この本の全体 目次と読む順
- 第 0 部 入口 — この本の読み方
- 0-01 この本の読み方
- 0-02 一枚の絵
- 0-03 問題文を一語ずつ読む
- 0-04 数学の四次元と物理の四次元
- 第 1 部 数学の準備
- 1-01 ベクトル空間と線形写像
- 1-02 群とは何か
- 1-03 リー群とリー環
- 1-04 SU(2) と SU(3)
- 1-05 多様体と接空間
- 1-06 微分形式と外微分
- 1-07 ベクトル束と接続
- 1-08 確率と測度
- 1-09 無限次元の確率
- 1-10 ヒルベルト空間と自己共役作用素
- 1-11 フーリエ解析と分布
- 1-12 寄り道:四次元でだけ起きること
- 第 2 部 物理の準備
- 2-01 ラグランジアンと作用
- 2-02 場という考え
- 2-03 電磁気学はゲージ理論である
- 2-04 特殊相対論と時空
- 2-05 量子力学の骨
- 2-06 調和振動子と生成消滅
- 2-07 経路積分の考え方
- 2-08 統計力学と相転移
- 2-09 寄り道:イジング模型で見るギャップと相関長
- 2-10 緩和の時間と動的指数 z
- 第 3 部 ヤン–ミルズ理論(古典)
- 3-01 ゲージ原理
- 3-02 非可換ゲージ場
- 3-03 作用と方程式
- 3-04 幾何としてのゲージ理論
- 3-05 インスタントンと位相
- 3-06 寄り道:Donaldson とエキゾチック R⁴
- 3-07 標準模型の中のヤン–ミルズ
- 第 4 部 量子化
- 4-01 正準量子化とハミルトニアン
- 4-02 経路積分とユークリッド化
- 4-03 摂動論と Feynman ダイアグラム
- 4-04 発散と繰り込み
- 4-05 発散の代数
- 4-06 漸近自由
- 4-07 次元転移と Λ
- 4-08 ゲージ固定と Faddeev–Popov
- 4-09 場の量子論の公理
- 4-10 Osterwalder–Schrader の公理と再構成
- 4-11 質量ギャップの定義
- 4-12 寄り道:摂動級数は発散する
- 第 5 部 格子ゲージ理論
- 5-01 Wilson の格子
- 5-02 強結合展開
- 5-03 反射正値性と転送行列
- 5-04 無限体積極限とクラスター展開
- 5-05 弱結合と連続極限
- 5-06 U(1) と非可換の違い
- 5-07 モンテカルロ法
- 5-08 グルーボールと弦張力の測定
- 5-09 何を固定して極限を取るか
- 5-10 有限群の格子ゲージ理論
- 5-11 寄り道:Bakry–Émery と一リンク積分
- 第 6 部 構成的場の理論
- 6-01 構成的場の理論とは
- 6-02 二次元の可解性とヤン–ミルズ測度
- 6-03 スカラー場の構成
- 6-04 クラスター展開
- 6-05 繰り込み群の段の列
- 6-06 三次元ヤン–ミルズの紫外安定性
- 6-07 四次元
- 6-08 四次元の φ⁴ の自明性
- 6-09 確率量子化と正則性構造
- 6-10 四次元で止まる場所
- 6-11 発散以外の障害
- 6-12 寄り道:「1/0 に記号を与えれば」
- 第 7 部 物理の側から
- 7-01 物理はどう見ているか
- 7-02 閉じ込めの機構
- 7-03 弦の絵
- 7-04 大 N
- 7-05 ひも理論と余剰次元
- 7-06 余剰次元が見えなくなる仕組み
- 7-07 ゲージ場はどこから来るか
- 7-08 ホログラフィー
- 7-09 質量ギャップが幾何になる
- 7-10 四次元に戻す
- 7-11 超対称と Seiberg–Witten
- 7-12 等価原理に当たる一文
- 7-13 物理の掘り方が数学と離れる場所
- 第 8 部 二つの言葉の辞書 — 物理の視点と数学の視点
- 8-01 辞書の読み方
- 8-02 辞書 A
- 8-03 辞書 B
- 8-04 辞書 C
- 8-05 私たちの仮定の物理側の対応
- 第 9 部 現在地と課題
- 9-01 世界はどこまで来ているか
- 9-02 二つの掘り方の切れ目
- 9-03 新しい概念の候補
- 9-04 課題の一覧
- 9-05 よくある誤解
- 第 10 部 質量ギャップの証明へ向けて — 階段の一段目を組む
- 10-00 入口 — 階段と、酔歩・物差し・時計
- 10-01 構成の筋と仮定 H
- 10-02 四次元格子で試した道と壁
- 10-03 階段の四段 — なぜ 0+1 次元から始めるか
- 10-04 二重井戸の経路の測度とキンク
- 10-05 一段目の言明 — 四条件と命題 4.5
- 10-06 (H1) 相の中の局所 Poincaré
