computo ergo sum

2026-10-15 · chapter ヤン–ミルズと質量ギャップ第 13 部 移り変わりの帯渦の自由エネルギー・板の張力・階段関数・柱の偏り · Kiichi, Shiori and Rin

この本の全体 目次と読む順
  1. 第 0 部 入口 — この本の読み方
  2. 0-01 この本の読み方
  3. 0-02 一枚の絵
  4. 0-03 問題文を一語ずつ読む
  5. 0-04 数学の四次元と物理の四次元
  6. 第 1 部 数学の準備
  7. 1-01 ベクトル空間と線形写像
  8. 1-02 群とは何か
  9. 1-03 リー群とリー環
  10. 1-04 SU(2) と SU(3)
  11. 1-05 多様体と接空間
  12. 1-06 微分形式と外微分
  13. 1-07 ベクトル束と接続
  14. 1-08 確率と測度
  15. 1-09 無限次元の確率
  16. 1-10 ヒルベルト空間と自己共役作用素
  17. 1-11 フーリエ解析と分布
  18. 1-12 寄り道:四次元でだけ起きること
  19. 第 2 部 物理の準備
  20. 2-01 ラグランジアンと作用
  21. 2-02 場という考え
  22. 2-03 電磁気学はゲージ理論である
  23. 2-04 特殊相対論と時空
  24. 2-05 量子力学の骨
  25. 2-06 調和振動子と生成消滅
  26. 2-07 経路積分の考え方
  27. 2-08 統計力学と相転移
  28. 2-09 寄り道:イジング模型で見るギャップと相関長
  29. 2-10 緩和の時間と動的指数 z
  30. 第 3 部 ヤン–ミルズ理論(古典)
  31. 3-01 ゲージ原理
  32. 3-02 非可換ゲージ場
  33. 3-03 作用と方程式
  34. 3-04 幾何としてのゲージ理論
  35. 3-05 インスタントンと位相
  36. 3-06 寄り道:Donaldson とエキゾチック R⁴
  37. 3-07 標準模型の中のヤン–ミルズ
  38. 第 4 部 量子化
  39. 4-01 正準量子化とハミルトニアン
  40. 4-02 経路積分とユークリッド化
  41. 4-03 摂動論と Feynman ダイアグラム
  42. 4-04 発散と繰り込み
  43. 4-05 発散の代数
  44. 4-06 漸近自由
  45. 4-07 次元転移と Λ
  46. 4-08 ゲージ固定と Faddeev–Popov
  47. 4-09 場の量子論の公理
  48. 4-10 Osterwalder–Schrader の公理と再構成
  49. 4-11 質量ギャップの定義
  50. 4-12 寄り道:摂動級数は発散する
  51. 第 5 部 格子ゲージ理論
  52. 5-01 Wilson の格子
  53. 5-02 強結合展開
  54. 5-03 反射正値性と転送行列
  55. 5-04 無限体積極限とクラスター展開
  56. 5-05 弱結合と連続極限
  57. 5-06 U(1) と非可換の違い
  58. 5-07 モンテカルロ法
  59. 5-08 グルーボールと弦張力の測定
  60. 5-09 何を固定して極限を取るか
  61. 5-10 有限群の格子ゲージ理論
  62. 5-11 寄り道:Bakry–Émery と一リンク積分
  63. 第 6 部 構成的場の理論
  64. 6-01 構成的場の理論とは
  65. 6-02 二次元の可解性とヤン–ミルズ測度
  66. 6-03 スカラー場の構成
  67. 6-04 クラスター展開
  68. 6-05 繰り込み群の段の列
  69. 6-06 三次元ヤン–ミルズの紫外安定性
  70. 6-07 四次元
  71. 6-08 四次元の φ⁴ の自明性
  72. 6-09 確率量子化と正則性構造
  73. 6-10 四次元で止まる場所
  74. 6-11 発散以外の障害
  75. 6-12 寄り道:「1/0 に記号を与えれば」
  76. 第 7 部 物理の側から
  77. 7-01 物理はどう見ているか
  78. 7-02 閉じ込めの機構
  79. 7-03 弦の絵
  80. 7-04 大 N
  81. 7-05 ひも理論と余剰次元
  82. 7-06 余剰次元が見えなくなる仕組み
  83. 7-07 ゲージ場はどこから来るか
  84. 7-08 ホログラフィー
  85. 7-09 質量ギャップが幾何になる
  86. 7-10 四次元に戻す
  87. 7-11 超対称と Seiberg–Witten
  88. 7-12 等価原理に当たる一文
  89. 7-13 物理の掘り方が数学と離れる場所
  90. 第 8 部 二つの言葉の辞書 — 物理の視点と数学の視点
  91. 8-01 辞書の読み方
  92. 8-02 辞書 A
  93. 8-03 辞書 B
  94. 8-04 辞書 C
