この本の全体 目次と読む順
- 第 0 部 入口 — この本の読み方
- 0-01 この本の読み方
- 0-02 一枚の絵
- 0-03 問題文を一語ずつ読む
- 0-04 数学の四次元と物理の四次元
- 第 1 部 数学の準備
- 1-01 ベクトル空間と線形写像
- 1-02 群とは何か
- 1-03 リー群とリー環
- 1-04 SU(2) と SU(3)
- 1-05 多様体と接空間
- 1-06 微分形式と外微分
- 1-07 ベクトル束と接続
- 1-08 確率と測度
- 1-09 無限次元の確率
- 1-10 ヒルベルト空間と自己共役作用素
- 1-11 フーリエ解析と分布
- 1-12 寄り道
- 第 2 部 物理の準備
- 2-01 ラグランジアンと作用
- 2-02 場という考え
- 2-03 電磁気学はゲージ理論である
- 2-04 特殊相対論と時空
- 2-05 量子力学の骨
- 2-06 調和振動子と生成消滅
- 2-07 経路積分の考え方
- 2-08 統計力学と相転移
- 2-09 寄り道
- 2-10 緩和の時間と動的指数 z
- 第 3 部 ヤン–ミルズ理論(古典)
- 3-01 ゲージ原理
- 3-02 非可換ゲージ場
- 3-03 作用と方程式
- 3-04 幾何としてのゲージ理論
- 3-05 インスタントンと位相
- 3-06 寄り道
- 3-07 標準模型の中のヤン–ミルズ
- 第 4 部 量子化
- 4-01 正準量子化とハミルトニアン
- 4-02 経路積分とユークリッド化
- 4-03 摂動論と Feynman ダイアグラム
- 4-04 発散と繰り込み
- 4-05 発散の代数
- 4-06 漸近自由
- 4-07 次元転移と Λ
- 4-08 ゲージ固定と Faddeev–Popov
- 4-09 場の量子論の公理
- 4-10 Osterwalder–Schrader の公理と再構成
- 4-11 質量ギャップの定義
- 4-12 寄り道
- 第 5 部 格子ゲージ理論
- 5-01 Wilson の格子
- 5-02 強結合展開
- 5-03 反射正値性と転送行列
- 5-04 無限体積極限とクラスター展開
- 5-05 弱結合と連続極限
- 5-06 U(1) と非可換の違い
- 5-07 モンテカルロ法
- 5-08 グルーボールと弦張力の測定
- 5-09 何を固定して極限を取るか
- 5-10 有限群の格子ゲージ理論
- 5-11 寄り道
- 第 6 部 構成的場の理論
- 6-01 構成的場の理論とは
- 6-02 二次元の可解性とヤン–ミルズ測度
- 6-03 スカラー場の構成
- 6-04 クラスター展開
- 6-05 繰り込み群の段の列
- 6-06 三次元ヤン–ミルズの紫外安定性
- 6-07 四次元
- 6-08 四次元の φ⁴ の自明性
- 6-09 確率量子化と正則性構造
- 6-10 四次元で止まる場所
- 6-11 発散以外の障害
- 6-12 寄り道
- 第 7 部 物理の側から
- 7-01 物理はどう見ているか
- 7-02 閉じ込めの機構
- 7-03 弦の絵
- 7-04 大 N
- 7-05 ひも理論と余剰次元
- 7-06 余剰次元が見えなくなる仕組み
- 7-07 ゲージ場はどこから来るか
- 7-08 ホログラフィー
- 7-09 質量ギャップが幾何になる
- 7-10 四次元に戻す
- 7-11 超対称と Seiberg–Witten
- 7-12 等価原理に当たる一文
- 7-13 物理の掘り方が数学と離れる場所
- 第 8 部 二つの言葉の辞書 — 物理の視点と数学の視点
- 8-01 辞書の読み方
- 8-02 辞書 A
- 8-03 辞書 B
- 8-04 辞書 C
- 8-05 私たちの仮定の物理側の対応
- 第 9 部 現在地と課題
- 9-01 世界はどこまで来ているか
- 9-02 二つの掘り方の切れ目
- 9-03 新しい概念の候補
- 9-04 課題の一覧
- 9-05 よくある誤解
- 第 10 部 質量ギャップの厳密な証明へ — この端末の検討
- 10-00 第 10 部の入口 — 酔歩と定規と時計
- 10-01 理論の構成の筋
- 10-02 一段の記帳
- 10-03 仮定 H と三つの鎖
- 10-04 方向の地図
- 10-05 方向 12〜14
- 10-06 方向 15・15′
- 10-07 Lean で閉じた言明と既存の結果の対応表
- 10-08 壁の一覧
- 10-09 ひらめき帳から
- 10-10 主張しないこと
- 10-12 つじつま合わせ
- 10-11 定理までの距離