- 10-07 (H2) の地図 — 七つの道筋と環の継ぎ目
- 10-08 計算機援用とは何か — 窓の中の鎖の条件
- 10-09 区画の枠組みと道筋 5 の三本の筋
- 10-10 迂回策の一覧 — 壊れ方の型
- 10-11 (H3)(H4) と芯の定数
- 10-12 統合表と依存グラフ
- 10-13 Lean の言明と機械検査の限界
- 10-14 突き合わせ — 記録の数と既知の数
- 10-15 残件と費用 — 定理までの距離
- 10-16 主張しないこと
- 10-17 ひらめきと小さな問い
- 第 11 部 今後の考察 — 仮定 H の先と、別の見方
- 11-00 今後の考察 — 入口
- 11-01 H を妨げる一つの形 — ほぼ保存される大域の量
- 11-02 物差しと座標を選び直す — 保存が壊れる長さ
- 11-03 区画の H と局所の H
- 11-04 片側の橋はどの H を要るか
- 11-05 時間を連続にする — Hamiltonian 格子と真空の測度
- 11-06 凸性の代わりに稀さで払う — 群の上の繰り込みと対数 Sobolev
- 11-07 四次元だからこそ — 無次元の結合と位相
- 11-08 問いと、主張しないこと
- 11-A1 第 11 部の記号の対応表
- 付録
- A-01 記号表
- A-02 用語集
- A-03 文献案内
- A-04 Lean と機械検査
- A-05 この本の作り方
- A-06 仮定の索引
区画の枠組みと道筋 5 の三本の筋
この章で分かること — 芯の隙間を芯の長さ に一様に押さえる組み立て(区画の枠組み)を五つの段に分けて証明し、それが閉じる条件 と、そこから決まる要る値 を導きます。条件の各定数が構造から来るのか道具の選び方から来るのかを仕分け、要る値を上げる方向と、足りない側を下げる方向を並べます。残る一命題(サイトの窓の対数 Sobolev 定数が要る値の内にあること)を攻めた三本の筋(成分ごと・スカラー・Feynman–Kac)の到達点を一表にし、三本が同じ場所で止まる理由——頂上の一サイトの曲率が凸性に 足りないこと——を、対角優位の一行で述べます。
前提となる章 — 10-07(道筋 3・道筋 5 の位置)・10-08 §02(鎖の条件)・10-05 §03(条件 (H2) と行 (T0′P))・1-10 §07〜§09(Poincaré 不等式)。
先に言うこと — 水準は〔研〕で、§01 だけ〔三〕で読めるように書きます。§02 以降は研究の水準の節で、飛ばして §05 の表 4 と §06 の共通の壁に進んでも、この章の結論は読めます。この部は仮定 H を検討の軸に置いていて(10-01)、この章はその一段目の条件 (H2) の芯の行を、どこまで組めたかを述べる章です。区画の枠組みは示せましたが、残る一命題は三本の筋のどれでも閉じていません。
- 要約 — 〔三〕で読める一節
- 区画の枠組みの五つの段 — 区画の和・周辺の形の Gibbs・成分ごとの局所化・体積の局所性・合成
- 閉じる条件と要る値 — 定数の出所と、二つの方向(表 1・表 2)
- 閾値の不一致 — 条件が字義どおりには何も与えていなかった例
- 道筋 5 の三本の筋 — 成分ごと・スカラー(命題 P5、表 3)・Feynman–Kac、到達点(表 4)
- 共通の壁 — 頂上の一サイトの曲率 と
- 五分類の表(表 5)
- 依存グラフ
要約
芯 は、経路が頂上の近くにとどまる サイトの区間で、ここでは作用の Hessian が負の向きを持ちます。芯の測度の隙間(行 (T0′P))を に一様に押さえるには、負の曲率のある場所が稀であることを使って払う必要があります。区画の枠組みは、その払い方を五つの段に分けたものです。
- 区画の和。配位の空間を箱の直積に割っても、Dirichlet 形・分散・エントロピーは区画ごとの和に分かれ、区画の数は定数に入りません。
- 周辺の形の Gibbs。稀な集合 (測度 以下)の上の重みは、エントロピーと で払えます:。
- 成分ごとの局所化。勾配の成分ごとに、そのサイトの周りの 17 サイト(サイトの窓)の印の周辺の対数 Sobolev 定数 で 2. を当てると、和に が入りません。
- 体積の局所性。稀さの指数 は に依りません。
- 合成。以上と Barta・Bochner の二つの不等式を組むと、芯の隙間 について です。右辺が正になる条件が閉じる条件 です。
閉じる条件を について書き直したものが要る値 で、三つの で欠陥を三サイトで定める道の元の形は で負(どの でも閉じない)・・ で、道具の選び方を二つ直すと まで上がります 読(測った稀さの指数の上の算術)。一方 の上界は、いまの組み立てでは の桁で 読(見積もりを含む)、29〜74 倍足りません。