  95. 8-05 私たちの仮定の物理側の対応
  96. 地図
  97. 第 9 部 現在地と課題
  98. 9-01 世界はどこまで来ているか
  99. 9-02 二つの掘り方の切れ目
  100. 9-03 新しい概念の候補
  101. 9-04 課題の一覧
  102. 9-05 よくある誤解
  103. 9-06 証明が含むべき段 — 七段の表
  104. 一本目の道 — 時間の方向から
  105. 第 10 部 一本目の道(前半)— 時間の方向から:質量ギャップと拡散型緩和時間の仮定
  106. 10-00 入口 — 階段と、酔歩・物差し・時計
  107. 10-01 構成の筋と仮定 ξ²
  108. 10-02 四次元格子で試した道と壁
  109. 10-03 階段の四段 — なぜ 0+1 次元から始めるか
  110. 10-04 二重井戸の経路の測度とキンク
  111. 10-05 一段目の言明 — 四条件と命題 4.5
  112. 10-06 (H1) 相の中の局所 Poincaré
  113. 10-07 (H2) の地図 — 七つの道筋と環の継ぎ目
  114. 10-08 計算機援用とは何か — 窓の中の鎖の条件
  115. 10-09 区画の枠組みと道筋 5 の三本の筋
  116. 10-10 迂回策の一覧 — 壊れ方の型
  117. 10-11 (H3)(H4) と芯の定数
  118. 10-12 統合表と依存グラフ
  119. 10-13 Lean の言明と機械検査の限界
  120. 10-14 突き合わせ — 記録の数と既知の数
  121. 10-15 残件と費用 — 定理までの距離
  122. 10-16 主張しないこと
  123. 10-17 ひらめきと小さな問い
  124. 第 11 部 一本目の道(後半)— 仮定の形を直し、時間を連続にする
  125. 11-00 今後の考察 — 入口
  126. 11-01 仮定 ξ² を妨げる一つの形 — ほぼ保存される大域の量
  127. 11-02 物差しと座標を選び直す — 保存が壊れる長さ
  128. 11-03 仮定 ξ² を直す二つの形 — 区画の仮定 ξ² と局所の仮定 ξ²
  129. 11-04 片側の橋はどの仮定 ξ² を要るか
  130. 11-05 時間を連続にする — Hamiltonian 格子と真空の測度
  131. 11-06 凸性の代わりに稀さで払う — 群の上の繰り込みと対数 Sobolev
  132. 11-07 四次元だからこそ — 無次元の結合と位相
  133. 11-08 問いと、主張しないこと
  134. 11-A1 第 11 部の記号の対応表
  135. 二本目の道 — 空間の方向から
  136. 第 12 部 二本目の道:空間の方向から — 小さな捩れた T² と閉じ込め
  137. 12-00 入口 — 時間でなく空間を
  138. 12-01 捩れた T² と 't Hooft の流束
  139. 12-02 渦と分数インスタントン
  140. 12-03 容器 — 枠を条件づけると独立になる
  141. 12-04 板の閉じ込め
  142. 12-05 渦の挿入の恒等式
  143. 12-06 力学で駆動した挿入と流れの補題
  144. 12-07 なぜ決まった写像は失敗するか
  145. 12-08 測った記録
  146. 12-09 この道が止まる場所 — T² を広げることが帯である
  147. 移り変わりの帯 — 二本の道が同じ壁に着く
  148. 第 13 部 移り変わりの帯 — 二本の道が同じ壁に着く
  149. 13-00 入口 — 合流
  150. 13-01 帯の正しい形
  151. 13-02 一つの不等式への還元
  152. 13-03 非可換が効く唯一の場所
  153. 13-04 構造だけでは渡れない
  154. 13-05 チェス盤と同時の反転
  155. 13-06 繰り込みの比較 — 群を区別する比較
  156. 13-07 時間の側から見た帯
  157. 13-08 試して止まった道の地図
  158. 13-09 測った記録
  159. 13-10 新しい見方の候補
  160. 13-11 紫外の制御 — 無限個の段で閉じるとは何か
  161. 閉じる
  162. 第 14 部 閉じる — 条件つきの言明
  163. 14-00 入口 — この部の約束
  164. 14-01 条件つきの言明 — 質量ギャップと閉じ込めを矢印ごとに
  165. 14-02 条件の台帳
  166. 14-03 問いの表(横断の索引)
  167. 14-04 主張しないこと(横断の索引)
  168. 付録
  169. A-01 記号表
  170. A-02 用語集
  171. A-03 文献案内
  172. A-04 Lean と機械検査
  173. A-05 この本の作り方
  174. A-06 仮定の索引
  175. A-07 この本から出た論文