- 10-13 小さな問い — 卒業研究の大きさで決着のつく十〜二十問
- 付録
- A-01 記号表
- A-02 用語集
- A-03 文献案内
- A-04 Lean と機械検査
- A-05 この本の作り方
- A-06 仮定の索引
グルーボールと弦張力の測定 — 相関の減り方から質量を読み、比 を作る
この章で分かること — 格子の質量は、時間片の演算子の相関が虚時間で減る速さから読み、その値は上から近づく上界です。平滑化と変分法が近づきを速めます。弦張力は周期的な弦から弦の補正を仮定して取り出し、比 は一次資料で 3.78〜3.84、 3.41〜3.61(二次情報の Meyer の値を含めると 3.35〜3.61)です。
前提となる章 — 5-07 モンテカルロ法。転送行列(5-03)、質量ギャップの定義(4-11)、変分原理(1-10)を使います。 は 5-01 の格子の逆結合で、4-06 の β 関数 とは別の量です。
先に言うこと — この章の数はすべて数値の水準で、定理ではありません。有限の箱・・時間の窓で測り、外挿と弦の絵を通しています。この端末の実演は三次元 ゲージ理論で、四次元ヤン–ミルズではありません。質量ギャップの存在について、この章は何も示しません。
質量は相関の減り方 — 有効質量は上界
格子で時間を一段進めることは、転送行列 を一回掛けることです(5-03)。 の固有値は、一つの時間片 の上の量で作った演算子 の相関の減り方から読みます。 は空間で和を取って運動量を 0 にし、真空の期待値を引きます(格子単位 )。
は真空、 は真空から測った固有値です。重み は絶対値の二乗なので 0 以上です。固有値 が正の実数なのは、リンク反射の正値性()から となり、 なら が 0 を固有値に持たないことによります(5-03 §鎖・§転送行列)。0 以上の重みを持つ正の指数の和は対数凸(Cauchy–Schwarz で )なので、有効質量 は について単調に減り、 が触れる最も軽い状態のエネルギーに上から近づきます 既知。有限の で読んだ値は上界で、下界は出ません(有限の窓の例は 4-11 §窓)。時間方向が周期的(長さ )な格子では、各項に逆向きの が付きます。§07 の 、 では無視できる大きさです。
例。 では、 は で 0.908、0.824、0.790、0.777、0.773、0.771 と下ります 計算。
グルーボールの名札 — と立方体の回転群
ゲージ不変な状態をグルーボールと呼び、スピン ・空間反転 ・荷電共役 で分類します。 は空間の座標を反転 する操作(リンクもそれに合わせて写す)、 はリンクを複素共役 に写す操作です。ループの跡では で、これは向きを逆にしたループの跡なので、 はループの向きの反転です。最も軽いと考えられているのが 、次が です 物理。
立方体の回転群と指標
格子に残る回転は立方体を自分に重ねる 24 個だけで、この群 の既約表現は (次元 1, 1, 2, 3, 3)です。「名札」は比喩で、正確には、状態が属する の既約表現と、・ の固有値()の組です。
スピン の表現は格子の上でこれらの和に割れます。割れ方を決めるのが指標です。表現の指標 は、元 を表す行列の跡です。 の 24 個の元は、指標が同じ値を取る五つの組(共役類)に分かれます:恒等(1 個)、面の中心を通る軸の 90° 回転(6 個)、同じ軸の 180° 回転(3 個)、対角線の軸の 120° 回転(8 個)、辺の中点を通る軸の 180° 回転(6 個)。表現 が現れる回数は次の和で、これは有限群の指標の直交性という定理から出ます(ここでは使い方だけ)既知。
は の回転角です。例えば では で、 です。
既知 の指標 列は上の五つの共役類(個数)。
| 恒等 (1) | 90° (6) | 180° (3) | 120° (8) | 辺 180° (6) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
| 1 | −1 | 1 | 1 | −1 | |
| 2 | 0 | 2 | −1 | 0 | |
| 3 | 1 | −1 | 0 | −1 | |
| 3 | −1 | −1 | 0 | 1 |
計算既知表 1 スピン の表現の、立方体の回転群 への分かれ方(五つの共役類の指標から計算。次元の和が になることを確かめた)。
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 分かれ方 |
は で測りますが、 には も入ります。Lucini–Teper 2001 は、励起 が最も軽い である可能性を自ら挙げています。 は と に現れ、二つが揃うことが回転対称性の回復の目安です(Athenodorou–Teper 2021 の で 4.582(14) と 4.578(11)) 物理。
