computo ergo sum

2026-10-22 · chapter ヤン–ミルズと質量ギャップ第 15 部 紫外の制御体系の試み · Kiichi, Shiori and Rin

この本の全体 目次と読む順
  1. 第 0 部 入口 — この本の読み方
  2. 0-01 この本の読み方
  3. 0-02 一枚の絵
  4. 0-03 問題文を一語ずつ読む
  5. 0-04 数学の四次元と物理の四次元
  6. 第 1 部 数学の準備
  7. 1-01 ベクトル空間と線形写像
  8. 1-02 群とは何か
  9. 1-03 リー群とリー環
  10. 1-04 SU(2) と SU(3)
  11. 1-05 多様体と接空間
  12. 1-06 微分形式と外微分
  13. 1-07 ベクトル束と接続
  14. 1-08 確率と測度
  15. 1-09 無限次元の確率
  16. 1-10 ヒルベルト空間と自己共役作用素
  17. 1-11 フーリエ解析と分布
  18. 1-12 寄り道:四次元でだけ起きること
  19. 第 2 部 物理の準備
  20. 2-01 ラグランジアンと作用
  21. 2-02 場という考え
  22. 2-03 電磁気学はゲージ理論である
  23. 2-04 特殊相対論と時空
  24. 2-05 量子力学の骨
  25. 2-06 調和振動子と生成消滅
  26. 2-07 経路積分の考え方
  27. 2-08 統計力学と相転移
  28. 2-09 寄り道:イジング模型で見るギャップと相関長
  29. 2-10 緩和の時間と動的指数 z
  30. 第 3 部 ヤン–ミルズ理論(古典)
  31. 3-01 ゲージ原理
  32. 3-02 非可換ゲージ場
  33. 3-03 作用と方程式
  34. 3-04 幾何としてのゲージ理論
  35. 3-05 インスタントンと位相
  36. 3-06 寄り道:Donaldson とエキゾチック R⁴
  37. 3-07 標準模型の中のヤン–ミルズ
  38. 第 4 部 量子化
  39. 4-01 正準量子化とハミルトニアン
  40. 4-02 経路積分とユークリッド化
  41. 4-03 摂動論と Feynman ダイアグラム
  42. 4-04 発散と繰り込み
  43. 4-05 発散の代数
  44. 4-06 漸近自由
  45. 4-07 次元転移と Λ
  46. 4-08 ゲージ固定と Faddeev–Popov
  47. 4-09 場の量子論の公理
  48. 4-10 Osterwalder–Schrader の公理と再構成
  49. 4-11 質量ギャップの定義
  50. 4-12 寄り道:摂動級数は発散する
  51. 第 5 部 格子ゲージ理論
  52. 5-01 Wilson の格子
  53. 5-02 強結合展開
  54. 5-03 反射正値性と転送行列
  55. 5-04 無限体積極限とクラスター展開
  56. 5-05 弱結合と連続極限
  57. 5-06 U(1) と非可換の違い
  58. 5-07 モンテカルロ法
  59. 5-08 グルーボールと弦張力の測定
  60. 5-09 何を固定して極限を取るか
  61. 5-10 有限群の格子ゲージ理論
  62. 5-11 寄り道:Bakry–Émery と一リンク積分
  63. 第 6 部 構成的場の理論
  64. 6-01 構成的場の理論とは
  65. 6-02 二次元の可解性とヤン–ミルズ測度
  66. 6-03 スカラー場の構成
  67. 6-04 クラスター展開
  68. 6-05 繰り込み群の段の列
  69. 6-06 三次元ヤン–ミルズの紫外安定性
  70. 6-07 四次元
  71. 6-08 四次元の φ⁴ の自明性
  72. 6-09 確率量子化と正則性構造
  73. 6-10 四次元で止まる場所
  74. 6-11 発散以外の障害
  75. 6-12 寄り道:「1/0 に記号を与えれば」
  76. 第 7 部 物理の側から
  77. 7-01 物理はどう見ているか
  78. 7-02 閉じ込めの機構
  79. 7-03 弦の絵
  80. 7-04 大 N
  81. 7-05 ひも理論と余剰次元
  82. 7-06 余剰次元が見えなくなる仕組み
  83. 7-07 ゲージ場はどこから来るか
  84. 7-08 ホログラフィー
  85. 7-09 質量ギャップが幾何になる
  86. 7-10 四次元に戻す
  87. 7-11 超対称と Seiberg–Witten
  88. 7-12 等価原理に当たる一文
  89. 7-13 物理の掘り方が数学と離れる場所
  90. 第 8 部 二つの言葉の辞書 — 物理の視点と数学の視点
  91. 8-01 辞書の読み方
  92. 8-02 辞書 A
  93. 8-03 辞書 B
  94. 8-04 辞書 C
  95. 8-05 私たちの仮定の物理側の対応
  96. 地図
  97. 第 9 部 現在地と課題
  98. 9-01 世界はどこまで来ているか
  99. 9-02 二つの掘り方の切れ目
  100. 9-03 新しい概念の候補
  101. 9-04 課題の一覧
  102. 9-05 よくある誤解
  103. 9-06 証明が含むべき段 — 七段の表
  104. 9-07 道具の地図 — 本書の検討が使う既知の道具の在りか
  105. 一本目の道 — 時間の方向から
  106. 第 10 部 一本目の道(前半)— 時間の方向から:質量ギャップと拡散型緩和時間の仮定
  107. 10-00 入口 — 階段と、酔歩・物差し・時計
  108. 10-01 構成の筋と仮定 ξ²
  109. 10-02 四次元格子で試した道と壁
  110. 10-03 階段の四段 — なぜ 0+1 次元から始めるか
  111. 10-04 二重井戸の経路の測度とキンク
  112. 10-05 一段目の言明 — 四条件と命題 4.5
  113. 10-06 (H1) 相の中の局所 Poincaré
  114. 10-07 (H2) の地図 — 七つの道筋と環の継ぎ目
  115. 10-08 計算機援用とは何か — 窓の中の鎖の条件
  116. 10-09 区画の枠組みと道筋 5 の三本の筋
  117. 10-10 迂回策の一覧 — 壊れ方の型
  118. 10-11 (H3)(H4) と芯の定数
  119. 10-12 統合表と依存グラフ
  120. 10-13 Lean の言明と機械検査の限界
  121. 10-14 突き合わせ — 記録の数と既知の数
  122. 10-15 残件と費用 — 定理までの距離
  123. 10-16 主張しないこと
  124. 10-17 ひらめきと小さな問い
  125. 第 11 部 一本目の道(後半)— 仮定の形を直し、時間を連続にする
  126. 11-00 今後の考察 — 入口
  127. 11-01 仮定 ξ² を妨げる一つの形 — ほぼ保存される大域の量
  128. 11-02 物差しと座標を選び直す — 保存が壊れる長さ
  129. 11-03 仮定 ξ² を直す二つの形 — 区画の仮定 ξ² と局所の仮定 ξ²
  130. 11-04 片側の橋はどの仮定 ξ² を要るか
  131. 11-05 時間を連続にする — Hamiltonian 格子と真空の測度
  132. 11-06 凸性の代わりに稀さで払う — 群の上の繰り込みと対数 Sobolev
  133. 11-07 四次元だからこそ — 無次元の結合と位相
  134. 11-08 問いと、主張しないこと
  135. 11-A1 第 11 部の記号の対応表
  136. 二本目の道 — 空間の方向から
  137. 第 12 部 二本目の道:空間の方向から — 小さな捩れた T² と閉じ込め
  138. 12-00 入口 — 時間でなく空間を
  139. 12-01 捩れた T² と 't Hooft の流束
  140. 12-02 渦と分数インスタントン
  141. 12-03 容器 — 枠を条件づけると独立になる
  142. 12-04 板の閉じ込め
  143. 12-05 渦の挿入の恒等式
  144. 12-06 力学で駆動した挿入と流れの補題
  145. 12-07 なぜ決まった写像は失敗するか
  146. 12-08 測った記録
  147. 12-09 この道が止まる場所 — T² を広げることが帯である
  148. 移り変わりの帯 — 二本の道が同じ壁に着く
  149. 第 13 部 移り変わりの帯 — 二本の道が同じ壁に着く
  150. 13-00 入口 — 合流
  151. 13-01 帯の正しい形
  152. 13-02 一つの不等式への還元
  153. 13-03 非可換が効く唯一の場所
  154. 13-04 構造だけでは渡れない
  155. 13-05 チェス盤と同時の反転
  156. 13-06 繰り込みの比較 — 群を区別する比較
  157. 13-07 時間の側から見た帯
  158. 13-08 試して止まった道の地図
  159. 13-09 測った記録
  160. 13-10 新しい見方の候補
  161. 13-11 紫外の制御 — 無限個の段で閉じるとは何か
  162. 閉じる
  163. 第 14 部 閉じる — 条件つきの言明
  164. 14-00 入口 — この部の約束
  165. 14-01 条件つきの言明 — 質量ギャップと閉じ込めを矢印ごとに
  166. 14-02 条件の台帳
  167. 14-03 問いの表(横断の索引)
  168. 14-04 主張しないこと(横断の索引)
  169. 紫外の壁 — 二本の道の下にある土台
  170. 第 15 部 紫外の制御 — 無限個の段で閉じるとは何か
  171. 15-00 入口 — 紫外の制御とは何か
  172. 15-01 紫外の難しさ — 無次元の結合・群値の場・ゲージ
  173. 15-02 原典の地図 — Bałaban の計画・BBS の鎖・原典に無い二行
  174. 15-03 分解の言明 — 有限個の母数で閉じる類と三つの剰余
  175. 15-04 一リンクの熱核の類と階層模型
  176. 15-05 束の網の定理 — 横の縮みと母数の流れを一つの射影で
  177. 15-06 母数の数え方 — ループの形ごとの結合と引き込む先の類
  178. 15-07 背景に依る揺らぎ η — 一段ごとの吸収
  179. 15-08 閉じない四行と、その案
  180. 15-09 言えないこと・問いの索引・依存の図
  181. 15-10 体系の試み — 記録の繰り返しの型に名前を与える
  182. 付録
  183. A-01 記号表
  184. A-02 用語集
  185. A-03 文献案内
  186. A-04 Lean と機械検査
  187. A-05 この本の作り方
  188. A-06 仮定の索引
  189. A-07 この本から出た論文
  190. A-08 私達の研究における証明までの道標