測った記録

この章で分かること — 第 13 部が引く数値を、一頁にまとめます。小さな捩れた T2T^2 を広げたとき、U(1)U(1) の渦の自由エネルギーは上がり、SU(2)SU(2) の渦は上がらないこと(§02)。板の弦の張力は T2T^2 とともに増えて飽和し、有意な行き過ぎは見えないこと(§03)。渦の自由エネルギーの β\beta 依存(§04)。格子全体を 2 倍にしたとき、SU(2)SU(2) の渦は安くなり U(1)U(1) の渦は高くなること(§05)。一段の階段関数の符号が、U(1)U(1) では既知の相転移 βc≈1.01\beta_c\approx1.01 で反転し、SU(2)SU(2) では測った範囲で反転しないこと(§06)。外枠を止めた柱の偏りを小さく保つのに要る幅が、SU(2)SU(2) では NN とともにほとんど伸びず、U(1)U(1) では伸びること(§07)。Z2\mathbb Z_2 のガラスの表示の診断(§08)。

前提となる章 — 12-01(捩れた T2T^2 と流束)・13-01(区画の偏り θ\theta)・13-02(横広げの不等式)・13-06(繰り込みの比較)・5-07(モンテカルロ法)。

先に言うこと — この頁の数は全て数値の読みです 読。格子は 848^4 までと小さく、β\beta の点も、種(乱数の初期値)や枠の数も少なく、誤差は統計誤差だけで、小さめに出ている可能性があります。どの行も、帯を渡ることの証拠ではなく、候補の向きを選ぶための傾向の記録です。各行に格子の大きさ・β\beta・種や枠の数・誤差を書きます。記録に種の数が書かれていない行は「記載なし」とします。

この章の順序
  1. 測り方と記号 — 渦の自由エネルギー・区画の偏り・人工物の注
  2. T² を広げる — U(1)U(1) は上がり、SU(2)SU(2) は上がらない(表 1〜表 3)
  3. 板の弦の張力 — 増えて飽和する(表 4・表 5)
  4. 渦の自由エネルギーの β 依存(表 6)
  5. 格子全体を 2 倍にする(表 7〜表 10)
  6. 階段関数の符号 — U(1)U(1) の対照(表 11)
  7. 柱の偏り — ℓ×N\ell\times N の走査(表 12〜表 14)
  8. Z2\mathbb Z_2 のガラスの診断(表 15)
  9. 小さな格子の人工物 — 読むときの注意の一覧
  10. 五分類の表と依存グラフ

01

測り方と記号

格子。板の格子は (Z/NT)2×(Z/M)2(\mathbb Z/N_T)^2\times(\mathbb Z/M)^2 で、最初の二方向(大きさ NTN_T)が小さな T2T^2、残りの二方向(大きさ MM)が平面 R2\mathbb R^2 の代わりです。T2T^2 には 't Hooft の捩れ n12=1n_{12}=1 を入れます(12-01)。対称なトーラスは N4N^4 と書きます。作用は Wilson 作用 −β2∑pzp tr Up-\frac\beta2\sum_pz_p\,\mathrm{tr}\,U_p(SU(2)SU(2))と、その U(1)U(1) 版です。

渦の自由エネルギー。平面の方向の流束 n34n_{34} を変えた区画との自由エネルギーの差を

ΔF=F(n34=1)−F(n34=0)=−ln⁡Z(n34=1)Z(n34=0)(1)\Delta F=F(n_{34}=1)-F(n_{34}=0)=-\ln\frac{Z(n_{34}=1)}{Z(n_{34}=0)}\tag{1}

と書き、区画の偏りを θ=tanh⁡(ΔF/2)\theta=\tanh(\Delta F/2) とします(13-01 §04 の FvF_v と同じ量)。ΔF\Delta F が大きいほど渦は高く(入りにくく)、θ\theta は 1 に近づきます。閉じ込めの領域では ΔF→0\Delta F\to0 と期待されます。

測り方。ΔF\Delta F は、レプリカ交換(結合を補間した複製の間で配位を交換し、区画をまたぐ標本を作る)と、Bennett の受理比の方法(BAR)で求めます。誤差は統計誤差です。種を替えた二本の差が、表示した誤差の 1〜2 倍になる点があり、誤差は小さめに出ている可能性があります。板の弦の張力は Creutz 比

χ(R)=−ln⁡W(R,R) W(R−1,R−1)W(R,R−1) W(R−1,R)(2)\chi(R)=-\ln\frac{W(R,R)\,W(R-1,R-1)}{W(R,R-1)\,W(R-1,R)}\tag{2}

で読みます(W(R,T)W(R,T) は R×TR\times T の Wilson ループ)。小さな RR の Creutz 比は Coulomb の項を含んで張力を大きめに見積もるので、絶対値でなく傾向だけを読みます。

人工物の注(先に)。どの表にも共通の注意を、§09 に一覧にします。特に NT=2N_T=2 は格子の人工物の領域で、242^4 は一ループの振る舞いを見るには小さすぎ、柱の偏りの 0.1 程度の値は統計の底です。

02

T² を広げる — U(1) は上がり、SU(2) は上がらない

平面の方向の大きさ MM を止めて、T2T^2 の大きさ NTN_T だけを広げます。横広げの不等式(13-02 §02)の符号を見る試験です。

表 1 ΔF(NT)\Delta F(N_T)、M=8M=8(n12=1n_{12}=1、レプリカ交換+BAR。種の数は記載なし) 読 — 数は 12-08 表 3 に載せた同じ測定です。数はここに写しません。

U(1)U(1) では T2T^2 を広げると ΔF\Delta F が急に増え、θ\theta は 0→0.39→0.78→0.990\to0.39\to0.78\to0.99 です。SU(2)SU(2) は 0→0.63→0.33→1.510\to0.63\to0.33\to1.51 と、ずっと緩やかです(θ\theta は 0→0.31→0.16→0.640\to0.31\to0.16\to0.64)。NT=4→8N_T=4\to8 で ln⁡(1/θ)\ln(1/\theta) は、U(1)U(1) が 0.93→0.0120.93\to0.012(約 80 分の 1)、SU(2)SU(2) が 1.18→0.451.18\to0.45(約 2.6 分の 1)です。ただしこの幾何では θ\theta が 1 の程度で、θ≤1\theta\le1 の天井のために判別力が弱く、SU(2)SU(2) の NT=8=MN_T=8=M は対称なトーラス 848^4(物理の大きさ Lσ≈1.5L\sqrt\sigma\approx1.5)です。U(1)U(1) の β=1.5\beta=1.5 と SU(2)SU(2) の β=2.5\beta=2.5 は、同じ物理の大きさに合わせたものではありません。

表 2 ΔF(NT)\Delta F(N_T)、M=12M=12(容器を大きくした再測定) 読 — 数は 12-08 表 4 に載せた同じ測定です。数はここに写しません。