残る一命題「」は三本の筋で攻めました。成分ごとの筋は要る値の 1.4〜5.5 倍の所で止まり、スカラーの筋は で仮定の表つきの命題(命題 P5)になり、Feynman–Kac の筋は Monte Carlo の読みで閾の 0.54 倍の内にありますが上界は閾の 倍です。三本とも、頂上で一サイトの対角 が隣との結合の和 に届かない、という同じ場所で止まります(§06)。
区画の枠組みの五つの段
設定。芯 ()、両端の値 を止め、、(箱の面では Neumann)とします。 の最初の非零の固有値を 、固有関数を 、 とし、
と置きます。 はサイト の欠陥の集合( とその隣のどれかが閾 より頂上の側にある配位、)です。各サイトに印 を付け、サイト の周りの窓 の印の組を と書きます。区画とは、印の型ごとの箱の直積 です。
(Σ.1) 区画の和
任意の箱の直積の分割 について、(a) (面は測度 0 で、 は各区画の上で同じ関数)、(b) (全分散の公式。エントロピーも同じ形の連鎖律)、(c) 区画ごとに なら第一項は 以下です 初。区画の数は、和が 1 になる重み にしか現れません。Leanvar_split_cells(仮定なし)・cell_sum_sup(仮定:・・)。
(Σ.2) 周辺の形の Gibbs の段
Gibbs の変分不等式。確率測度 、、関数 について
初 証明。 と置き、Jensen の不等式で 。両辺に を掛けると (2) です。∎
(2) で 、 とすると で、 なら です Leangibbs_ln2_cell(仮定:・・)。 が粗い変数 で決まる集合なら、 と取って
です。稀な集合の上の重みを、粗い変数の周辺のエントロピーで払う形です。
(Σ.3) 成分ごとの局所化
入力として、全ての と で窓の周辺の対数 Sobolev 不等式
を仮定し 仮、( は で決まる集合、)とします。(3) を に当てて で足すと、・ から
です 初 Leancomp_sum_le(仮定:・各成分の不等式)。 が入りません。対照として、勾配を成分に分けずにスカラーの のまま一つの和集合 に (3) を当てると、定数関数 を入れるだけで欠陥の項が 以上になり、 に一様になりません 初 Leanscalar_not_uniform(仮定:。結論は「全ての で となる は無い」)。 に一様であることと、条件に が入ることは交換条件です。
(Σ.4) 体積の局所性
は欠陥の集合の稀さの指数で、 に依りません。欠陥を三サイトで定める道では、測った値 から ()です 読(転送行列の浮動小数。 は外挿で、測り直した値は )。欠陥を長さ 8 以上の塊で定める道では (・)読。橋の上で同じことを言うには、切れ端の転送作用素の剰余が端の値に一様に小さいこと (PFseg) が要ります 仮。
(Σ.5) 合成
次の三つの不等式を組みます。
- Barta:。成分ごとの作用素 ( は を満たす)に重み を当てた行の不等式 から来ます。 は欠陥の外での行の下界、 は箱の全体での最悪の行から決まる欠陥の深さです 仮(行の評価の紙は本に置かない)。
- (5):(Σ.3) そのもの。
- Bochner:、、。恒等式は Bochner の公式の積分形 典(Ledoux の講義の命題 1.3、原典の本文で確認)で、箱の平らな面で境界の項が消えることと固有関数の角までの滑らかさは 仮 です。
(5) に Bochner を入れ、それを Barta に入れると
です 初 Leancomp_close(仮定:・・・Barta・(5)・Bochner の三つの不等式)。右辺が正、すなわち
なら、芯の隙間 は に依らない正の数で下から押さえられます。(7) が閉じる条件です。五つの段のうち、(Σ.1)〜(Σ.3)・(Σ.5) の組み立ては初等の証明を本文に置き、仮定として残るのは入力 (LSW)・(PFseg)・Barta の行・Bochner の正則性と、(7) を満たすほど が小さいかどうか、です。仮定として残るのは構造ではなく定数の大きさです。
閉じる条件と要る値
(7) を について解くと、要る値
が出ます 初((7) の移項)。 がこれより小さいことが残る一命題 (LSW♭) で、10-07 §02 の道筋 5 です。
定数の出所。(7) の六つの定数を、構造から来るものと道具の選び方から来るものに仕分けます。
| 定数 | 値 | 出所 | 側 |
|---|---|---|---|
| Barta の行の、欠陥の外での下界(閾 を一サイトの閾 のすぐ上に置いたので小さい) | 構造 | ||
| 同じ行の箱の全体での最悪の値(頂上の側の ) | 構造 | ||
| 表 2 | 欠陥の集合の稀さの指数(長さではない) | 構造 | |