体系の試み — 記録の繰り返しの型に名前を与える

この章は本書の検討です。本筋の証明の部品ではありません。§01〜§03 と §05 は既知の枠組みへの言い換え、§04 は見立ての水準です。

この章で分かること — 第 15 部の計算の記録に何度も出た五つの手作業に、名前と定義を与えます。一つ目は「一段では 1 を超えるが、数段まとめると縮む」行列の評価(優勢行列)、二つ目は符号を捨てて上界をとるときに失う分(符号を捨てる損)、三つ目は拘束の上でしか決まらない写像を局所の核で表すときの選び方(局所の代表)、四つ目は強結合と弱結合の二つの展開の突き合わせ(二重付値)、五つ目は pp 次の多項式を ℓp\ell^p の錐で押さえて段ごとに引き戻す計算(錐の計算法)です。それぞれについて定理の候補を書き、既知の結果のどれの言い換えかを行ごとに示し、記録の数がどの量に当たるかを並べ、残る問いを F-SYS1〜F-SYS16 にまとめます。

読む水準 — 三年生以上です。§01 は非負行列の線形代数、§02 は有限和の不等式、§03 は格子の上のフーリエ級数、§04 は漸近級数の主項だけ、§05 は有限和の不等式と補間定理の言明を使います。§00 と各節の冒頭の段落だけなら二年生でも読めます。

前提となる章 — 15-05 定理 G′(局所の代表と体積に一様な上界)・15-05 の系(重みつきの Stein の上界と ℓ4\ell^4 の錐)・15-08 §06(W の座標と錐の多段)。

先に言うこと — この章は本筋ではありません。台帳の ① 紫外の制御にも ⑦ 移り変わりの帯(14-02)にも、この章の結果は直接には効きません。定理の候補の多くは既知の事実——Perron–Frobenius の定理、Collatz–Wielandt の公式、Gelfand の公式、重みつき最大ノルムでの縮み、多重格子の転送作用素の次数、細分割の和の規則、Riesz–Thorin の補間定理、Schur の検定——の言い換えで、新しさは主張しません。この章で新しいのは「問い」の側です。記録の数が既知の枠組みのどの量に当たるか、どこで既知の枠組みからはみ出すかを書き出すことが目的です。札は行ごとに付けます:Lean(Lean のファイルで通った文)・計算(浮動小数の計算。区間の評価ではない)・読(紙の上の筋だけ、または文献の要旨の水準)・典(標準的に知られている事実)・仮(見立て)。

この章の順序
  1. この章で分かること — 四つの型とこの章の読み方
  2. 優勢行列と k 段の縮み — 一段で縮む重みの作り方(表 1)
  3. 符号を捨てる損 — 損はそろいの逆二乗(表 2〜5)
  4. 局所の代表の幾何 — 折り返しの次数は代表に依らない(表 6・7)
  5. 二重付値の幾何 — 目盛りに依らない κ とレンズ(表 8〜10)
  6. 錐の計算法 — 窓は区間、薄まりの正しい形(表 11・12)
  7. 既知との辞書・言えている範囲・問い(表 13〜15)

00

この章で分かること

① 優勢行列kk 段で縮むなら、一段で縮む重みが明示的に作れる「一段で 1 を超える」は重みの選び方による過渡。Collatz–Wielandt と Varga の流れの言い換え(Lean)
② 符号を捨てる損損は、最悪の向きでの行のそろいの逆二乗で押さえられる444^4 のトーラスの二〜四段で 5.55・5.13・5.31 と一致(不等式は Lean、数は計)
③ 局所の代表折り返しの次数 ordV(F)=2\mathrm{ord}^V(F)=2 は代表の選び方に依らない記録の型の範囲では、尾のノルムが有界なのは D≤4D\le4 まで。和の規則の言い換え(読・計)
④ 二重付値二つの主係数の積 κ=s1w1\kappa=s_1w_1 は結合の目盛りに依らない主項どうしのレンズは κ≤14\kappa\le\frac14 のときだけ開く。見返りの定理は未(仮・計)
⑤ 錐の計算法pp 次の錐の引き戻し・重みつきの Stein の上界・段の合成・アフィンの再帰に定義を与えるlog⁡Sp\log S_p は pp について凸で S3≤S2S4S_3\le\sqrt{S_2S_4}。素朴な薄まり m1−pm^{1-p} は成り立たず、Sp≤S2Rp−2S_p\le S_2R^{p-2} が最小の形(Lean・読・計)

この章の読み方。第 15 部の計算の記録には、同じ形の手作業が何度も出てきました。三段の合成のノルムを測って「一段では 1 を超えるが三段では縮む」と書く、符号つきの核の絶対値をとって上界を作る、Bianchi の恒等式を満たす場の上でしか決まらない写像に局所の核を当てる、強結合の級数と弱結合の級数の主項を並べて交わる点を探す、pp 次の錐を段ごとに引き戻して重みつきの Stein の上界で押さえる、の五つです。この章は、それぞれに定義と公理(何を仮定すれば何が言えるか)を与える試みです。結果の多くは既知の事実の言い換えで、そのことを各節の定理の候補の行ごとに書きます。言い換えてみて残るもの——既知の枠組みに直接は当たらない量や、記録の数が示す規則性で定理にできていないもの——が、この章の問いです。§01〜§03 は互いに独立に読めます。§04 は §01〜§03 と道具を共有せず、⑦ の帯の言い直しの試みです。§05 は §01 の候補 1.4 を錐の言葉に広げたもので、§01 と並べて読めます。

01

優勢行列と k 段の縮み

塊に分けた作用素の各塊のノルムを並べた非負の行列は、作用素の冪の評価を非負行列の冪の評価に移します。非負行列の側では Perron–Frobenius の理論がそのまま使えるので、「何段で縮むか」「一段で縮むにはどの重みで測ればよいか」が行列の言葉で書けます。ここまでは全て既知で、この節の役目は記録の評価をこの枠組みにそろえることです。

定義

定義 1.1(優勢行列).II を有限集合、EiE_i(i∈Ii\in I)をノルム空間、TT を E=⨁iEiE=\bigoplus_iE_i 上の作用素で塊 Tij:Ej→EiT_{ij}:E_j\to E_i に分けたものとします。非負の行列 B∈R≥0I×IB\in\mathbb R_{\ge0}^{I\times I} が TT の優勢行列であるとは、全ての i,ji,j で ∥Tij∥≤Bij\|T_{ij}\|\le B_{ij} となることです。最小のものは塊ノルムの行列 N(T)ij=∥Tij∥N(T)_{ij}=\|T_{ij}\| です。

定義 1.2(重みつきの塊ノルム).正の重み w∈R>0Iw\in\mathbb R_{\gt0}^I について ∥x∥w,∞=max⁡i∥xi∥/wi\|x\|_{w,\infty}=\max_i\|x_i\|/w_i、ℓ2\ell^2 の版は ∥x∥w,22=∑i∥xi∥2/wi2\|x\|_{w,2}^2=\sum_i\|x_i\|^2/w_i^2 です。作用素ノルムは ∥T∥w,∞=∥W−1TW∥∞\|T\|_{w,\infty}=\|W^{-1}TW\|_\infty(W=diag(w)W={\rm diag}(w))です。

定義 1.3(kk 段の縮み・過渡の定数).非負の行列 BB について κk(B):=∥Bk∥\kappa_k(B):=\|B^k\| とし、ある kk で κk<1\kappa_k\lt1 となるとき「kk 段で縮む」と言います。過渡の定数を Ck(B):=max⁡r<k∥Br∥C_k(B):=\max_{r\lt k}\|B^r\| とします。Gelfand の公式 ρ(B)=lim⁡n∥Bn∥1/n\rho(B)=\lim_n\|B^n\|^{1/n} から、ρ(B)<1\rho(B)\lt1 とある kk で κk<1\kappa_k\lt1 となることは同値です 典。

定義 1.4(一段の重み).B≥0B\ge0・w≥0w\ge0・s>0s\gt0・k≥1k\ge1 について

w′:=∑r<ks−rBrww' := \sum_{r\lt k}s^{-r}B^rw

を、ww から作った一段の重みと呼びます。

定理の候補と札

候補 1.1(kk 段の縮みから一段で縮む重みへ).B≥0B\ge0、w≥0w\ge0、s>0s\gt0、k≥1k\ge1、Bkw≤skwB^kw\le s^kw(成分ごと)なら、w≤w′w\le w' かつ Bw′≤s w′Bw'\le s\,w' です Lean(liftWeight_step。補題 mulVec_pow_succ・pow_mulVec_nonneg)。

Bw′=∑r<ks−rBr+1w=s(w′−w+s−kBkw) ≤ s w′Bw' = \sum_{r\lt k}s^{-r}B^{r+1}w = s\bigl(w'-w+s^{-k}B^kw\bigr)\ \le\ s\,w'

これに候補 1.2(一段の評価)を合わせると、「kk 段の合成が重み ww で sks^k 倍に縮む」なら「重み w′w' で測れば一段ごとに ss 倍に縮む」となります。重みの比 w′/ww'/w は [1, ∑r<ks−rmax⁡i(Brw)i/wi][1,\ \sum_{r\lt k}s^{-r}\max_i(B^rw)_i/w_i] に入るので、測り直しの定数は段数に依りません(候補 1.3)。内容は「ρ(B)<s\rho(B)\lt s ⇔ Bw′≤sw′Bw'\le sw' となる w′>0w'\gt0 がある」の構成的な片側で、Varga の反復法の解析や Berman–Plemmons の M 行列の特徴づけの流れで知られています 典。