U(1)U(1) の NT=8N_T=8 は、レプリカ 24 では 0.54±0.530.54\pm0.53 で混ざりが悪く、40 に増やした値を載せています。種の数は記載なしです。

表 3 SU(2)SU(2)、β=2.4\beta=2.4、M=8M=8 読 — 数は 12-08 表 5 に載せた同じ測定です。数はここに写しません。

読み 読。三つの設定(β=2.5\beta=2.5 の M=8M=8・1212、β=2.4\beta=2.4 の M=8M=8)で、SU(2)SU(2) は横の T2T^2 を広げても渦の自由エネルギーが増えません(β=2.5\beta=2.5・M=8M=8 の対称点 NT=M=8N_T=M=8 を除く)。U(1)U(1) は二つの MM で増えます。横広げの不等式の符号の、数値の兆候です。誤差は 0.1〜0.5 と大きく、β\beta も二点だけです。β=2.4\beta=2.4 の NT=8N_T=8 が β=2.5\beta=2.5 の同じ点より小さいのは、β=2.4\beta=2.4 では同じ格子が物理的に大きい(Lσ≈2.2L\sqrt\sigma\approx2.2 と 1.51.5)ことと合います。

03

板の弦の張力 — 増えて飽和する

一様な板の張力(13-02)の必要条件の一つは、板の弦の張力 σeff(NT)\sigma_{\rm eff}(N_T) が NTN_T について大きく行き過ぎないことです。SU(2)SU(2)、β=2.5\beta=2.5、M=16M=16 で、Creutz 比 (2) を測りました。四次元の値は σa2≈0.036\sigma a^2\approx0.036 です。

表 4 板の Creutz 比、400 測定(SU(2)SU(2)、β=2.5\beta=2.5、NT×NT×16×16N_T\times N_T\times16\times16、種の数は記載なし) 読 — 数は 12-08 表 6 に載せた同じ測定です。数はここに写しません。

表 5 同じ設定で 5 倍の統計(2000 測定)と NT=10N_T=10 読 — 数は 12-08 表 7 に載せた同じ測定です。数はここに写しません。

読み 読。400 測定で見えた NT=6N_T=6 の χ(4)\chi(4) の山(0.089±0.0130.089\pm0.013、NT=8N_T=8 との差は約 2.3σ)は、2000 測定では 0.061±0.0040.061\pm0.004 になり、統計の揺らぎでした。χ(4)\chi(4) は NT=4→8N_T=4\to8 で増え、NT=10N_T=10 で 0.0710.071(NT=8N_T=8 との差 1.7σ)とほぼ飽和します。有意な行き過ぎは見えません。χ(4)\chi(4) は Coulomb の項を含むので、四次元の σa2≈0.036\sigma a^2\approx0.036 より大きく出ます。読むのは NTN_T についての傾向だけで、β\beta は一点です。

04

渦の自由エネルギーの β 依存

表 6 SU(2)SU(2)、NT=4N_T=4、M=8M=8(4×4×8×84\times4\times8\times8、n12=1n_{12}=1、レプリカ交換+BAR、種の数は記載なし) 読
β\beta2.22.32.42.452.52.552.62.7
ΔF\Delta F0.05±0.050.05\pm0.050.00±0.050.00\pm0.050.31±0.100.31\pm0.100.30±0.130.30\pm0.130.63±0.180.63\pm0.180.66±0.130.66\pm0.131.43±0.191.43\pm0.192.97±0.332.97\pm0.33

読み 読。誤差の範囲で β\beta について単調に増えます。β 単調性(13-06 §02)と矛盾しない、という読みです(β 単調性は SU(2)SU(2) で示されていません)。β≤2.3\beta\le2.3 で渦はほぼ自由(θ≈0\theta\approx0)、β=2.6\beta=2.6〜2.72.7 で急に高くなります。固定した格子 4×4×8×84\times4\times8\times8 が物理的に小さくなり、希薄な領域(θ→1\theta\to1)に入るためと読めます。2.45 と 2.55 の点は、§05 の当てはめのために足した補間点です。

05

格子全体を 2 倍にする

繰り込みの比較(13-06 §05)を直接に試します。細かい格子(全ての方向を 2 倍)の ΔF\Delta F を測り、それと同じ値を与える粗い格子の β′\beta' を、粗い格子の曲線(表 6 など)から読みます。漸近自由の予言は、SU(2)SU(2) で β′<β\beta'\lt\beta、走らない U(1)U(1) で β′≥β\beta'\ge\beta です。

表 7 板 (NT,M)=(4,8)→(8,16)(N_T,M)=(4,8)\to(8,16)(n12=1n_{12}=1) 読
群β\betaΔF(4,8,β)\Delta F(4,8,\beta)ΔF(8,16,β)\Delta F(8,16,\beta):種ごと統合種一致する β′\beta'β−β′\beta-\beta'
SU(2)SU(2)2.72.97±0.332.97\pm0.330.65±0.390.65\pm0.39・1.31±0.481.31\pm0.48(2 本目は交換の受理率の最小 0.10)0.92±0.300.92\pm0.30(誤差の重みつき平均)2≈2.57\approx2.57(曲線の誤差を入れて 2.45〜2.65)≈+0.13\approx+0.13(+0.05+0.05〜+0.25+0.25)
SU(2)SU(2)2.61.43±0.191.43\pm0.19−0.57±0.46-0.57\pm0.46・−0.41±0.51-0.41\pm0.51−0.50±0.34-0.50\pm0.34(0 と整合)2≲2.45\lesssim2.45≳+0.15\gtrsim+0.15
SU(2)SU(2)2.50.63±0.180.63\pm0.180.41±0.340.41\pm0.34—12.2〜2.50〜+0.3+0.3
U(1)U(1)1.50.83±0.110.83\pm0.112.32±0.452.32\pm0.45(レプリカ 48、交換の受理率の最小 0.37)—1>1.7\gt1.7(曲線の外)<−0.2\lt-0.2