| Bochner の段で、負の曲率 の最小 を芯の全体で一様に払った値 | 道具の選び方 | ||
| Gibbs の段で傾き を に固定した値 | 道具の選び方 | ||
| (LSW) の欠陥の項を置かない組み立て | — |
が と掛かって条件に入る理由は、(5) の右辺の を Bochner で に替えるとき、 の部分は左辺に移せますが は を掛けずに残り、 で払うしかないからです。 の増幅が、ここで に掛かります。
二つの方向 — 要る側を上げる・足りない側を下げる
要る側を上げる(道具の選び方を直す)。
- Bochner を局所化する。負の曲率 は にしか無く、そこは既に欠陥の集合 の中です。区間の一行 (・)から 初 Lean
negw_le_localized(仮定:・・)、運動の項 が半正定値であることを使って が出ます 初 Leanbochner_localized(仮定:恒等式 ・)。 は (5) が既に払っている項なので、 の係数が から (、約 32 分の 1)に下がります。 - Gibbs の傾きを最適にする。(2) の は でもよく、 を最大にする で、費用 が に替わります 初(一変数の凹関数の最大)Lean
tilt_cost_le(仮定:・)。
二つを合わせた閉じる条件は で、要る値は です。さらに閾 を の近くまで上げると になり、条件は実質 に変わります。
| 形 | 備考 | |
|---|---|---|
| 元の形(欠陥を長さ 8 以上の塊で定める道) | ||
| 元の形(欠陥を三サイトで定める道) | 負// | では でも閉じない |
| Gibbs の傾きだけ | 三サイトの道 | |
| Bochner の局所化だけ | 負// | 同上 |
| 二つを合わせる | 同上。Leanjudge_i_inside(仮定:・・・) | |
| 閾を に上げる | ・ は格子の浮動小数 |
足りない側を下げる( の上界を作り直す)。三サイトの窓 での の上界は、いまの組み立てで 読(見積もりを含む)で、二つを合わせた要る値と比べて 74/31/29 倍、閾を上げた要る値と比べて 14.5/6.2/5.7 倍外です(後者は同じ上界の技法が閾を上げても同じ値を出すと置いた見積もり)。一方、試験関数で測った の下界は で、要る値を排除しません。真の が要る値の内にあることは排除されておらず、足りないのは上界の作り方の側です。これが道筋 5 の三本の筋の出発点です。
閾値の不一致 — 条件が字義どおりには何も与えていなかった例
(Σ.3) は で、 が窓の印 だけで決まる集合であることを使います。表 1 の ・・ は欠陥の閾 で測った値で、 は印の閾 で測った値でした。 だと、「窓の印が全て谷の側」という印の原子は の点、つまり の点を含みます。印で決まる集合で を含むものは全空間しかなく、、 です 初(可測性の一行)。二つの閾が食い違ったままでは、(7) は字義どおりには何も与えていません。直し方は を に下げることではなく( では Barta の行の下界 が負になる)、 を の印で測ることで、これは足りない側への注文です。数値の組み立てを重ねるとき、合成する条件の一つ一つが同じ定義の上で成り立っているかを、字義どおりに確かめる段が要る、という例です。
道筋 5 の三本の筋
残る一命題を、条件の関数形の違う三つの形で攻めました。どの筋も (Σ.5)・(T0′)・(H2) を示していません。数は全て 0+1 次元の二重井戸・ の格子の上の値です。迂回策の全体の一覧と壊れ方の型は 10-10 に送ります。
筋 1 成分ごとの形
Bochner の局所化と Gibbs の傾きの上に、各点の負の曲率をその点の稀さで払う形(曲率を高さの関数 で払う)を載せると、要る値は まで上がります 読。上界は「粗い段」と「伝播の段」の積の形で作ります。
- 粗い段は詰んだ。中央だけ多値の印の鎖で、粗い段の対数 Sobolev 定数は 、一点の指示関数の下界との比 読(倍精度のデータの上の有理数の分解)。この段からはもう取れません。
- 伝播の段に上界が無い。残りを重みつきの条件つき Poincaré 定数 に移すと、要る値は 、試験関数の族の下界は ( にほぼ依らない)読。Lyapunov 関数の判定法(Bakry–Barthe–Cattiaux–Guillin の型 典、二次資料の再述で確認)で、遠い端に依らない Lyapunov 関数の族は頂上の面 で要る値の 倍外でした。遠い端まで延ばした分かれた族の最良を双対で測ると、この主項は越えますが、最も細かい格子で =要る値の 倍で止まります 読(格子の値、 を下げる側ほど格子に敏感)。全ての Lyapunov 関数に効く床は ( に一様)で 読 Lean