例。三つの向きの空間プラケットの和 は 、差 は です。 では (、 は 1-04 のパウリ行列)なので、 はすべての点で同じゲージ変換をすることと同じです。そのためゲージ不変な状態はすべて です。
雑音は減らない — 信号は指数で減り、ゆらぎは残る
は 個の配位の平均で推定します(配位の作り方と誤差は 5-07)。誤差を決める積 の分散は、 が大きくなると ほどの一定値に近づき、減りません。信号は で減るので
です。この議論は格子分光の標準で、Parisi 1984 に遡るとされます 既知。グルーボールは が大きく、 は真空の引き算も要るので、特に強く効きます。
例。§07 の実演(、約 35,000 配位)で、プラケットの の相対誤差は で 0.004、0.011、0.025、0.050、0.121、0.214、0.379、0.657 でした 計算。一段ごとの倍率 1.8〜2.9 は と同じ程度です。
演算子を太らせる — 空間だけの平滑化とブロック化
プラケットの大きさは ですが、物理の長さ は ・ で約 です(表 2)。そこで演算子を「太らせ」ます。正確には、リンクを近くの経路の平均で置き換え、演算子が広がった状態に大きく重なるようにします。
は空間の向きだけを走り、 は和を群に戻す操作です。長さ のリンクを作るブロック化もあります。Lucini–Teper 2001 は、これらを標準の方法として Teper 1987 と Albanese ほか 1987(APE の平滑化)を引いています 既知。空間だけで平均するのが要で、演算子が一つの時間片に載ったままなので (1) の正の重みと「上から近づく」が保たれます。
良さは基底状態の重みの割合 で測ります。Lucini–Teper 2001 の最良の演算子では、 で、粗い格子で約 0.95()から約 0.90()、細かい格子で約 0.92 から約 0.85 でした。周期的な弦ではどちらの格子でも約 0.90 から約 0.75 です。 が大きいほど重なりが悪くなります 物理。
§07 の三次元 では、割合の目安 (。大きめに出る)がプラケットで 0.57、 のループで 0.85 でした。 をリンクと二本のステープルの多数決にした平滑化では、0.59 が 1 回で 0.66 に上がりました 計算。
変分法 — 一般化固有値問題と、上界の最良化
候補 を並べ、最良の一次結合を相関そのものに選ばせます。相関行列 について
を解きます。変分の考えは Wilson の 1981 年の講演に始まり、グルーボールには Berg 1982・Michael–Teasdale 1983 が使ったとされます。 を入れた一般化固有値問題の形と補正の評価は Lüscher–Wolff 1990 とされます(Blossier ほか 2009 の序による)既知。Blossier ほか 2009 は、 に取れば補正が で消えることを示しています。図 1 の はこの条件の外で、式 (5) の上界の意味だけで使っています。
、 では Rayleigh–Ritz の変分原理そのものです(1-10、2-05)。(真空成分は引いたもの)について
なので、 は候補の張る空間の中で最良の上界です 既知。変分法は上界を良くしますが、上界であることは変えません。
計算この図の数値はこの端末で計算した。
計算図 1 の数値(ジャックナイフ誤差、39 ビン。変分は ・・・、)。
| 0 | 1 | 2 | 3 | 割合 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.181(7) | 0.928(17) | 0.853(33) | 0.924(82) | 0.57 | |
| 0.940(6) | 0.858(14) | 0.841(29) | 0.842(70) | 0.78 | |
| 0.883(6) | 0.818(13) | 0.831(29) | 0.795(61) | 0.85 | |
| 変分(4 個) | 0.860(6) | 0.824(13) | 0.831(29) | 0.803(63) | 0.87 |
読み方。 では変分が最も低く(式 (5))、どの列も で 0.80〜0.85 に下り、参照値 0.772 に上から寄ります。 は誤差が 0.1 を超えます(図 1)。右端は割合の目安(§04)。
弦張力を測る — Creutz 比と周期的な弦
弦張力 は、離した二つの静的な電荷のエネルギー の傾きです。 の Wilson ループ(5-01)は のように減り、長い距離では次の形が使われます(7-03)物理。