U(1)U(1) の粗い格子の曲線は ΔF(4,8,β′)=0.42,0.55,0.83,0.92,1.46\Delta F(4,8,\beta')=0.42,0.55,0.83,0.92,1.46(β′=1.3,1.4,1.5,1.6,1.7\beta'=1.3,1.4,1.5,1.6,1.7)です。U(1)U(1) の最初の実行(レプリカ 32)は −0.18±0.12-0.18\pm0.12 でしたが、交換の受理率の最小が 0.03 で混ざりが悪く、使っていません。

読み 読。SU(2)SU(2) は 2 倍にすると渦の自由エネルギーが下がり(β=2.7\beta=2.7 で 2.97→0.922.97\to0.92)、一致する β′\beta' は β\beta より小さい。U(1)U(1) は上がり(0.83→2.320.83\to2.32、約 3σ)、β′>β\beta'\gt\beta です。比較の向きが二つの群で分かれました。β=2.7\beta=2.7 の +0.13+0.13 は、一ループの 0.258 と、既知の aσa\sqrt\sigma の値から見込まれる約 0.23 より小さめです(約 1.5σ)。U(1)U(1) の逆向きには、格子の小ささの人工物も含まれうる、と記録は注しています。

次は対称なトーラス N4N^4 で、24→442^4\to4^4 と 44→844^4\to8^4 の二段を見ます。

表 8 SU(2)SU(2)、対称なトーラスの ΔF(N4,β)\Delta F(N^4,\beta)(n12=1n_{12}=1、種は各 1 本) 読
β\beta1.01.251.51.752.02.252.52.753.0
242^40.0340.0940.2130.5731.392.714.295.957.88
444^40.01−0.01-0.010.010.01−0.03-0.030.502.465.107.33

誤差は 242^4 で 0.01〜0.08、444^4 で 0.03〜0.26 です。24→442^4\to4^4 の一段の β′\beta'(444^4 の値を 242^4 の曲線に当てはめる)は表 9 のとおりです。

表 9 SU(2)SU(2) の 24→442^4\to4^4 の一段 読
β\beta≤2.0\le2.02.252.52.753.0
β′\beta'<1.0\lt1.0(曲線の外)1.722.202.622.93
β−β′\beta-\beta'>0.75\gt0.75〜10.530.300.130.07

読める全ての β\beta(1.75〜3.0)で β−β′>0\beta-\beta'\gt0、つまり一段の階段関数に固定点がありません。強結合へ向かうほど一段の動きが大きく、弱結合の側で 0.07 まで小さくなるのは、242^4 が一ループの領域には小さすぎるための人工物と見られます。

表 10 SU(2)SU(2) の 44→844^4\to8^4。ΔF\Delta F は種ごとの値と、その単純平均(誤差は種の差の半分。三本の行は平均と散らばり) 読
β\betaΔF(44)\Delta F(4^4):種ごと → 統合ΔF(84)\Delta F(8^4):種ごと → 統合種(848^4)β−β′\beta-\beta'
2.1—−0.04±0.17-0.04\pm0.171—(≈0\approx0)
2.3—−0.04±0.10-0.04\pm0.101≳0.1\gtrsim0.1
2.52.46(1 本)0.48±0.480.48\pm0.481≈+0.25\approx+0.25(+0.19+0.19〜+0.5+0.5)
2.63.96±0.133.96\pm0.13(1 本)———
2.74.96・4.47 → 4.72±0.254.72\pm0.253.57・2.65 → 3.11±0.463.11\pm0.462+0.16+0.16(+0.13+0.13〜+0.19+0.19)
2.755.10・5.26 → 5.18±0.105.18\pm0.10———
2.85.33・5.87 → 5.60±0.275.60\pm0.27———
2.96.88・6.23 → 6.56±0.336.56\pm0.335.68・3.52・4.84 → 4.68±0.634.68\pm0.633+0.20+0.20(+0.12+0.12〜+0.29+0.29)
3.07.33・7.83 → 7.58±0.257.58\pm0.255.38・6.17 → 5.78±0.405.78\pm0.402+0.18+0.18(+0.14+0.14〜+0.25+0.25)

読み 読。44→844^4\to8^4 でも、測った全ての β\beta で β−β′>0\beta-\beta'\gt0 で、平均は約 +0.2+0.2 です。一ループの漸近値 0.258 と、既知の aσa\sqrt\sigma の値から見込まれる約 0.23 に近い値です。種の差が表示の誤差の 1〜2 倍になる点があり(β=2.9\beta=2.9 の 848^4 は 5.68 と 3.52)、誤差は小さめに出ている可能性が高い、と読みます。種一本だけの読み(+0.08+0.08〜+0.13+0.13)より、種を足した読みのほうが漸近的な振る舞いに近づきました。β=2.7\beta=2.7 の 8×168\times16 の板の読み(表 7、+0.13+0.13)とも合います。