tilt_g1(仮定:)、判定法の形そのものは要る値を割りえます。
残る一歩:隣どうしの結合の項を持つ Lyapunov 関数で、有限の の補正を下げること。分類は 読 と 仮。
筋 2 スカラーの形 — 命題 P5
勾配を成分に分けず、凸な底(谷の側の箱)に Bakry–Émery を当て、頂上の帯は各サイトの Gibbs の段で払う形です。条件は だけで ・・・ は要りませんが、 が で入るので、芯の長さには有限の範囲でしか効きません。芯の Poincaré 定数は と剰余 (Rem2) の和になり、剰余は最初の固有関数に限れば小ささ が要るだけです。これを仮定の表つきの命題にしたのが命題 P5 です。
0+1 次元の二重井戸・・・芯の長さ ・中央の塊 ・ は最初の非零固有関数。表 3 の行の下で、 の節点 の各点で、剰余の量 は 、、。
Leanpath5_conditional(仮定:剰余の不等式・代理の比・稀さ・算術の余裕 を名前つきで)・p5_assembly(仮定:代理の比・稀さ・閾・算術・単調性)。
| 行 | 言明(一行) | 分類 | 注 |
|---|---|---|---|
| Spec | 離散のスペクトル・固有関数の存在と正則性・ の単純さ | 仮 | 角のある箱の Neumann 問題の正則性は標準の定理から出ない |
| LS1 | 帯の一サイトの欠陥つき対数 Sobolev | 仮 | 未 |
| SB | 凸な底と帯の伝播() | 仮 | 紙は本に置かない |
| Hλ | の に一様な上界(Rayleigh 商) | 読 | 区間演算の型(節点ごとに 1 本)、未 |
| EH | 射出の向きの局所化の評価 | 仮 | 紙の見積もり。IMS の局所化の公式は 典(二次資料で確認) |
| Rare | 標的の稀さ 、 | 読 | 転送の浮動小数。節点ごとに 7 本の区間演算の型、未 |
| Proxy | 代理の比 (、) | 仮 | 測った範囲の外へ持ち上げる唯一の仮定:二サイトの塊の測った値 と一段 の線形の持ち上げ(許容 ) |
| BT | 水準集合の比べ | 読 | 節点ごとに 3 本の区間演算の型、未 |
| Num | 余裕の算術 | 初 | 算術 |
| Range | 節点の間の の包み | 仮 | 未。範囲 は 8 節点の点の値 |
区間演算に移す本数は、8 節点 × 14 本=112 本と節点の間の包みで、まだ一本も走らせていません。 を少し越えると二つの条件が同じ窓で両立しなくなり( で両立しない 読)、 へも、射出の向きの評価が で一様でないため延びません。命題 P5 は窓の下の端の有限の範囲の、仮定の表つきの命題です。
筋 3 Feynman–Kac の形
比較の対角に Feynman–Kac の重みを残す形で、要るのは芯の全体の対数 Sobolev 定数が 、( の係数まで問われる)です。試験関数の族の下界は 読 で、余裕は 1.6〜1.9 倍です。半径の鎖に分けると、鎖の定数は要る値の 倍(模型の鎖の上で)読、残るのは Helffer–Sjöstrand の表示 典(書誌だけ、言明は未確認のため本書では 仮 として扱う)の中の量 で、閾は 、すなわち ( は要る値と鎖の定数の比)です。
- Monte Carlo の読み:出発点を探索した後の下からの値で ()・()、3σ を足して =閾 の 0.54 倍 読(出発点の上の最大で、ファイバー全体の上界ではない=仮定 (MC-sup))。
- 紙の上界:同じ点・同じ経路で数えた経路ごとの Grönwall 型の上界は =閾の約 倍 読。幅のほとんどは、スカラーの Grönwall が勾配の向きを捨て、全ての向きを最も柔らかい率で減らす段から来ます。時間平均した行列の最小固有値で縮みを押さえる版は偽です Lean
mbar_bound_false(二次元の反例、仮定なし)。
残る一歩:向きを保つ上界(経路に沿った行列の Lyapunov 関数、または柔らかい部分空間と硬い部分空間に分けた評価)。
三本の並び
| 筋 | 到達点 | 分類 | の範囲 | 残る一歩 |
|---|---|---|---|---|
| 2 スカラー | 命題 P5(仮定の表つき・持ち上げの仮定一つ・区間演算 112 本は未) | 仮+読 | の 8 節点 | 節点ごとの区間演算・節点の間の包み・持ち上げの仮定の明示 |
| 3 Feynman–Kac | Monte Carlo の読みで閾の 0.54 倍。紙の上界は閾の 倍 | 読 | ・ | 向きを保つ上界 |
| 1 成分ごと | Lyapunov の判定法の主項は越えたが要る値の 5.5/2.6/1.4 倍。全ての Lyapunov 関数の床は 31 | 読 | 三点 | 結合の項を持つ Lyapunov 関数 |