表 1 §01 の定理の候補。どれも既知の事実の有限次元の形か、その初等的な帰結です
候補言明(一行)札何の言い換えか
1.1Bkw≤skwB^kw\le s^kw ⇒ w≤w′w\le w'・Bw′≤sw′Bw'\le sw'LeanVarga・Berman–Plemmons の M 行列の特徴づけの構成的な片側 典
1.2Bw≤λwBw\le\lambda w(w>0w\gt0)⇒ ∥T∥w,∞≤λ\|T\|_{w,\infty}\le\lambda。段ごとに違う Tn,Bn,λnT_n,B_n,\lambda_n でも ∥xn∥w,∞≤(∏kλk)∥x0∥w,∞\|x_n\|_{w,\infty}\le(\prod_k\lambda_k)\|x_0\|_{w,\infty}Lean(weighted_step・weighted_iter)Collatz–Wielandt:inf⁡w>0max⁡i(Bw)i/wi=ρ(B)\inf_{w\gt0}\max_i(Bw)_i/w_i=\rho(B)(等式そのものは Lean に入れていない)典
1.2′右と左の正の Perron ベクトル x,yx,y があれば、D=diag(y/x)D={\rm diag}(\sqrt{y/x}) で ∥DBD−1∥2≤ρ(B)\|DBD^{-1}\|_2\le\rho(B)、さらに ∥DTD−1∥2≤∥DN(T)D−1∥2\|DTD^{-1}\|_2\le\|DN(T)D^{-1}\|_2読Schur の判定法を q=xyq=\sqrt{xy} に当てたもの 典
1.3av≤w≤bvav\le w\le bv(a>0a\gt0)なら、重み ww で各段 λn\lambda_n 倍に縮む列は重み vv で ∥xn∥v≤(b/a)(∏λk)∥x0∥v\|x_n\|_v\le(b/a)(\prod\lambda_k)\|x_0\|_vLean(weight_change)ノルムの同値の初等的な事実
1.4 (a)∥1∥=1\|1\|=1、q:=∥ak∥q:=\|a^k\|、∥ar∥≤C\|a^r\|\le C(r<kr\lt k)⇒ ∥an∥≤C q⌊n/k⌋\|a^n\|\le C\,q^{\lfloor n/k\rfloor}Lean(norm_pow_block_le・norm_pow_le_const_mul)Gelfand の公式の有限の版 典
1.4 (b)q<1q\lt1 ⇒ ∑n<N∥an∥≤kC/(1−q)\sum_{n\lt N}\|a^n\|\le kC/(1-q)(NN に依らない)Lean(sum_norm_pow_le・補題 geom_sum_le_inv・sum_range_mul_eq)Neumann 級数の部分和の評価
1.4 (c)c(k+1)≤λc(k)+εc(k+1)\le\lambda c(k)+\varepsilon(0≤λ<10\le\lambda\lt1、ε≥0\varepsilon\ge0)⇒ c(k)≤max⁡(c(0),ε/(1−λ))c(k)\le\max(c(0),\varepsilon/(1-\lambda))Lean(affine_uniform)アフィンの再帰の初等的な事実
1.4 後半既約で Perron ベクトル w>0w\gt0 を持てば C=max⁡iwi/min⁡iwiC=\max_iw_i/\min_iw_i(∞\infty ノルム)。ww の比を BB の成分で押さえる明示式読(明示式は書き切っていない)Minc の比の評価 読
1.5塊を g:I→Jg:I\to J で集約した J×JJ\times J の行列 MM が Mp≤μpMp\le\mu p なら、元の BB は重み wjpg(j)w_jp_{g(j)} で μ\mu 倍の一段の縮み。JJ が二点で M=(abcd)M=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}、a<1a\lt1・d<1d\lt1・bc<(1−a)(1−d)bc\lt(1-a)(1-d) なら重み (1,t)(1,t) で max⁡(a+bt, d+c/t)<1\max(a+bt,\,d+c/t)\lt1Lean(aggregate_step・two_by_two_weight・two_by_two_exists)二×二の行列の ρ<1\rho\lt1 の判定の初等的な事実 典

記録の数との対応

この型に固有の問い — 符号を捨てる損

優勢行列は符号を捨てます。実際の作用素 TT と優勢行列 BB について、段 kk の損を

Lk:=∥Bk∥∙∥Tk∥∙(同じノルム。∥Tk∥=0 なら +∞)L_k := \frac{\|B^k\|_\bullet}{\|T^k\|_\bullet}\qquad(\text{同じノルム。}\|T^k\|=0\text{ なら }+\infty)

と置くと、損は段で有界とは限りません。T=(1−11−1)T=\begin{pmatrix}1&-1\\1&-1\end{pmatrix} は ∣T∣=(1111)|T|=\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix} を優勢行列に持ち、T2=0T^2=0 で、∣T∣n+1|T|^{n+1} の全成分は 2n2^n です。よって n≥2n\ge2 で Ln=+∞L_n=+\infty です Lean(absEx_eq・signedEx_sq・absEx_pow)。逆に TT が非負(T=∣T∣T=|T|)か、符号の相似 T=S∣T∣ST=S|T|S(SS は ±1\pm1 の対角行列)なら、Perron の重みの ∞\infty ノルムで Lk=1L_k=1 です 読。

符号の選び方で ρ(∣A∣)\rho(|A|) の評価にどこまで届くかは Rump の sign-real spectral radius(Rump 1997)が扱っています 読。損が段でどう振る舞うかを扱った文献は見つけていません(見つけていない、であって無いという意味ではありません)。記録の損は一段 7.6・二段 9.3 とゆっくりにしか増えておらず、これを定理にする条件は優勢行列の情報だけからは決まりません(上の例がそれを示します)。この問いを次の §02 で扱います。

02

符号を捨てる損

記録の損をよく見ると、§01 の反例とは型が違いました。記録の Stein の上界は、段の核を合成してから上界をとっています。§01 の反例は絶対値をとってから合成する量です。前者では、冪零の例 T2=0T^2=0 の合成の上界も 0 になります。この節では、合成してから上界をとる損が段でほとんど動かないことを数で見て、それを一つの行の中の幾何の量(行のそろい)で押さえる不等式を書きます。

定義

定義 2.1(合成の核と損).段の核 K0,K1,…K_0,K_1,\dots の合成を Tk=K0K1⋯Kk−1T_k=K_0K_1\cdots K_{k-1} とします。真の比を sup⁡θ∥Tkθ∥44/∥θ∥44\sup_\theta\|T_k\theta\|_4^4/\|\theta\|_4^4、Stein の上界を 15-05 の式 (11) の形の重みつきの ℓ2\ell^2 の量(合成の核の行の ℓ1\ell^1 ノルム ArA_r を重みにする)とし、

損k:=Stein(Tk)真の比(Tk)\text{損}_k := \frac{\text{Stein}(T_k)}{\text{真の比}(T_k)}

と置きます。真の比は最大化の下界(準ニュートン法と周期 2 の場の最大化の大きい方)で代用するので、表の損は損の上からの見積もりです。

定義 2.2(行のそろい).並進不変な TT の Stein の上界は sup⁡qλmax⁡(∑rAr2T^r(q)HT^r(q))\sup_q\lambda_{\max}\bigl(\sum_rA_r^2\hat T_r(q)^{\rm H}\hat T_r(q)\bigr) の形で、その最大点を (q∗,u∗)(q^*,u^*) とします。yr=T^r(q∗)u∗y_r=\hat T_r(q^*)u^*、M=∥u∗∥∞M=\|u^*\|_\infty と置き、

κr:=∣yr∣Ar M ≤ 1\kappa_r := \frac{|y_r|}{A_r\,M}\ \le\ 1

を、最悪の向きでの行 rr のそろいと呼びます(κr≤1\kappa_r\le1 は coherence_le_one Lean)。⟨κ−2⟩\langle\kappa^{-2}\rangle は ∣yr∣4|y_r|^4 を重みにした平均です。

記録の数 — 損は止まり、少し下がる

表 2 同じ 444^4 のトーラスにそろえた損(段を R=3R=3 で切った周期の作用素)計算
kStein真の比の下界(準ニュートン/周期 2)損段の比:下界段の比:Stein
13.7080.5903/0.55666.28——
20.77460.1405/0.14055.510.2380.209
30.076320.014967/0.014975.100.1070.0985
40.005760.001095/0.001095.260.0730.0755

真の比と Stein の上界が同じ速さで減るので(段の比はどちらも約 0.07 へ)、損が止まります。大きいトーラスでも同じ形です(表 3)。以前の記録の二段の 9.3 は、真の比の下界 0.108 が弱かった分で、周期 2 の場では下界が 0.1405 になります 計算。k≥2k\ge2 では真の比の最大点のエネルギーの 99.8〜100% が ∣q∣∞=π|q|_\infty=\pi にあり、(π,π,π,0)(\pi,\pi,\pi,0) 型の周期 2 の点に乗っていました 計算。

表 3 大きいトーラスの損と、段ごとの上界の積との比べ 計算
kトーラスStein真の比の下界損段ごとの Stein の積 ÷ 下界
116416^44.4310.5917.507.5
2848^40.95540.1405(周期 2)6.80182
3848^40.095750.01497(周期 2)6.401.1×1041.1\times10^4
3646^40.090920.0149556.07—

右端の列は、段ごとの一段の上界(4.45・5.75・6.50・6.81)の積を真の比の下界で割ったもので、7.5 → 182 → 1.1×1041.1\times10^4 → 1.0×1061.0\times10^6 と一段ごとに 60〜90 倍で増えます 計算。指数で増えるのは、絶対値をとってから合成する側だけです。合成の核で上界をとることがどれだけ効いているかが、この列で見えます。

三つの仮説は外れ、外れ方がそろっていた

損が止まる理由として、(a) 合成で負の部分の割合が減る、(b) 打ち消しはセルの中で起きている、(c) 真の比の最大点で符号がそろう、の三つを試しました。どれも書かれた形では成り立ちませんでした。ただし三つとも「段で変わらない」という同じ外れ方を示しました。

