言語・4 並列)
C(s) の厳密計算(s ≤ 7000)・periodogram・転送作用素(N = 200/400)この端末で計算傾け測度の厳密な畳み込み(独立実装、既存の値を 10⁻¹³ で再現)、mpmath 30 桁

この記事に新しい数学はありません。C = q·L の形は教科書どおりで、加わったのは周期の閉じた式、鋸歯であること、固有構造の三つで、文献(Lagarias の総説系・Kontorovich–Lagarias arXiv:0910.1944 の停止時間の定数 γRW ≈ 41.677647)はいずれも別の量です。「専門家には既知だろう」を変える材料はありません。

改訂 2026-09-17:全面改訂。