表 4 は、どの筋が「近い」かの順位ではありません。筋 2 は窓の下の端でしか形を持たず、窓の全体を覆う形は筋 1 か筋 3 にしかありません。進み具合は行ごとの分類で読んでください。
共通の壁 — 頂上の一サイトの曲率 と
芯の作用の Hessian は、格子 で三重対角の行列
です(隣どうしの項 が対角に 、隣に を与える)。一つの行を見ると、対角は 、隣との結合の絶対値の和は です。頂上 では なので
で、対角優位が だけ破れます 初。行ごとの評価(Gershgorin の円)から言えるのは最小固有値 までで、実際に全てのサイトが頂上にある面 の上では、両端を止めた サイトの塊の最小固有値は で、 で負です 初( の固有値の閉じた式)。手で確かめるなら、 で 、 で です。
三本の筋は、この一行の不足に形を変えて戻ってきました。
- Barta の重みをどう選んでも、一サイトの重みの行の床は頂上で です。
- 筋 1 の一様な道の判定は、対角 と結合 で でした。
- 筋 1 の Lyapunov の判定法が止まった頂上の面は、作用の勾配が 0 になる面 そのものです。
- 筋 3 で の係数が住むのは、頂上の角からの半径(台地の非凸な向き)でした。
壁が普遍である理由(一行)。凸性(Hessian の正の下界)を入口に持つ道具——Bakry–Émery・Brascamp–Lieb・Barta の行・対角優位——は、頂上の台地で Hessian が本当に負の向きを持つ以上、どこかでこの を台地の稀さ(エントロピー)で払う必要があり、その払い方に が入ります。この見方の詳しい検討と、凸性に頼らない別の視点は第 11 部(11-06)で扱います。
五分類の表 — 区画の枠組みと道筋 5 の行
| 行 | 言明(一行) | 分類 | 根拠 | の範囲 | 機械検査 |
|---|---|---|---|---|---|
| LSW | 入力 (LSW)(窓の周辺の対数 Sobolev の形) | 仮 | §02 (4) | — | — |
| PF | (PFseg)(橋の上の体積の局所性) | 仮 | §02 (Σ.4) | — | — |
| BAR | Barta の行 ・ | 仮 | §02 (Σ.5)(紙は本に置かない) | に依らない | — |
| REG | Bochner の境界の項の消滅と固有関数の正則性 | 仮 | §02 (Σ.5) | — | — |
| PROX | 命題 P5 の持ち上げの仮定と表 3 の他の仮の行 | 仮 | §05 表 3 | — | — |
| BOC | Bochner の公式の積分形 | 典 | Ledoux の講義の命題 1.3(原典の本文で確認) | に依らない | — |
| ELL | 読 | §02 (Σ.4)(転送行列・外挿を含む) | 三点 | — | |
| AW | の上界 ・下界 | 読 | §03(見積もりを含む/族の値) | 三点 | — |
| S1 | (Σ.1) 区画の和 | 初 | §02 | に依らない | var_split_cells(仮定なし)・cell_sum_sup(仮定:・) |
| S2 | (Σ.2) Gibbs の変分不等式 (2) と (3) | 初 | §02 の証明 | に依らない | gibbs_ln2_cell(仮定:・・) |
| S3 | (Σ.3) 成分ごとの局所化 (5) ⟸ LSW | 初 | §02 | に依らない | comp_sum_le(仮定:・各成分の不等式) |
| SK | スカラーの形は に一様でない | 初 | §02 (Σ.3) | に依らない | scalar_not_uniform(仮定:) |
| S5 | (Σ.5) 合成 (6) と閉じる条件 (7) | 初 | §02 | に依らない | comp_close(仮定:・・・Barta・(5)・Bochner) |
| AMX | 要る値 (8) | 初 | §03(値は ELL の上の算術で読) | 三点 | — |
| R1 | 局所化した Bochner (9) | 初 | §03 | に依らない | negw_le_localized・bochner_localized(仮定は §03 の本文) |
| R2 | Gibbs の傾きの最適化 | 初 | §03 | に依らない | tilt_cost_le(仮定:・) |
| AM2 | 二つを合わせた要る値 | 読 | §03 表 2 | 三点 | judge_i_inside(仮定:測った の下界・) |
| THR | 閾が食い違うと | 初 | §04 | に依らない | — |