表 4 仮説の判定 計算
仮説量k=1k=2k=3k=4(444^4)判定
(a)負の部分の割合(行の符号は自由に取る)0.4110.4320.4350.426成り立たない(約 0.43 で一定。444^4 では 0.405・0.425・0.427・0.426)
(b)中心の側の殻(距離 0.5〜1.5)の ℓ1\ell^1 の割合/負の割合0.58/0.22–0.330.48/0.320.44/0.31–0.370.53/0.32–0.38成り立たない(打ち消しは中心の正と距離 1.5〜2.5 の負の輪の間。242^4 の塊で和をとると ℓ1\ell^1 の 41〜56% が残る)
外の輪(距離 1.5〜2.5)の ℓ1\ell^1 の割合/負の割合0.33/0.59–0.630.38/0.56–0.600.40/0.53–0.600.46/0.53–0.59
(c)最大点でのそろい/効率0.74/4.5%(16416^4)0.56/1.3%(848^4)0.57/1.5%(646^4)0.60/1.8%成り立たない(そろいは 0.6 前後で止まる)
—最悪の向きでの行のそろい ⟨κ−2⟩\langle\kappa^{-2}\rangle22.9(16416^4)10.6(848^4)・5.55(444^4)10.2(848^4)・5.13(444^4)5.31段で有界

三つの量がどれも段でほとんど動かないことは、「合成で核が正に近づく」のではなく「合成で核の輪郭(正規化した形)が一つに近づく」ことを示していると読めます 読。中心が正で周りが負の輪郭、負の割合 0.43、そろい 0.6 が段に依らず保たれます。細分割の極限関数に近い見方です 読。なお「中心が正・周りが負」の符号は向きの成分の符号の規約に依り、規約に依らないのは負の割合とそろいの方です。

成り立った不等式 — 損 ≤ そろいの逆二乗

候補 2.1.Ar≥0A_r\ge0、κ≥0\kappa\ge0、M≥0M\ge0、全ての成分で ∣va∣≤M|v_a|\le M、全ての行で κArM≤∣yr∣\kappa A_rM\le|y_r| とすると、

κ2(∑rAr2yr2)∑ava4 ≤ (∑ryr4)∑ava2\kappa^2\Bigl(\sum_rA_r^2y_r^2\Bigr)\sum_av_a^4\ \le\ \Bigl(\sum_ry_r^4\Bigr)\sum_av_a^2

です Lean(stein_le_inv_sq_mul_test。補題 stein_form_le・sum_four_le)。左辺の括弧は Stein の二次形式の値、右辺は試験の値なので、「上界 ÷ 試験の値 ≤κ−2\le\kappa^{-2}」と読めます。

格子の上では、最悪の向きの実の平面波 θ=Re(eiφu∗e−iq∗⋅X)\theta={\rm Re}(e^{i\varphi}u^*e^{-iq^*\cdot X}) を試験に使うと、

損 ≤ Stein試験の値 = ⟨κ−2⟩×S(u∗)Φ,S(u)=∑a∣ua∣4∣u∣2M2≤1\text{損}\ \le\ \frac{\text{Stein}}{\text{試験の値}}\ =\ \langle\kappa^{-2}\rangle\times\frac{S(u^*)}{\Phi},\qquad S(u)=\frac{\sum_a|u_a|^4}{|u|^2M^2}\le1

となります。Φ\Phi は位相の因子で、2q∗≢02q^*\not\equiv0 かつ 4q∗≢04q^*\not\equiv0 なら 1、周期 2 の点(2q∗≡02q^*\equiv0)でも u∗u^* を実に取れば 1 です 読(cos⁡4\cos^4 の平均 3/83/8 が分子と分母で消える。この段と Stein の式そのものは Lean に入れていません)。

読み方:Stein の上界は ℓ2\ell^2 の側では符号を全部覚えていて、忘れるのは ℓ∞\ell^\infty の側の「行の ℓ1\ell^1」だけです。だから損は、行の中の打ち消しの量 1/κ21/\kappa^2 に縮みます 読。最悪の向きでのそろいが段で下に有界なら損は段で有界、という条件つきの文になりますが、そろいが下に有界であることは示していません(F-SYS1)。

当てはまらなかった型 — 正の部分が優勢

符号場 ss について各行の負の部分が正の部分の δ\delta 倍以下なら (Ts)i≥1−δ1+δri(Ts)_i\ge\frac{1-\delta}{1+\delta}r_i(rir_i は行の ℓ1\ell^1)で、ℓ4\ell^4 の Schur の判定法 ∑(Tx)4≤A3B∑x4\sum(Tx)^4\le A^3B\sum x^4 と合わせて、損 ≤U(1+δ1−δ)4\le U\bigl(\frac{1+\delta}{1-\delta}\bigr)^4(UU は行の ℓ1\ell^1 の不均一の因子)です。合成では δ\delta が足し算で劣化します(そろい 1−δ1−δ21-\delta_1-\delta_2)Lean(coherent_of_neg_le・schur_four・loss_le_of_coherent・comp_coherent)。

定理は正しいのですが、記録の核には当てはまりません。ℓ4\ell^4 重みの平均のそろいから読んだ δ\delta は約 0.46・0.39・0.39・0.35 で小さくなく、UU は 3.0・4.5・8.8・15.8 と増え、行ごとの最小のそろいはほぼ 0 です(全ての行で δ\delta という仮定が満たされない)計算。Schur の判定法そのものも Stein の上界より二桁粗いものでした(Schur ÷ 下界は 437 → 745 → 1453 → 1777)計算。

W の座標 — 合成の後の絶対値は階数 1 の値で止まる

表 5 W の座標(零モードを直した核・60 型)の損 計算
kρ(Tk)\rho(T_k)絶対値の後に合成合成の後に絶対値負の割合
10.36311.011.010.210
20.12491.081.060.325
30.04221.161.090.387
40.01421.241.100.411
50.00481.331.100.421

損は ρ\rho の比(ρ(∣⋅∣)/ρ\rho(|\cdot|)/\rho)です。合成の後に絶対値をとる側が止まる値 1.10 は、支配固有ベクトルの左右 u,vu,v から作った階数 1 の値 ∑∣ui∣∣vi∣/∣∑uivi∣=1.085\sum|u_i||v_i|/|\sum u_iv_i|=1.085 とほぼ一致します 計算。支配固有値に隙間があれば Tk/ρk→uvT/(vTu)T^k/\rho^k\to uv^{\rm T}/(v^{\rm T}u) で、∣⋅∣|\cdot| と ρ\rho が連続なのでこの値に収束します 読。絶対値をとってから合成する側は、同じ行列の冪なら (ρ(∣M∣)/ρ(M))k(\rho(|M|)/\rho(M))^k で増え(ここでは 1.070 倍ずつ)、有界なのは ρ(∣M∣)=ρ(M)\rho(|M|)=\rho(M) のとき、既約なら M=eiαD∣M∣D−1M=e^{i\alpha}D|M|D^{-1} のときに限ります(Wielandt)典。合成の後の絶対値が絶対値の後の合成以下であること(行の ℓ1\ell^1)は abs_comp_le・row_l1_comp_le Lean。

03

局所の代表の幾何

粗い Bianchi の恒等式を満たす場の上でしか決まらない写像を、局所の核で表す——この手作業は 15-05 の定理 G′ の「代表」の選び方として出てきました。この節では、代表の全体の形(アフィン空間)、代表に依らない量(零モードの値と、拘束に制限した折り返しの次数)、代表に依る量(全体の折り返しの次数と尾のノルム)を分けます。中身は多重格子の転送作用素の次数と、細分割の和の規則(Strang–Fix 型の条件)の言い換えです。

定義

定義 3.1(拘束つき写像と延長).体 KK 上の有限次元空間 E,WE,W、部分空間 V≤EV\le E、線形写像 f:V→Wf:V\to W の組 (E,V,W,f)(E,V,W,f) を拘束つき写像と呼び、g:E→Wg:E\to W で g∣V=fg|_V=f となるものを延長と呼びます。延長は存在し(制限の写像 resV{\rm res}_V は全射)、二つの延長は VV の上で一致し、延長の全体は g0+ker⁡resVg_0+\ker{\rm res}_V というアフィン空間で、その次元は (dim⁡E−dim⁡V)⋅dim⁡W(\dim E-\dim V)\cdot\dim W です Lean(exists_extension・restrict_surjective・IsExtension.eqOn・isExtension_iff_mem_coset・finrank_freedom)。自由度が 0 になるのは V=EV=E のときだけです(W≠0W\ne0。freedom_eq_zero_iff)。

定義 3.2(格子の代表).粗い面の場 θ:Z4→C6\theta:\mathbb Z^4\to\mathbb C^6、拘束の部分空間 V=im⁡DcV=\operatorname{im}D_c(粗い Bianchi の恒等式を満たす場)、出力は細かい面の場で一つの粗いセルあたり 96=16×696=16\times6 成分です。並進不変な核 K:Z4→C96×6K:\mathbb Z^4\to\mathbb C^{96\times6} で、記号が全ての qq で K^(q)D^(q)=R^(q)\hat K(q)\hat D(q)=\hat R(q) を満たすもの(R=FDcR=FD_c)を FF の代表と呼び、有限範囲・指数減衰・ℓ1\ell^1 のどれかを満たすものを局所の代表と呼びます。q≠0q\ne0 では D^(q)\hat D(q) の階数は 3 で、各 qq の記号は「E=C6E=\mathbb C^6、dim⁡V=3\dim V=3、W=C96W=\mathbb C^{96}」の雛形になり、自由度は (6−3)⋅96=288(6-3)\cdot96=288 次元です。

定義 3.3(零モード・積率).K^(0)=∑ZK(Z)\hat K(0)=\sum_ZK(Z) を零モード、Mα(K)=∑ZZαK(Z)M_\alpha(K)=\sum_ZZ^\alpha K(Z) を積率と呼びます。