06

階段関数の符号 — U(1) の対照

同じ 24→442^4\to4^4 の走査を、U(1)U(1) で行いました。四次元の U(1)U(1) は βc≈1.01\beta_c\approx1.01 に、閉じ込めの相から Coulomb の相への相転移を持ちます。

表 11 U(1)U(1)、対称なトーラスの ΔF(N4,β)\Delta F(N^4,\beta) と 24→442^4\to4^4 の一段(n12=1n_{12}=1、種は各 1 本、誤差は記載なし) 読
β\beta0.60.80.91.01.11.21.41.6
242^40.140.621.151.802.463.104.185.23
444^40.000.000.051.072.713.684.465.85
β−β′\beta-\beta'>0.3\gt0.3>0.3\gt0.3>0.3\gt0.3+0.12+0.12−0.04-0.04−0.11-0.11−0.05-0.05<0\lt0

読み 読。U(1)U(1) の β−β′\beta-\beta' は、β=1.0\beta=1.0 と 1.11.1 の間で符号が反転します。既知の相転移 βc≈1.01\beta_c\approx1.01 の位置です。閉じ込めの相では β′<β\beta'\lt\beta、Coulomb の相では β′>β\beta'\gt\beta です。SU(2)SU(2) は同じ走査で、測った全ての β\beta で β−β′>0\beta-\beta'\gt0 でした(表 9・表 10)。一段の階段関数の符号は、相転移の有無を見分ける診断として働いています。これは帯を閉じる議論が満たすべき基準 (m)(13-06 §08)の、数値の姿です。

この符号の試験から言えるのは、848^4 までの格子と、表の β\beta の点の上で、SU(2)SU(2) の符号が変わらなかったことだけです。SU(2)SU(2) に相転移が無いことの証拠ではありません。

関連して、速さを問わず ΔF(L,L)→0\Delta F(L,L)\to0 を見る中間の目標(13-06 §08)について、二つの読みがあります 読。U(1)U(1)(β=1.2\beta=1.2)の 24→442^4\to4^4 は 3.10→3.683.10\to3.68 と横ばいで、Coulomb の相で古典的な半磁束の値へ向かう描像と矛盾しません。SU(2)SU(2)(β=2.75\beta=2.75)は 5.95→5.105.95\to5.10 と下がります。

07

柱の偏り — ℓ × N の走査

柱の顔 f(ℓ)f(\ell)(13-10 §02)を測ります。柱 TN2×ℓ×ℓT^2_N\times\ell\times\ell の外枠を平衡な配位から取って止め、柱の中に n34n_{34} の面を入れたときの条件つきの自由エネルギー ΔFB=ln⁡ZB(+)/ZB(−)\Delta F_B=\ln Z_B(+)/Z_B(-) と偏り θB=tanh⁡(ΔFB/2)\theta_B=\tanh(\Delta F_B/2) を、枠ごとにレプリカ交換+BAR で求め、枠について E∣θB∣\mathbb E|\theta_B| を取ります。チェス盤の評価(13-05)に入るのは、この E∣θB∣\mathbb E|\theta_B| です。SU(2)SU(2) は β=2.3\beta=2.3、U(1)U(1) は Coulomb の相の β=1.3\beta=1.3 です。

表 12 N=4N=4 で ℓ\ell を変える(括弧は枠の数) 読
ℓ\ellSU(2)SU(2)、β=2.3\beta=2.3:E∣θB∣\mathbb E|\theta_B|U(1)U(1)、β=1.3\beta=1.3:E∣θB∣\mathbb E|\theta_B|
20.93±0.060.93\pm0.06(5)—
30.58±0.170.58\pm0.17(4)0.95±0.050.95\pm0.05(4)
40.23±0.040.23\pm0.04(12)0.61±0.210.61\pm0.21(4)
50.07±0.030.07\pm0.03(12)0.49±0.090.49\pm0.09(12)
60.09±0.040.09\pm0.04(4)0.41±0.060.41\pm0.06(12)
8—0.25±0.050.25\pm0.05(8)

ℓ≥5\ell\ge5 で、SU(2)SU(2) の柱の偏りは U(1)U(1) の 1/5〜1/7 です。U(1)U(1) はゆっくり減り(ℓ=5→8\ell=5\to8 で約 ℓ−1.4\ell^{-1.4})、SU(2)SU(2) は ℓ=4→5\ell=4\to5 で 1/3 に落ちます。ただし SU(2)SU(2) の ℓ≥5\ell\ge5 の値は、枠ごとの統計誤差がつくる底(∣θB∣|\theta_B| を正に偏らせる)に近く、e−σℓ2e^{-\sigma\ell^2} か冪かは、この大きさでは決められません。枠によって符号が変わることもあります(ℓ=4\ell=4 の SU(2)SU(2) で ΔFB\Delta F_B の平均は −0.05-0.05)。ブロックを回るホロノミーが −1-1 に近い枠では、面のある区画のほうが好まれます。

表 13 ℓ=5\ell=5 で NN を変える(括弧は枠の数) 読
NNSU(2)SU(2)、β=2.3\beta=2.3U(1)U(1)、β=1.3\beta=1.3
40.07±0.030.07\pm0.03(12)0.49±0.090.49\pm0.09(12)
60.20±0.050.20\pm0.05(6)0.97±0.010.97\pm0.01(6)
80.39±0.050.39\pm0.05(5。6 枠目は時間の上限で途中まで)—