| P5 | 命題 P5 | 仮 | §05 筋 2(仮の行 PROX・Spec の上の組み立て) | の 8 節点 | path5_conditional・p5_assembly(仮定は §05) |
| ST1 | 筋 1 の到達点(要る値の 1.4〜5.5 倍・床 31) | 読 | §05 筋 1 | 三点 | tilt_g1(仮定:) |
| ST3 | 筋 3 の到達点(読み 0.54 倍・紙の上界 倍) | 読 | §05 筋 3 | 二点 | mbar_bound_false(反例、仮定なし) |
| WALL | 頂上の一サイトで対角優位が 破れる | 初 | §06 (11) | に依らない | — |
| LSWb | (LSW♭) | 仮 | 道筋 5 | — | — |
表 5 の「初」の行は、どれも仮定の行の上の代数か、本文に証明を置いた一般の不等式です。芯の隙間の下界が無条件に示されたことは意味しません。
依存グラフ
書式は 10-05 §07 と同じで、「⟸」の右の番号は左の番号より必ず小さく置きます。
[01] 仮 LSW 入力 (LS_W) ħ:—
[02] 仮 PF (PF_seg) ħ:—
[03] 仮 BAR Barta の行 κ = 3/1000・b = 493/1000 ħ に依らない
[04] 仮 REG Bochner の境界の項と正則性 ħ:—
[05] 仮 PROX 命題 P5 の仮の行(持ち上げの仮定ほか) ħ:—
[06] 仮 LSWb (LS_W♭) A_W < A_max ħ:—
[07] 典 BOC Bochner の公式の積分形 ħ に依らない
[08] 読 ELL ℓ_min = 38.3/121.9/406.8 ħ:三点
[09] 読 AW A_W の上界と下界 ħ:三点
[10] 初 S1 (Σ.1) 区画の和 ħ に依らない
Lean var_split_cells・cell_sum_sup
[11] 初 S2 (Σ.2) Gibbs の変分不等式 ħ に依らない
Lean gibbs_ln2_cell(仮定:p ≥ 0・ℓ ≥ 0・p·e^ℓ ≤ 1)
[12] 初 S3 (Σ.3) 成分ごとの局所化 (5) ⟸ [01][10][11] ħ に依らない
Lean comp_sum_le
[13] 初 SK スカラーの形は k に一様でない ħ に依らない
Lean scalar_not_uniform(仮定:p > 0)
[14] 読 S4 (Σ.4) ℓ_min は k に依らない ⟸ [02][08] ħ:三点
[15] 初 R1 局所化した Bochner (9) ⟸ [04][07] ħ に依らない
Lean negw_le_localized・bochner_localized
[16] 初 R2 Gibbs の傾きの最適化 ħ に依らない
Lean tilt_cost_le
[17] 初 S5 合成 (6)・閉じる条件 (7) ⟸ [03][04][07][12][14] ħ に依らない
Lean comp_close(仮定:Barta・(5)・Bochner)
[18] 初 AMX 要る値 (8) ⟸ [17] ħ に依らない
[19] 読 AM2 要る値 25.1/90.3/312.3 ⟸ [08][15][16][18] ħ:三点
Lean judge_i_inside(仮定:測った ℓ の下界)
[20] 初 THR 閾が食い違うと ℓ = 0 ħ に依らない
[21] 仮 P5 命題 P5 ⟸ [05] ħ:8 節点
Lean path5_conditional・p5_assembly
[22] 読 ST1 筋 1 の到達点 ⟸ [19] ħ:三点
[23] 読 ST3 筋 3 の到達点 ħ:二点
[24] 初 WALL 頂上で対角優位が ¼ 破れる ħ に依らない
[25] 初 CORE 芯の隙間の k に一様な正の下界 ⟸ [06][17] ħ:—
確かめ方。⟸ を持つ行は [12]([01][10][11])・[14]([02][08])・[15]([04][07])・[17]([03][04][07][12][14])・[18]([17])・[19]([08][15][16][18])・[21]([05])・[22]([19])・[25]([06][17])で、どれも右の番号が左より小さく、円はありません。
読むこと。結論 [25] は [17] を通して構造の段([10]〜[14])と入力の仮定([01]〜[04])に依り、さらに仮定の行 [06](残る一命題)に依ります。[06] を支える候補が三本の筋 [21][22][23] で、どれも [06] を示していません([21] は窓の下の端の仮定の表つきの命題、[22][23] は読み)。[20] は、[01] と [03] を同じ閾で測らないと [12] が空になる、という確かめの行です。[24] は三本の筋が止まった場所の説明で、どの結論の前提でもありません。