定義 3.4(折り返しの次数).η∈{0,1}4\eta\in\{0,1\}^4、pη=(q+2πη)/2p_\eta=(q+2\pi\eta)/2、粗いセルの中の細かい位置 s∈{0,1}4s\in\{0,1\}^4 について、折り返しの成分を C^η(q)[o,a]=∑se−ipη⋅sA^(s,o),a(q)\hat C_\eta(q)[o,a]=\sum_se^{-ip_\eta\cdot s}\hat A_{(s,o),a}(q) とします。η≠0\eta\ne0 の C^η(q)\hat C_\eta(q) が q→0q\to0 で消える次数の最小を ord(K)\mathrm{ord}(K)、拘束の部分空間への射影 P(q)P(q) を掛けた C^η(q)P(q)\hat C_\eta(q)P(q) の次数の最小を ordV(K)\mathrm{ord}^V(K) と書きます。

代表に依らない量

零モードは連続性だけで決まる(候補 3.1).KK が ℓ1\ell^1 の代表(記号が連続)で、D^(q)=D1(q)+O(∣q∣2)\hat D(q)=D_1(q)+O(|q|^2)、R^(q)=R1(q)+O(∣q∣2)\hat R(q)=R_1(q)+O(|q|^2)、∑νim⁡D1(eν)=C6\sum_\nu\operatorname{im}D_1(e_\nu)=\mathbb C^6 なら、K^(0)\hat K(0) は K^(0)D1(eν)=R1(eν)\hat K(0)D_1(e_\nu)=R_1(e_\nu)(ν=1,…,4\nu=1,\dots,4)の唯一の解です 読。最後の段(和が全体を張る部分空間の族の上で一致すれば等しい)は eq_of_eqOn_iSup・correction_eq_zero_of_iSup Lean。記録の値は K^(0)=U/4\hat K(0)=U/4、U=116⊗I6U=\mathbf 1_{16}\otimes I_6(全ての位置に一様に θ/4\theta/4)で、四つの段でずれ ≤3.1×10−10\le3.1\times10^{-10} でした 計算。トーラスでは D^(0)=0\hat D(0)=0 なので零モードは拘束を受けず、有限のトーラスの対称な代表は Lb=8,16,32L_b=8,16,32 で max⁡∣A^(0)−U/4∣=0.250\max|\hat A(0)-U/4|=0.250・1.47×10−21.47\times10^{-2}・2.55×10−52.55\times10^{-5} でした 計算。局所性という拘束が有限の箱では失われることの数の表れです。

最小ノルムの代表は局所でない(候補 3.2).K^MP(q)=R^(q)D^(q)+\hat K_{\rm MP}(q)=\hat R(q)\hat D(q)^+(Moore–Penrose の代表)は、射影 P(q)P(q) が qq の 0 次斉次の関数で q=0q=0 に向きの記憶を残すので、向きによる極限が一致しなければ ℓ1\ell^1 に入りません 読。局所の代表の自由度は、この向きの記憶を連続な関数に塗り直す余地と見ることができます。核の減衰は測っていません(F-SYS9)。

拘束に制限した次数は代表に依らない(候補 3.3).D^=UΣVH\hat D=U\Sigma V^{\rm H} と特異値分解すると C^η(q)U(q)\hat C_\eta(q)U(q) は R^\hat R の折り返しだけで書けるので、ordV(K)=ordV(F)\mathrm{ord}^V(K)=\mathrm{ord}^V(F) は FF の不変量です。制限は零の次数を下げないので、どの代表でも ord(K)≤ordV(F)\mathrm{ord}(K)\le\mathrm{ord}^V(F) です 読。

表 6 記録の代表の折り返しの次数(括弧は tt を一桁ずつ小さくしたときの値の減り方)計算
代表作り方ord\mathrm{ord}(6×66\times6 の全体)ordV\mathrm{ord}^V(im⁡D\operatorname{im}D の上)
sym錐のホモトピーの行(有限のトーラス)0(C^(0)=0.039\hat C(0)=0.039〜0.0710.071)0
A3零モードの差を Z=0Z=0 の一点に足す1(t=10−1→10−3t=10^{-1}\to10^{-3} で 3.4×10−2→3.4×10−43.4\times10^{-2}\to3.4\times10^{-4})1(5×10−3→5×10−55\times10^{-3}\to5\times10^{-5})
A4A3 に一次の積率の修正を Z=±eμZ=\pm e_\mu の反対称の対で足す2(1.7×10−3→1.7×10−71.7\times10^{-3}\to1.7\times10^{-7})2
FF そのものRR から—2(1.8×10−3→1.8×10−71.8\times10^{-3}\to1.8\times10^{-7})

A4 は ord(K)=ordV(F)=2\mathrm{ord}(K)=\mathrm{ord}^V(F)=2 を 6×66\times6 の全体で達しています。つまり記録の型の範囲では、A4 は天井まで届いた代表です。

尾のノルムと次数 — D ≤ 4 が上限

候補 3.4.W の座標の nn 段の写り (Tf)(q)=16−n∑mGm(q)Hf(pm)Gm(q)(Tf)(q)=16^{-n}\sum_mG_m(q)^{\rm H}f(p_m)G_m(q)(mm は 16n16^n 本の道、GmG_m は折り返しの積)で、全ての段の代表が ord(Kk)≥k0\mathrm{ord}(K_k)\ge k_0 を満たし、C^0(0)=4I\hat C_0(0)=4I とします。(a) D≤2k0D\le2k_0 なら記号の側のノルム ∥⋅∥D=sup⁡q≠0∥⋅∥2/∣q^∣D\|\cdot\|_D=\sup_{q\ne0}\|\cdot\|_2/|\hat q|^D で TT は有界。(b) D>2k0D\gt2k_0 で m≠0m\ne0 の道の主要係数 SS が 0 でなければ、q0q_0 の近くの山の入力で ∣q0∣2k0−D|q_0|^{2k_0-D} の速さで発散します 読(段の数に一様な定数を仮定した筋で、無限段の一様性は扱っていません)。拘束に制限した版では k0k_0 を ordV(F)\mathrm{ord}^V(F) に置き換えます。

表 7 尾のノルム(D=4D=4、軸 q=2π/Lq=2\pi/L の入力、L=24L=24〜192192 の 4 点)計算
代表ord\mathrm{ord}値候補 3.4 の型
A311.486・5.88・23.5・93.8(L2L^2 で増える)∣q∣2⋅1−4|q|^{2\cdot1-4}
A420.01638・0.01640・0.01643・0.01643(有界)∣q∣2⋅2−4=|q|^{2\cdot2-4}= 定数

RR から(ordV=2\mathrm{ord}^V=2)では D=4D=4 で有界、D=6D=6 で q−2q^{-2}、D=7D=7 で q−3q^{-3} でした 計算。記録の全ての場合が (a)(b) の型と合います。ordV(F)=2\mathrm{ord}^V(F)=2 なので、im⁡D\operatorname{im}D の上の D=6D=6 の尾は代表をどう選んでも発散し、記録の型の範囲では sup/∣q^∣D/|\hat q|^D の尾は D≤4D\le4 が上限と読めます 読。

「2⋅ord2\cdot\mathrm{ord}」の 2 は、W の座標の写りが同じ代表を両側に置く合同変換 GHfGG^{\rm H}fG であることから来ます。多重格子では延長と制限の次数を別々に選べ、「延長の次数+制限の次数 ≥ 方程式の次数」という規則があります(Hemker 1990)読。ここでは一つの代表が両方を兼ねています。

一次の積率を合わせた代表と和の規則

候補 3.5(次数とずらしたジェット).Js(q):=e−iq⋅s/2K^s(q)J_s(q):=e^{-iq\cdot s/2}\hat K_s(q)(K^s\hat K_s は位置 ss の 6 行の記号)と置くと、ord(K)≥k\mathrm{ord}(K)\ge k ⇔ Js(q)J_s(q) の k−1k-1 次までの Taylor 多項式が ss に依らない、です 読。筋は C^η(q)=∑s(−1)η⋅sJs(q)\hat C_\eta(q)=\sum_s(-1)^{\eta\cdot s}J_s(q) と、(Z/2)4(\mathbb Z/2)^4 の 15 個の非自明な指標の直交性(全てとの内積が 0 ⇔ 定数)です。

目標の BB は RR の q2q^2 の項から決めます。一行あたり未知数 24(4 方向 × 6)に対し、RR から決まる部分の階数は 20、残りの自由は 4 次元でした 計算。この勘定は有限次元の「条件つきの延長」の型です:(resV,C)({\rm res}_V,C) が全射なら、g∣V=fg|_V=f と C(g)=yC(g)=y を同時に満たす gg があり、残りの自由度は dim⁡E⋅dim⁡W−dim⁡V⋅dim⁡W−dim⁡Y\dim E\cdot\dim W-\dim V\cdot\dim W-\dim Y です Lean(exists_extension_with_conditions・finrank_freedom_with_conditions・conditions_count_le)。残りの 4 次元は ℓ1\ell^1 の増加が最小になるよう線形計画で決め、積率は目標に 1.1×10−161.1\times10^{-16} 以内で合い、行の ℓ1\ell^1 は 2.26 → 2.34(一段目)でした 計算。

代表の合成と整合

(E1,V1,E,f1)(E_1,V_1,E,f_1) と (E,V2,W,f2)(E,V_2,W,f_2) が整合する(f1(V1)⊆V2f_1(V_1)\subseteq V_2)なら、代表の合成は合成の代表で、V1V_1 の上の値は代表の選び方に依りません。整合しないと(W≠0W\ne0)、選び方で合成の値が変わります Lean(comp_extension_eqOn・comp_isExtension・comp_depends_of_not_le)。記録の W の座標の連鎖は代表を合成していますが、段 kk の代表の出力が段 k+1k+1 の拘束の部分空間に入るかは確かめていません(F-SYS8)。im⁡D\operatorname{im}D の上の連鎖 0.3426 と 6×66\times6 の連鎖 0.3446 の差が、その手がかりです 計算。代表に依るノルムの変化の例として、零モードの修正で三段の Stein の上界が 0.09743 → 0.09868、符号つきの Stein の上界が A3 の 4.25 から A4 の 4.48(一段目)でした 計算。