ℓ\ell を止めると、どちらの群でも偏りは NN とともに 1 に近づきます。偏りが小さいうちは、およそ N2N^2 に比例して増え(ΔFB∝N2f(ℓ)\Delta F_B\propto N^2f(\ell))、比例の係数は SU(2)SU(2) が U(1)U(1) の約 1/7 です。群の違いは、θ\theta を小さく保つのに要る ℓ\ell の伸び方に出るはずなので、ℓ\ell と NN の両方を変えました。

表 14 ℓ×N\ell\times N の走査:E∣θB∣\mathbb E|\theta_B|(括弧は枠の数) 読
ℓ=4\ell=4567810
SU(2)SU(2)、β=2.3\beta=2.3、N=4N=40.23(12)0.07(12)0.09(4)0.11(4)
SU(2)SU(2)、N=6N=60.43(4)0.20(6)0.15(4)0.08(4)
SU(2)SU(2)、N=8N=80.43(4)0.38(5)0.13(4)0.29±0.060.29\pm0.06(3)
U(1)U(1)、β=1.3\beta=1.3、N=4N=40.61(4)0.49(12)0.41(12)0.25(8)0.27(4)
U(1)U(1)、N=6N=60.97(6)0.98(4)0.51(4)0.45(4)

読み 読。SU(2)SU(2) は N=4,6,8N=4,6,8 のどれでも、ℓ≈6\ell\approx6〜77 で統計の底(約 0.1)まで下がり、要る ℓ\ell は NN とともにほとんど伸びません。U(1)U(1) は N=4N=4 でも ℓ=10\ell=10 で 0.27 に留まり、N=6N=6 では ℓ=10\ell=10 でも 0.45 で、要る ℓ\ell が NN とともに伸び、下がり方も遅い。N=8N=8・ℓ=7\ell=7 の 0.29 は 3 枠だけ(時間の上限で打ち切り)で、ℓ=6\ell=6 の 0.13 より大きいのは枠の少なさによる揺らぎと見ます(3 枠とも ΔFB>0\Delta F_B\gt0、0.43〜0.85)。予想(SU(2)SU(2) は ℓ∼ln⁡N\ell\sim\sqrt{\ln N}、U(1)U(1) は ℓ∝N\ell\propto N)と矛盾しませんが、格子が小さく枠も少ないので、伸び方の形までは決められません。

08

Z₂ のガラスの診断

U=σVU=\sigma V(σ∈Z2\sigma\in\mathbb Z_2、VV は SO(3)SO(3) の切断)と書くと、捩れの区画は「SO(3)SO(3) の背景の上の Z2\mathbb Z_2 のランダムな面のゲージ模型」になります(13-10 §03)。面ごとの実効的な Z2\mathbb Z_2 結合は Kp=(β/2)∣tr Up∣K_p=(\beta/2)|\mathrm{tr}\,U_p|、フラストレーション(Z2\mathbb Z_2 の単極子)は ∏p∈∂csign tr Up=−1\prod_{p\in\partial c}\mathrm{sign}\,\mathrm{tr}\,U_p=-1 となる立方体 cc です。

表 15 SU(2)SU(2)、周期的な 848^4、熱浴で熱化 150 回・測定 100 回(種の数は記載なし、誤差は記載なし) 読
β\beta⟨P⟩\langle P\rangletr Up<0\mathrm{tr}\,U_p\lt0 の割合⟨K⟩\langle K\rangleK<Kc=0.4407K\lt K_c=0.4407 の割合フラストレートした立方体peffp_{\rm eff}
1.00.2430.2970.4550.4940.4810.209
1.50.3630.2040.7410.2820.4520.162
2.00.5010.1091.1200.1490.3490.091
2.30.6020.0511.4370.0810.2160.045
2.50.6530.0291.6600.0510.1400.027
2.70.6860.0181.8700.0340.0930.017

peffp_{\rm eff} は、立方体のフラストレーションの密度 ρ\rho を、独立な符号の反転の確率に (1−2peff)6=1−2ρ(1-2p_{\rm eff})^6=1-2\rho で換算した値です。KcK_c は純 Z2\mathbb Z_2 のゲージ理論の転移点、比べる値は四次元のランダムな面のゲージ模型の Nishimori 多重臨界点 pc≈0.11p_c\approx0.11 です(照合未了)。

読み 読。β≳2.0\beta\gtrsim2.0 では、平均の結合 ⟨K⟩\langle K\rangle が KcK_c の 3〜4 倍で、peff<0.11p_{\rm eff}\lt0.11 です。Z2\mathbb Z_2 のガラスは秩序相の側にある見込みです。β≲1.5\beta\lesssim1.5 では peff≥0.16p_{\rm eff}\ge0.16、柔らかい面(K<KcK\lt K_c)は 28〜49% で、無秩序の側です。独立な符号への換算は粗い(柔らかい面とフラストレーションは相関している)ので、境は目安です。この診断から、ガラスの道は帯の下半分に限られます(13-08 §05 の C4)。