仮定の行の言明が結論の量を含まないことも確かめます。結論の量は芯の測度の隙間 です。[01]・[06] は窓の印の周辺の対数 Sobolev 定数、[02] は切れ端の転送作用素の剰余、[03] は重みの行の下界、[04] は境界の項と正則性、[05] は剰余の量と代理の比で、どれも を含みません。
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道筋 5 で試した迂回策(二十二本と途中で生まれた二本、その派生)の全体の一覧と、繰り返し現れた壊れ方の型は 10-10 で扱います。芯の定数を箱の側から三段で押さえる組み立ては 10-11 です。この部は仮定 H を検討の軸に置き、この章はその一段目の (H2) の芯の行がどこまで組めたかを述べました。頂上の負の曲率を凸性に頼らずに扱う視点は第 11 部(11-06)で扱います。
この章が言えている範囲
| 言えている | 言えていない |
|---|---|
| 初 区画の枠組みの (Σ.1)〜(Σ.3)・(Σ.5) の組み立て、閉じる条件 (7)、要る値 (8)、局所化した Bochner と Gibbs の傾き、閾の食い違いの帰結、頂上での対角優位の破れ Lean(代数) | 入力 (LSW)・(PFseg)・Barta の行・正則性 |
| 読 要る値 、 の上界との差 29〜74 倍、三本の筋の到達点 | 残る一命題 (LSW♭)。したがって芯の行 (T0′P) と条件 (H2) |
| 仮 命題 P5( の 8 節点、仮定の表つき) | 命題 P5 の区間演算・節点の間・窓の上の半分と |
出典と再現
| もの | 種別 | 出典・道具 |
|---|---|---|
| Bochner の公式の積分形 | 典 | M. Ledoux, Sém. Probab. XXXV, LNM 1755 (2001) 167–194(命題 1.3、本文で確認)。 |
| Lyapunov 関数と局所 Poincaré の判定法 | 典 | D. Bakry, F. Barthe, P. Cattiaux, A. Guillin, Electron. Commun. Probab. 13 (2008);D. Bakry, P. Cattiaux, A. Guillin, J. Funct. Anal. 254 (2008) 727–759(定理 3.6 を二次資料の再述で確認)。 |
| IMS の局所化の公式 | 典 | H. L. Cycon, R. G. Froese, W. Kirsch, B. Simon, Schrödinger Operators, Springer 1987(§3 の再述で確認)。 |
| Helffer–Sjöstrand の表示 | 仮 | B. Helffer, J. Sjöstrand, J. Stat. Phys. 74 (1994) 349–409(書誌だけ、言明は未確認)。 |
| Gibbs の変分不等式・区画の和・成分ごとの局所化・合成 | 初・Lean | 本文 §02 の証明。var_split_cells・cell_sum_sup・gibbs_ln2_cell・comp_sum_le・comp_close・scalar_not_uniform。 |
| 要る側の二つの直し | 初・読・Lean | §03。negw_le_localized・bochner_localized・tilt_cost_le・judge_i_inside。稀さの指数は転送行列(中点則・格子 600 と 1200 の小さい方)。 |
| 三本の筋の数 | 読・Lean | 筋 1:浮動小数の格子の双対と主の問題(格子 40〜160)、tilt_g1。筋 2:転送の浮動小数、path5_conditional・p5_assembly。筋 3:随伴の推定量の Monte Carlo(経路 32、出発点の探索)、mbar_bound_false。 |
この章で使った語 — 区画の枠組み・区画・印・サイトの窓・欠陥の集合・稀さの指数・Gibbs の変分不等式・成分ごとの局所化・閉じる条件・要る値・道具の選び方と構造・閾値の不一致・三本の筋・命題 P5・持ち上げの仮定・共通の壁・対角優位。意味は A-02 用語集 にあります。
次に読む章:10-10 迂回策の一覧 — 壊れ方の型 — 迂回策を「殺した一行」つきの一表にし、要る側・形・床の三つの側と、繰り返し現れた壊れ方の型を読む。
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