辞書

04

二重付値の幾何

見返りの定理は未です。この節は、台帳の ⑦ 移り変わりの帯(13-06)を、強結合の展開と弱結合の展開の二つの付値の言葉で言い直す試みです。定義と主項の計算はできていますが、この見方から帯について新しく言える定理はまだありません。札は仮と計が中心です。

定義

結合の空間 K\mathcal K:プラケットの重み f(U)=1+∑rdrarχr(U)f(U)=1+\sum_rd_ra_r\chi_r(U) の指標係数 (ar)(a_r) の空間です。座標は β\beta と形の座標です。

二つの付値.vsv_s(強結合)は ar→0a_r\to0 の側の次数(Wilson 作用では β\beta の次数)、vwv_w(弱結合)は β→∞\beta\to\infty の側の 1/β1/\beta の次数です。e−cβe^{-c\beta} 型の項は vw=∞v_w=\infty として扱います(トランス級数の別の分枝)。

二つの座標.[0,1][0,1] に値をとる観測量 OO(O(0)=0O(0)=0、O(∞)=1O(\infty)=1。プラケット PP など)について、強結合の側の座標は OO、弱結合の側の座標は 1−O1-O です。主係数を O≈s1βO\approx s_1\beta(強結合)、1−O≈w1/β1-O\approx w_1/\beta(弱結合)と書きます。

同点集合.(i) 補の同点 {s1β=w1/β}\{s_1\beta=w_1/\beta\}、(ii) 同じ座標の同点 {s1β=1−w1/β}\{s_1\beta=1-w_1/\beta\}、(iii) 誤差の同点 {K\{K 項までの最良の打ち切りの誤差が等しい点}\}。(ii) の二根の間 {s1β≤1−w1/β}\{s_1\beta\le1-w_1/\beta\} をレンズと呼びます。

不変量 κ とレンズ

候補 4.1(目盛りに依らない量).結合の目盛りを β↦cβ\beta\mapsto c\beta と変えると s1↦s1/cs_1\mapsto s_1/c、w1↦cw1w_1\mapsto cw_1 なので、

κ:=s1w1\kappa := s_1w_1

は目盛りに依りません。補の同点は β∗=w1/s1\beta^*=\sqrt{w_1/s_1} で、そこでの主項の値は κ\sqrt\kappa です。同じ座標の同点は s1β2−β+w1=0s_1\beta^2-\beta+w_1=0 の根で、判別式は 1−4κ1-4\kappa なので、レンズは κ≤14\kappa\le\frac14 のときだけ開きます。二根の幾何平均はいつも β∗\beta^* です。弦の張力 σ=−log⁡u\sigma=-\log u の同点は κ≤1/e\kappa\le1/e のときだけあります 読(二次式の判別式という初等的な事実)。

片側の主項だけを見ると、群の違いは目盛りに吸収されます。両側の主項を同時に見ると、目盛りの変更は (log⁡O,log⁡(1−O))(\log O,\log(1-O)) の平面の平行移動にすぎず、交わる高さ κ\sqrt\kappa は動きません。群の情報が「交差の高さ」に残る、という見方です 仮。

例

表 8 一プラケット(二次元では正確な解、Migdal–Kadanoff の一段の素材)の級数と同点 計算
量SU(2)SU(2)U(1)U(1)
強結合の級数 uuβ4−β396+β51536−β723040+⋯\frac\beta4-\frac{\beta^3}{96}+\frac{\beta^5}{1536}-\frac{\beta^7}{23040}+\cdotsβ2−β316+β596−11β76144+⋯\frac\beta2-\frac{\beta^3}{16}+\frac{\beta^5}{96}-\frac{11\beta^7}{6144}+\cdots
弱結合の級数 1−u1-u32β−1−38β−2−38β−3−63128β−4⋯\frac32\beta^{-1}-\frac38\beta^{-2}-\frac38\beta^{-3}-\frac{63}{128}\beta^{-4}\cdots12β−1+18β−2+18β−3+25128β−4⋯\frac12\beta^{-1}+\frac18\beta^{-2}+\frac18\beta^{-3}+\frac{25}{128}\beta^{-4}\cdots
κ=s1w1\kappa=s_1w_13/83/8(レンズは空、1−4κ=−121-4\kappa=-\frac12)1/41/4(レンズは一点 β=1\beta=1)
s3/s13s_3/s_1^3・w2/w12w_2/w_1^2−2/3-2/3・−1/6-1/6−1/2-1/2・+1/2+1/2
補の同点 β∗\beta^* と真の u(β∗)u(\beta^*)6=2.4495\sqrt6=2.4495、u=0.5004u=0.5004(u=12u=\frac12 の β\beta は 2.4469)1.0000、u=0.4464u=0.4464(u=12u=\frac12 の β\beta は 1.1593)
σ\sigma の同点なし(差の最大 −log⁡κ−1=−0.019-\log\kappa-1=-0.019)0.232 と 1.399
誤差の同点(K=40K=40)3.274(誤差 4.8×10−44.8\times10^{-4})2.124(誤差 2.9×10−32.9\times10^{-3})
Fisher 零点(虚軸)±i 3.832\pm i\,3.832、±i 7.016\pm i\,7.016、…±i 2.405\pm i\,2.405、±i 5.520\pm i\,5.520、…

比熱 β2u′\beta^2u' は U(1)U(1) で β=2.48\beta=2.48 に山(0.680)があり、SU(2)SU(2) では単調に 3/23/2 へ上がります 計算。この違いは w2/w12w_2/w_1^2 の符号(−1/6-1/6 と +1/2+1/2)の違いと同じ向きで、群の違いは付値の主項ではなく次の項の符号に住んでいる、と読めます 仮。SU(2)SU(2) で u(6)=0.5004≈12u(\sqrt6)=0.5004\approx\frac12 となったことは U(1)U(1) では成り立たない(0.446)ので、一般の法則ではありません。

四次元の主項だけのレンズ.等分配 w1=dim⁡G/dw_1=\dim G/d を使うと κ=s1dim⁡G/d\kappa=s_1\dim G/d です。

表 9 dd 次元の主項だけのレンズ 計算
d群κ\kappa補の同点 β∗\beta^*レンズ
2SU(2)SU(2)3/83/82.449なし
2U(1)U(1)1/41/41.000一点 [1,1][1,1]
3SU(2)SU(2)1/41/42.000一点 [2,2][2,2]
3U(1)U(1)1/61/60.816[0.423,1.577][0.423,1.577]
4SU(2)SU(2)3/163/161.732[1.000,3.000][1.000,3.000]
4U(1)U(1)1/81/80.707[0.293,1.707][0.293,1.707]

四次元の U(1)U(1) の転移 βc≈1.01\beta_c\approx1.01(13-06)はレンズ [0.293,1.707][0.293,1.707] の中にあります(中心 0.707 ではありません)。SU(2)SU(2) のレンズ [1,3][1,3] は、13-06 の表で β−β′\beta-\beta' が強結合の値から一ループの値へ移る範囲を含み、文献で「強結合と弱結合のどちらの展開もうまくいかない」とされる 1.5<β<2.51.5\lt\beta\lt2.5(arXiv:0807.0185 の要旨)とも重なります 読。これは一次の主項と等分配だけから出した数で、四次元の真の級数を使っていません。重なりには偶然が含まれえます 仮。

Migdal–Kadanoff の流れの下の同点集合

Wilson 作用から nn 段流したあとの基本表現の係数 un(β)u_n(\beta) の等高線 Ln(c)L_n(c) を追いました。等高線は β\beta の読み方に依らない対象です。

表 10 等高線 Ln(c)L_n(c) の動き 計算
群ccL0L_0L6L_66 段目の差 L6−L5L_6-L_5
SU(2)SU(2)0.15750.6412.2300.259
SU(2)SU(2)0.52.4473.5350.2553
SU(2)SU(2)0.914.7315.580.2511
U(1)U(1)0.15750.3190.5820.017(減りながら正)
U(1)U(1)0.51.1590.8444.5×10−44.5\times10^{-4}
U(1)U(1)0.72.0141.5101−3.5×10−7-3.5\times10^{-7}(止まる)
U(1)U(1)0.95.3054.8478−3.7×10−7-3.7\times10^{-7}(止まる)

定理の候補が立たない理由と、弱めた形

「群を区別する比較が要るのは、同点集合の余次元 1 の骨格の近傍に限られる」という形は、そのままでは成り立たない見込みです 仮。群の区別は、弱結合の座標の全域で流れの付値(SU(2)SU(2) は vw=0v_w=0、U(1)U(1) は vw=∞v_w=\infty、すなわち b0b_0 の有無)として、すでに主項の水準で現れているからです。

候補 B(弱めた形) 仮。観測量の族と群 G,G′G,G' について、(B1) 強結合の座標の付値の写像が s1s_1 による目盛りの合わせの下で GG と G′G' で一致する、(B2) 弱結合の座標の流れの付値が異なる、(B3) 各座標の誤差がその座標の主項の η\eta 倍以下になる領域 Ds(η)D_s(\eta)・Dw(η)D_w(\eta) がとれる、の三つを仮定します。このとき、比較の向き(β′≤β\beta'\le\beta か)を決めるのに主項の外の情報が要るのは K∖(Ds(η)∪Dw(η))\mathcal K\setminus(D_s(\eta)\cup D_w(\eta)) の上だけで、この集合は η→0\eta\to0 でレンズに縮みます。

既知との関係

05

錐の計算法

第 15 部の記録には、次の手作業が何度も出てきました。pp 次の多項式を ℓp\ell^p の錐 ∣f(θ)∣≤c ∥θ∥pp|f(\theta)|\le c\,\|\theta\|_p^p で押さえ、線形の写像(ブロック化の局所の代表)で引き戻し、引き戻しの因子を重みつきの Stein の上界で上から押さえ、一段では縮まなくても数段の合成で縮むことを確かめ、ループが段ごとに足す項をアフィンの再帰で受けて全ての段の上限を出す、という流れです(15-05 の系・15-08 §06)。この節は §01〜§03 と同じく、この手作業に定義を与える試みです。中身の多くは既知の事実——Riesz–Thorin の補間定理、Stein–Weiss の測度を取り替える補間、Schur の検定、Hölder の不等式、作用素ノルムの指数についての対数凸性——の言い換えで、新しさは主張しません。新しいのは問いの側で、記録の数がどの量に当たるかを並べたうえで、指数 pp を動かしたときの「窓」と「束の数」を問いとして立てます。

設定

V,WV,W は有限次元の実ベクトル空間で、座標を一つ固定します。ℓp\ell^p は座標の ℓp\ell^p です。格子の場合は、VV が粗いトーラスの上の面の場(各点 6 成分)、WW が細かい面の場をセルごとに 96 成分で並べたもので、K:V→WK:V\to W は粗い並進と可換です。錐の上限は VV の全体でとります(Bianchi の恒等式の像に制限しません)。したがって、ここでの量は制限した量の上界です。

定義

定義 5.1(錐の定数).f:V→Rf:V\to\mathbb R が pp 次の斉次多項式(またはそれ以下の増大)のとき

cp(f):=sup⁡θ≠0∣f(θ)∣∥θ∥pp.c_p(f):=\sup_{\theta\ne0}\frac{|f(\theta)|}{\|\theta\|_p^p}.