09

小さな格子の人工物 — 読むときの注意の一覧

10

五分類の表と依存グラフ

この頁の行は全て数値の読みです。札は「読」で、物理の見立てを含む読みには「(物理)」を添えます。

表 16 この章の行(「—」は機械検査の無い行)
行言明(一行)分類根拠範囲機械検査
[01]T2T^2 を広げると U(1)U(1) の ΔF\Delta F は増え、SU(2)SU(2) は増えない読表 1〜表 3M=8,12M=8,12・β=2.4,2.5\beta=2.4,2.5(SU(2)SU(2))・β=1.5\beta=1.5(U(1)U(1))・NT≤8N_T\le8—
[02]板の χ(4)\chi(4) は NTN_T とともに増えて飽和し、有意な行き過ぎは無い読表 4・表 5β=2.5\beta=2.5・M=16M=16・2000 測定・NT≤10N_T\le10—
[03]ΔF\Delta F は β\beta について増える読表 64×4×8×84\times4\times8\times8・β=2.2\beta=2.2〜2.72.7—
[04]格子全体を 2 倍にすると、SU(2)SU(2) は β′<β\beta'\lt\beta、U(1)U(1) は β′>β\beta'\gt\beta読表 7〜表 10(4,8)→(8,16)(4,8)\to(8,16)・24→442^4\to4^4・44→844^4\to8^4・種 1〜3 本—
[05]44→844^4\to8^4 の β−β′\beta-\beta' は平均約 +0.2+0.2 で、一ループの 0.258 に近い読表 10β=2.5\beta=2.5〜3.03.0・種 1〜3 本—
[06]U(1)U(1) の一段の符号は β=1.0\beta=1.0 と 1.11.1 の間で反転し、SU(2)SU(2) は測った範囲で反転しない読表 9・表 1124→442^4\to4^4・種 1 本—
[07]柱の偏りを小さく保つ ℓ\ell は、SU(2)SU(2) では NN とともにほとんど伸びず、U(1)U(1) では伸びる読表 12〜表 14N≤8N\le8・ℓ≤10\ell\le10・枠 3〜12—
[08]β≳2\beta\gtrsim2 で Z2\mathbb Z_2 のガラスは秩序相の側、β≲1.5\beta\lesssim1.5 で無秩序の側読(物理)表 15848^4・独立な符号への換算は粗い—
[09][01]〜[07] は、横広げの不等式・繰り込みの比較・基準 (m) の向きと矛盾しない読(物理)§02〜§07小さな格子の傾向。証拠ではない—

依存グラフ(前提の番号は結論の番号より小さい):

[01] 読 WID     T² を広げる:U(1) は上がり SU(2) は上がらない         M = 8, 12
[02] 読 SLAB    板の張力は増えて飽和                                 β = 2.5・2000 測定
[03] 読 BETA    ΔF は β について増える                               4×4×8×8
[04] 読 DBL     2 倍の試験:SU(2) は β′ < β、U(1) は逆 ⟸ [03]       種 1〜3 本
[05] 読 ASY     4⁴ → 8⁴ の β − β′ ≈ +0.2 ⟸ [04]                      種 1〜3 本
[06] 読 SIGN    階段関数の符号:U(1) は β_c で反転 ⟸ [04]            2⁴ → 4⁴
[07] 読 COL     柱の偏りの ℓ × N                                     N ≤ 8・ℓ ≤ 10
[08] 読 GLASS   Z₂ のガラスの診断                                    8⁴
[09] 読 FIT     向きの整合 ⟸ [01][02][04][06][07]                    傾向

確かめ方は、全ての「⟸」の右の番号が左の番号より小さいことを目で見ることです。円はありません。この頁には「初」「典」「仮」の行がありません。帯を渡る文(一様な板の張力・横広げの不等式・繰り込みの比較)の節点も無く、それらは仮定として第 14 部の台帳(14-02)に置かれています。


この章が言えている範囲

言えている言えていない
読 小さな格子で、T2T^2 を広げる・格子を 2 倍にする・柱を広げる、のどの試験でも SU(2)SU(2) と U(1)U(1) の向きが分かれること大きな格子での振る舞い。値の決定。横広げの不等式・繰り込みの比較そのもの
読 U(1)U(1) の階段関数の符号が既知の転移の位置で反転し、SU(2)SU(2) は測った範囲で反転しないことSU(2)SU(2) に相転移が無いこと
読(物理) Z2\mathbb Z_2 のガラスが帯の上半分で秩序相の側にあることガラスの相の境の位置(換算が粗い)

出典と再現

もの種別出典・道具
全ての表読この本の検討の数値の記録(渦の挿入の数値計算:大域の流束の自由エネルギー・板の弦の張力・β\beta 依存・繰り込みの比較の試験・対称なトーラスの階段関数の走査・U(1)U(1) の対照・44→844^4\to8^4 の追加と種の統合・柱の捩れのコスト・Z2\mathbb Z_2 のガラスの診断)と、移り変わりの帯を閉じる道の整理の数値の節。レプリカ交換と BAR、熱浴、Creutz 比
U(1)U(1) の相転移 βc≈1.01\beta_c\approx1.01読格子の数値の既知の値(5-06)
Nishimori 多重臨界点 pc≈0.11p_c\approx0.11照合未了四次元のランダムな面のゲージ模型の数値の文献
一ループの 0.258初章 12-07(一ループの水準)

この章で使った語 — 渦の自由エネルギー ΔF\Delta F・区画の偏り θ\theta・Creutz 比・レプリカ交換・BAR・階段関数・柱の偏り E∣θB∣\mathbb E|\theta_B|・Z2\mathbb Z_2 のガラス・フラストレーション。意味は A-02 用語集 にあります。

次に読む章:13-10 新しい見方の候補 — これらの傾向を、どの局所量の不等式に育てるか。

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改訂 2026-10-15:初版。