は時空の次元です。Creutz 比 (Creutz 1980 とされる)では周長と角の寄与が消えます。式 (6) の形を仮定し、有限の の補正を無視すれば、 は に上から近づきます 物理。
周期的な弦
もう一つは、空間の周期 を一周する閉じた電束(周期的な弦)の質量 を §01 と同じ方法で読むことです。Lucini–Teper 2001 は四次元で次の式から を取り出しました(補正は一般に 。三次元では 。7-03 §閉じた弦 の式 (7))。
著者は 'in using eqn(4) we are assuming that we have linear confinement ... Nambu-Gotto universality class' と書き(Nambu–Goto は、弦を面積に比例する作用の膜として扱う近似。7-03)、二つの では 'we cannot claim to have evidence for both the 1/L functional form and for its coefficient' と断っています。使うのは の格子だけです。弦の補正そのものを調べるには、周期的な弦のほうが Wilson ループよりずっと良いと著者は書いています。補正の係数が大きく( 対 )、静的な電荷の Coulomb 項(同じ の形で短い距離を支配する)が混ざらないからです。
周期的な弦がグルーボールと混ざらないのは中心対称性によります。空間の向き の面 を横切る 向きのリンクすべて(すべての時刻で)に、群の中心の元(すべての元と可換な元。 なら 。1-04)を掛けます。どのプラケットもこのリンクを含まないか、行きと帰りの組で含むので、作用は変わりません。 向きに一周する輪は面を一度横切るので中心の元が一つ掛かり( なら符号が変わり)、縮められる閉じた輪は変わりません。閉じ込め相ではこの対称性が破れていないので、両者の相関は 0 です 既知。
計算この図の数値はこの端末で計算した(式 (7))。
計算表 2 Lucini–Teper 2001 の表 1()の から式 (7) で出し直した 。六点の と質量の正本は 9-02 表 3。
| 補正の割合 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2.25 | 8 | 1.301(17) | 0.4231(25) | 9.1% | 3.38 |
| 2.30 | 10 | 0.861(11) | 0.3108(18) | 10.8% | 3.11 |
| 2.40 | 12 | 0.745(9) | 0.2634(14) | 10.5% | 3.16 |
| 2.475 | 16 | 0.585(8) | 0.2016(12) | 10.1% | 3.23 |
| 2.55 | 20 | 0.453(4) | 0.1590(6) | 10.4% | 3.18 |
| 2.60 | 24 | 0.387(4) | 0.1340(6) | 10.1% | 3.21 |
読み方。同論文の は式 (7) から丸めの範囲で再現されます(最終桁の誤差で 1 以内)。 はどの でも 3.1〜3.4 で、箱は物理の長さでほぼ一定です。補正は の約 10% で、入れなければ を約 5% 小さく見積もります 計算。
この端末での実演 — 三次元 ゲージ理論
同じ測り方を、最も簡単なゲージ理論で確かめます。リンクに を置き、Wilson 作用 を使う三次元の ゲージ理論です。双対性で三次元のイジング模型に移ることが知られています(Wegner 1971 とされる。対応の使い方は Agostini ほか 1997)。 の質量はイジング模型の相関長の逆数に、弦張力は界面張力(上向きと下向きの領域の境目が単位面積あたりに持つ自由エネルギー。2-09 §低温)に対応します 既知。
Agostini ほか 1997 は で ( で安定、同論文の表 2)、、(表 6、界面張力の文献から)を与え、 です 物理。
この端末では の格子で熱浴法の更新を約 35,000 回(独立な三本の列)行い、§04・§05 の演算子と周期的な弦を毎回、Wilson ループを 5 回に一度測りました(多数決の平滑化は別の二本の列)。
計算表 3 三次元 、 の実演と参照値。 は周期的な弦の を に入れたもの。Creutz 比の目安は の粗い近似で、有限の (ループが正方形であること)の補正を含まない。
| 量 | この端末 | 参照値 |
|---|---|---|
| (変分、) | 0.803(63) | 0.7716(18) |