Lean では IsCone f N c(全ての θ\theta で ∣f θ∣≤c⋅Nθ|f\,\theta|\le c\cdot N\theta)と書き、抽象の NN が ∥⋅∥pp\|\cdot\|_p^p の役をします。

定義 5.2(pp-縮み).線形の写像 K:V→WK:V\to W について

μp(K):=sup⁡θ≠0∥Kθ∥pp∥θ∥pp=∥K∥p→p p.\mu_p(K):=\sup_{\theta\ne0}\frac{\|K\theta\|_p^p}{\|\theta\|_p^p}=\|K\|_{p\to p}^{\,p}.

Lean では Contracts K N μ(全ての θ\theta で N(Kθ)≤μ NθN(K\theta)\le\mu\,N\theta)と書き、「μp(K)≤μ\mu_p(K)\le\mu」と読みます。

定義 5.3(行と列の ℓ1\ell^1).Ar:=∑j∣Krj∣A_r:=\sum_j|K_{rj}|、R(K):=max⁡rAr=∥K∥∞→∞R(K):=\max_rA_r=\|K\|_{\infty\to\infty}、C(K):=max⁡j∑r∣Krj∣=∥K∥1→1C(K):=\max_j\sum_r|K_{rj}|=\|K\|_{1\to1} とします。μ1=C\mu_1=C であり、μp1/p→R\mu_p^{1/p}\to R(p→∞p\to\infty)です 典。

定義 5.4(一般の p≥2p\ge2 の重みつきの Stein の上界).正の重み uu について

Sp(K;u):=max⁡rArpur⋅λmax⁡(KTDu/A2K),Sp(K):=Sp(K;Ap)=λmax⁡(KTDAp−2K)S_p(K;u):=\max_r\frac{A_r^p}{u_r}\cdot\lambda_{\max}\bigl(K^{\mathsf T}D_{u/A^2}K\bigr),\qquad S_p(K):=S_p(K;A^p)=\lambda_{\max}\bigl(K^{\mathsf T}D_{A^{p-2}}K\bigr)

とします(DvD_v は vv を対角に並べた行列)。標準形 Sp(K)S_p(K) は、p=2p=2 で素の ∥K∥22\|K\|_2^2、p=3p=3 で DAD_A、p=4p=4 で DA2D_{A^2} になり、記録の ℓ3\ell^3 と ℓ4\ell^4 の式に戻ります。並進と可換な KK では、λmax⁡\lambda_{\max} を sup⁡qλmax⁡(K^(q)HDK^(q))\sup_q\lambda_{\max}(\hat K(q)^{\mathsf H}D\hat K(q)) に置き換えます。

定義 5.5(束の数).段ごとの写像の列 (Kk)(K_k) と束の長さ nn について K(k,n):=KkKk+1⋯Kk+n−1K^{(k,n)}:=K_kK_{k+1}\cdots K_{k+n-1} とし、

np:=min⁡{n: sup⁡kμp(K(k,n))<1}(無ければ ∞)n_p:=\min\Bigl\{n:\ \sup_k\mu_p\bigl(K^{(k,n)}\bigr)\lt1\Bigr\}\quad(\text{無ければ }\infty)

とします。μp\mu_p を SpS_p に替えたものを上界の版 n~p\tilde n_p とすると np≤n~pn_p\le\tilde n_p です。

定義 5.6(窓).束の長さ nn を固定して Wn:={p≥1: μp(K(n))<1}W_n:=\{p\ge1:\ \mu_p(K^{(n)})\lt1\} とします。

定義 5.7(アフィンの再帰).ck+1≤μkck+εkc_{k+1}\le\mu_kc_k+\varepsilon_k(μk≥0\mu_k\ge0、ck≥0c_k\ge0)。束の版は ck+m≤μ ck+εc_{k+m}\le\mu\,c_k+\varepsilon です。ckc_k は段 kk の錐の定数、εk\varepsilon_k はその段で新しく生まれる pp 次の項の大きさに当たります。

定義 5.8(Schur の閾値の指数).R(K)<1R(K)\lt1 のとき p∗(K):=1+log⁡C/log⁡(1/R)p^*(K):=1+\log C/\log(1/R) とします。後の候補 5.6 の μp≤Rp−1C\mu_p\le R^{p-1}C が 1 を下回るのは p>p∗p\gt p^* のときです。

定理の候補と札

候補 5.1(引き戻しと劣乗法).c≥0c\ge0 なら cp(f∘K)≤cp(f) μp(K)c_p(f\circ K)\le c_p(f)\,\mu_p(K) です Lean(cone_pullback。V→WV\to W の写像で、NV,NWN_V,N_W は別でよい)。同じ空間の上では μp(K1K2)≤μp(K1)μp(K2)\mu_p(K_1K_2)\le\mu_p(K_1)\mu_p(K_2)(μ1≥0\mu_1\ge0)、μp(Kn)≤μp(K)n\mu_p(K^n)\le\mu_p(K)^n、cp(f∘Kn)≤cp(f) μnc_p(f\circ K^n)\le c_p(f)\,\mu^n です Lean(contracts_comp・contracts_iterate・cone_pullback_iterate。μ≥0\mu\ge0)。

候補 5.2(一段で超え、束で縮む).一段で μp(K)≤M\mu_p(K)\le M(M>1M\gt1 でもよい)、nn 段で μp(Kn)≤μ\mu_p(K^n)\le\mu なら μp(Kqn+r)≤Mrμq\mu_p(K^{qn+r})\le M^r\mu^q です Lean(block_decay。M≥0M\ge0・μ≥0\mu\ge0)。§01 の候補 1.4 (a) の錐の版です。上界 SpS_p そのものは劣乗法的とは限らないので、合成の SpS_p は合成の核から直接に計算します 読。

候補 5.3(上界の対数凸性).log⁡Sp(K)\log S_p(K) は pp について凸です 読。Sp=sup⁡∥x∥=1∑r(Kx)r2Arp−2S_p=\sup_{\|x\|=1}\sum_r(Kx)_r^2A_r^{p-2} で、各 xx について右辺は pp の指数関数の正の和なので対数凸(Cauchy–Schwarz)、対数凸な関数の上限も対数凸だからです。Lean に入れたのは中点の離散版です Lean:

帰結として S3≤S2S4S_3\le\sqrt{S_2S_4} です。記録で「S2S4\sqrt{S_2S_4} は S3S_3 の少し上」と見えていたのは、別の二つの上界の比べではなく、同じ関数 log⁡Sp\log S_p の曲がりの余裕でした。S2S4/S3−1\sqrt{S_2S_4}/S_3-1 がその曲がりの大きさの一つの数になります(表 12)。

候補 5.4(真の pp-縮みの対数凸性).log⁡μp\log\mu_p も p>0p\gt0 について凸です。Riesz–Thorin により ψ(s):=log⁡∥K∥1/s→1/s\psi(s):=\log\|K\|_{1/s\to1/s} は s∈[0,1]s\in[0,1] で凸 典、log⁡μp=p ψ(1/p)\log\mu_p=p\,\psi(1/p) は ψ\psi の perspective なので凸 読。候補 5.3 は上界 SpS_p について直接に(指数の和として)言えることで、候補 5.4 は真の μp\mu_p について 1/p1/p の凸性から perspective を通して言えることです。依って立つものが違います。帰結は二つです 読。

候補 5.5(束の数とスペクトル半径).固定した有限次元の作用素 K:V→VK:V\to V では、Gelfand の公式から lim⁡nμp(Kn)1/n=ρ(K)p\lim_n\mu_p(K^n)^{1/n}=\rho(K)^p で、ρ\rho は pp に依りません 典。したがって「np<∞n_p\lt\infty ⇔ ρ(K)<1\rho(K)\lt1」で、pp によって変わるのは最小の nn だけです。これは §01 の定義 1.3 と同じ事実を pp-縮みで言ったものです。ただしブロック化の写像は粗い格子から細かい格子への写像で、同じ空間の上の一つの作用素ではありません。細かい格子を Z4\mathbb Z^4 に戻して同一視すると「2 倍の拡大と畳み込み」の型(細分割の作用素)になり、この型では ℓp\ell^p のスペクトル半径が pp に依ります 読。

候補 5.6(薄まりの正しい形).「行和 1・非負・各成分 ≤1/m\le1/m なら μp≤m1−p\mu_p\le m^{1-p}」という素朴な形は、一般には成り立ちません 読。平均の写像は定数の場を保つので、正方なら μp≥1\mu_p\ge1 です(定数の場が反例)。成り立つのは次の形です。