| () | 0.872(39) | 0.857(式から) |
| 0.0566(24) | 0.05558(10) | |
| 3.38(27) | 3.27 | |
| 、 | 0.0698(6), 0.0645(11), 0.0664(26) | 目安 :0.066, 0.062, 0.060 |
読み方。質量も弦張力も誤差の内で参照値と合います。質量の中心値は参照値より上にありますが、差は誤差の約 0.5 倍で、区別できません。上界なのは厳密な期待値 についての性質で、有限の配位数の推定値は雑音で下にも出ます(図 1 の )。 の の値は二つの最大固有値の比で、式 (5) のような厳密な上界でもありません。Creutz 比は でも より 16〜19% 大きく、目安よりも少し上です。周期的な弦は の一点から 4% の精度で を与えました。
比は理論ごとに違います。Agostini ほか 1997 の連続極限の値は 、同論文の表 9 が別の文献から引く三次元 の値は 4.763(31) です 物理。
一次資料の数値 — の表
四次元の純粋なヤン–ミルズ理論の、一次資料の連続極限の値です(外挿の手順は 5-09 §比)。
物理計算表 4 の連続極限と、この端末で割った (誤差は独立として合成。Meyer の行だけは出典の表の比で、この端末で割ると 1.47(4))。LT = Lucini–Teper 2001、AT = Athenodorou–Teper 2020()・2021(、、 は )。 は の外挿。
| 出典・群 | |||
|---|---|---|---|
| LT | 3.844(61) | 5.59(15) | 1.45(5) |
| LT | 3.607(87) | 5.13(22) | 1.42(7) |
| LT | 3.49(14) | 5.21(21) | 1.49(9) |
| LT | 3.38(16) | 4.88(38) | 1.44(13) |
| LT | 3.37(15) | 4.93(30) | 1.46(11) |
| AT | 3.781(23) | 5.349(20) | 1.415(10) |
| AT | 3.405(21) | 4.894(22) | 1.437(11) |
| AT | 3.072(14) | 4.582(14) | 1.492(8) |
| Meyer (GKN II 経由) | 3.347(68) | 4.916(91) | 1.46(5) |
Morningstar–Peardon 1999 と Chen ほか 2006 は を Sommer の尺度 (静的な電荷のあいだの力 が を満たす距離)の単位で 、 と報告しており、AT 2020 の で割ると 3.63(10)、3.59(10) です 計算。出典の違う数を組んだ換算で、目安にとどまります。
読み方。 の比は とともに下がり、 はどの でも 1.4〜1.5 です。同じ群でも出典でずれ、 の LT と AT の差 0.063 は合成誤差の約 1 倍、 の差 0.20 は約 2.3 倍です 計算。差の原因をこの章では特定しません。GeV への換算は 5-09 §寄り道、大 は 7-04 で扱います。
数が言っていること、言っていないこと — 上界・窓・外挿・弦の仮定
表 4 は、正の隙間が の 3〜4 倍ほどある、という物理の見方を支える数値です。数学の言明にするには四つが残ります。
- 上界。各 の は有限の の上界か、平坦域への当てはめです(§01・§05)。有限の窓から下界は出ません(4-11 §窓)。
- 箱と量子数。有限の箱では二つのグルーボールや一対の周期的な弦も同じ量子数に現れます(Morningstar–Peardon 1999 は要旨でそれらを区別したと述べます)。スピンは立方体の表現を通して同定します(§02)。
- 外挿。連続極限の値は の補正の形を仮定した外挿です(5-09、5-05)。極限が在ることは示されていません。
- 弦の仮定。 は線形の閉じ込めと Nambu–Goto 型の補正を仮定して取り出しています(§06)。四次元の非可換群で大きい の閉じ込めは証明されていないので、この を閉じ込めの証拠に使うと循環します(7-03)。
質量ギャップの問題(4-11)が求めるのは連続極限の理論と隙間の下界で、この章の方法はどれも上から近づきます。何を固定して極限を取るかは 5-09 で扱います。
この章が言えている範囲
| 内容 | |
|---|---|
| 言えている | 有効質量が単調に減り、最低エネルギーの上界を与えること。 の一般化固有値問題が Rayleigh–Ritz の上界であること。空間だけの平滑化が一つの時間片の演算子を保つこと。 の立方体の群への分かれ方(表 1)既知。 |
| 数値の水準 | 一次資料の (表 4)と、式 (7) による の再現(表 2)物理計算。三次元 の実演が誤差の内で参照値と合ったこと(図 1・表 3)計算。 |
| 言えていない | 四次元ヤン–ミルズの連続極限と の極限が在ること、隙間の下界。弦の補正の独立な確認。 の値のずれの原因。この章は質量ギャップの存在について何も示していない。 |
出典と再現
| もの | 種別 | 出典・道具 |
|---|---|---|
| の ・・(同論文の表 1)、式 (4)、連続値(同論文の表 5)、演算子と変分の手順、、 の問い、逐語引用 | 一次(本文) | B. Lucini, M. Teper, JHEP 0106 (2001) 050, arXiv:hep-lat/0103027 |
| 、、 と | 一次(検査済みの材料による本文照合) | A. Athenodorou, M. Teper, JHEP 11 (2020) 172, arXiv:2007.06422;JHEP 12 (2021) 082, arXiv:2106.00364 |
| 、要旨 | 一次(材料による本文照合) | C. Morningstar, M. Peardon, Phys. Rev. D 60 (1999) 034509, arXiv:hep-lat/9901004;Y. Chen ほか, Phys. Rev. D 73 (2006) 014516, arXiv:hep-lat/0510074 |
| Meyer の の値と比 1.46(5) | 二次(原典は未入手) | H. B. Meyer, arXiv:hep-lat/0508002 の値を U. Gürsoy, E. Kiritsis, F. Nitti, JHEP 0802 (2008) 019, arXiv:0707.1349 の表から |
| 三次元 の (同論文の表 2)、・(表 6)、3.08(3)、双対の対応の使い方 | 一次(本文) | V. Agostini, G. Carlino, M. Caselle, M. Hasenbusch, Nucl. Phys. B 484 (1997) 331, arXiv:hep-lat/9607029 |
| 三次元 の 4.763(31) | 二次(Agostini ほか 1997 の表 9 経由・原典は未確認) | 同上の表 9 |
| 一般化固有値問題の補正と条件 、変分の経緯(同論文の序) | 一次(本文) | B. Blossier ほか, JHEP 0904 (2009) 094, arXiv:0902.1265 |
| 変分の起点(Wilson 1981 の講演・Berg 1982) | 書誌のみ(Blossier ほか 2009 の序による・原典は未確認) | 同上の序の引用 |
| 変分法・平滑化・ブロック化・Creutz 比・雑音の議論・弦の補正・双対性 | 書誌のみ(帰属は「とされる」) | Michael–Teasdale, Nucl. Phys. B 215 (1983) 433(書誌は Blossier ほか 2009 の引用による);M. Lüscher, U. Wolff, Nucl. Phys. B 339 (1990) 222;M. Albanese ほか, Phys. Lett. B 192 (1987) 163;M. Teper, Phys. Lett. B 183 (1987) 345;M. Creutz, Phys. Rev. D 21 (1980) 2308;G. Parisi, Phys. Rept. 103 (1984) 203;M. Lüscher, Nucl. Phys. B 180 (1981) 317;F. J. Wegner, J. Math. Phys. 12 (1971) 2259 |
| Sommer の尺度 の定義 | 書誌のみ(定義の式は検査済みの材料で照合) | R. Sommer, Nucl. Phys. B 411 (1994) 839, arXiv:hep-lat/9310022 |
| 表 1、表 3・図 1(熱浴法・ジャックナイフ・一般化固有値問題)、表 2・図 2、表 4 の比と換算、§01 の例 | 計算 | python3(numpy・scipy)。スクリプトと出力はこの端末の記録に保存。多数決の平滑化は三本の列を走らせ、一本は打ち切りで記録が壊れたので使っていない |
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