候補 5.7(アフィンの再帰).次の五つです Lean。§01 の候補 1.4 (c)(affine_uniform)を、段で変わる係数と束に広げたものです。

表 11 §05 の定理の候補。どれも既知の事実の有限次元の形か、その初等的な帰結です
候補言明(一行)札何の言い換えか
5.1cp(f∘K)≤cp(f)μp(K)c_p(f\circ K)\le c_p(f)\mu_p(K)、μp(K1K2)≤μp(K1)μp(K2)\mu_p(K_1K_2)\le\mu_p(K_1)\mu_p(K_2)、μp(Kn)≤μp(K)n\mu_p(K^n)\le\mu_p(K)^nLean(cone_pullback・contracts_comp・contracts_iterate・cone_pullback_iterate)作用素ノルムの劣乗法性
5.2一段 ≤M\le M、nn 段 ≤μ\le\mu ⇒ qn+rqn+r 段 ≤Mrμq\le M^r\mu^qLean(block_decay)Gelfand の公式の有限の版(§01 の候補 1.4 (a))
5.3log⁡Sp\log S_p は pp について凸、とくに S3≤S2S4S_3\le\sqrt{S_2S_4}連続の版 読・中点の離散版 Lean(weighted_rpow_midpoint・stein_form_midpoint・sup_midpoint・midpoint_below_one)Hölder(Cauchy–Schwarz)の不等式・対数凸な関数の上限
5.4log⁡μp\log\mu_p は pp について凸、WnW_n は区間、μp≤μp0Rp−p0\mu_p\le\mu_{p_0}R^{p-p_0}(p≥p0p\ge p_0)。上界の版 Sp≤Rp−p0Sp0S_p\le R^{p-p_0}S_{p_0}真の μp\mu_p は 典+読・上界の版は Lean(weighted_rpow_shift・sup_shift)Riesz–Thorin(1/p1/p についての凸性)と perspective
5.5固定した作用素では np<∞n_p\lt\infty ⇔ ρ(K)<1\rho(K)\lt1。ブロック化の写像は細分割の型で、ℓp\ell^p のスペクトル半径が pp に依る。定数の場の比は一段で約 24−2p2^{4-2p}典・読・数は 計算Gelfand の公式・細分割の LpL^p 理論
5.6素朴な薄まり μp≤m1−p\mu_p\le m^{1-p} は成り立たない(定数の場)。成り立つのは μp≤Rp−1C\mu_p\le R^{p-1}C(等号あり)、δ\delta の場の Mp−1M^{p-1}、Sp≤S2Rp−2S_p\le S_2R^{p-2}反例は 読・三つの形は Lean(row_rpow_le・lp_schur・lp_schur_sharp・delta_dilution・weighted_rpow_shift)・μp≤μ2Rp−2\mu_p\le\mu_2R^{p-2} は 読Schur の検定・Riesz–Thorin の (1,∞)(1,\infty) と (2,∞)(2,\infty) の有限和
5.7アフィンの再帰:一定の係数・段で変わる係数・不変な区間・上極限・mm 段の束Lean(affine_const・affine_varying・affine_invariant・affine_eventually・affine_block)アフィンの再帰の初等的な事実(§01 の候補 1.4 (c))

記録の数との対応

一段は 848^4 のトーラスの段 0 の核 K0K_0(切り詰めなし)、二段は K0K1K_0K_1(粗い 16416^4、核を R=3R=3 で切り詰め、失った ℓ1\ell^1 は K0K_0 で 0.8%、K1K_1 で 1.9%)、三段は K0K1K2K_0K_1K_2(粗い 12412^4、R=3R=3)です。一段の下界は準ニュートン法(L-BFGS、二つの始点)による真の比の値で、p≥12p\ge12 では最大の行の符号の場による値に替えました。下界は最大であるとは示していません。全て浮動小数の計算で、区間の評価ではありません 計算。

表 12 重みつきの Stein の上界 SpS_p と一段の下界 計算
pp一段 SpS_p一段 下界一段 定数の場二段 SpS_p三段 SpS_p
21.98061.98061.0803.01893.6658
2.52.36261.41060.5512.2358—
32.86411.02330.28071.66420.57864
3.53.54420.77300.14311.2501—
44.44570.64700.07300.97070.09599
57.84740.73280.01900.6144—
614.9101.23260.00490.4093—
865.1605.01550.00030.2197—
163.91e418.2(符号の場)0.0598—
321.71e107.96e6(符号の場)0.0143—
∞\infty(Sp1/p→RS_p^{1/p}\to R)R=2.2524R=2.2524R=0.9283R=0.9283R=0.3318R=0.3318

窓の言葉で言うと、SpS_p による窓は二段で [≈4,∞)[\approx4,\infty) を含み、三段で [3,4][3,4] を含みます。一段では SpS_p による窓は空で、真の窓は未確定です。μ2=S2\mu_2=S_2 は n≤3n\le3 で 1.98・3.02・3.67 と全て 1 以上なので、各 WnW_n(n≤3n\le3)は区間であることから 2 をまたぎません 読。

この型に固有の問い — 窓・束の数・閾値の指数

辞書

記録の手作業既知の枠組み札
ℓ2\ell^2 と ℓ∞\ell^\infty の間の補間・log⁡∥K∥p→p\log\|K\|_{p\to p} の凸性Riesz–Thorin の補間定理(M. Riesz 1927、G. O. Thorin 1939):log⁡∥K∥p→p\log\|K\|_{p\to p} は 1/p1/p について凸典
値域の重みを替える補間(定義 5.4)Stein–Weiss、Interpolation of operators with change of measures(Trans. AMS 87, 1958)。両端の測度を固定すれば Riesz–Thorin で足りる典・書誌は 読
行と列の ℓ1\ell^1 による上界(候補 5.6)Schur の検定(I. Schur 1911)。重みつきの版(正の試験関数)は Aronszajn・Halmos–Sunder の形で知られる典・書誌は 読
錐の各点の不等式・中点の不等式(候補 5.3)Hölder の不等式・Cauchy–Schwarz・算術幾何平均典
log⁡μp\log\mu_p の pp についての凸性(候補 5.4)作用素ノルムの対数凸性(Riesz–Thorin)と凸解析の perspective 関数(Boyd–Vandenberghe、Convex Optimization §3.2.6)典・読
μp\mu_p そのものを計算することp≠1,2,∞p\ne1,2,\infty では行列の p→pp\to p ノルムの近似は NP 困難(Hendrickx–Olshevsky、SIAM J. Matrix Anal. Appl. 2010)。下界には Boyd の power method(D. W. Boyd 1974、Linear Algebra Appl. 9)。上界 SpS_p を使う理由はここにある読
束で縮むこと(候補 5.5)Gelfand のスペクトル半径の公式。拡大を含む作用素では細分割の LpL^p 理論(R.-Q. Jia、Subdivision schemes in LpL_p spaces、Adv. Comput. Math. 1995)があり、pp ノルムの同時スペクトル半径で収束が決まる典・読

書誌は要旨の水準で、原典の本文と照合していません。この節の定理の候補はどれも上の枠組みの有限次元の形か、その初等的な帰結です。

06

既知との辞書・言えている範囲・問い

五分類の要約

表 13 この章の主な行(札は本文の行のとおり。条件は同じ行に)
節主張札条件
§01優勢行列は積と冪で閉じるLeanノルム環に値を持つ有限の塊。冪は単位元のノルムが 1
§01候補 1.1:kk 段で縮めば一段で縮む重み w′w' があるLeanB≥0B\ge0・w≥0w\ge0・s>0s\gt0・k≥1k\ge1・Bkw≤skwB^kw\le s^kw
§01候補 1.2〜1.5(一段の評価・重みの取り替え・有限の Gelfand・アフィンの再帰・塊の集約と二×二の判定)Lean有限次元。Collatz–Wielandt の等式・Gelfand の公式そのもの・Perron ベクトルの存在は入っていない
§01候補 1.2′(ℓ2\ell^2 の重み、Schur の判定法)・過渡の定数の明示式読右と左の正の Perron ベクトルがある
§01符号を捨てる損は段で有界とは限らない(冪零の例)Lean絶対値をとってから合成する量
§01Perron–Frobenius・Collatz–Wielandt・Gelfand・max-plus の挟み・M 行列の特徴づけ典—
§02損は二段から先で止まり、少し下がる(6.28・5.51・5.10・5.26)計算444^4 のトーラス・段を R=3R=3 で切る・真の比は下界・k≤4k\le4
§02候補 2.1:上界 ÷ 試験の値 ≤κ−2\le\kappa^{-2}Lean全ての行で κArM≤∣yr∣\kappa A_rM\le|y_r|・∣va∣≤M|v_a|\le M
§02損 =⟨κ−2⟩=\langle\kappa^{-2}\rangle(5.55・5.13・5.31)計算444^4・k=2,3,4k=2,3,4・形と位相の因子が 1
§02位相の因子 Φ=1\Phi=1・平面波の試験の式読2q∗≢02q^*\not\equiv0・4q∗≢04q^*\not\equiv0、または周期 2 で u∗u^* が実
§02仮説 (a)(b)(c) は外れ、外れ方は段で一定計算k≤3k\le3(大きいトーラス)・k≤4k\le4(444^4)
§02合成の核の輪郭が段で一つに近づく読数からの読み
§02正の部分が優勢な型の上界(Schur と合成の劣化)Lean全ての行で負 ≤δ\le\delta 正。記録の核では仮定が満たされない
§02W の座標の損は 1.10 で止まり、階数 1 の値 1.085 に近い計算零モードを直した核・60 型・k≤5k\le5
§03延長の存在・アフィン構造・自由度の次元・条件つきの延長・合成の整合Lean有限次元の線形代数
§03候補 3.1〜3.5(零モードの一意性・Moore–Penrose の代表は局所でない・ordV\mathrm{ord}^V の不変性・尾の次数の規則・ずらしたジェット)読格子の段は紙の筋。候補 3.4 は段に一様な定数を仮定
§03ord\mathrm{ord}:sym 0・A3 1・A4 2、ordV(F)=2\mathrm{ord}^V(F)=2、尾は D≤4D\le4 で有界計算記録の代表・D=4D=4 の軸の入力・L≤192L\le192
§03和の規則・高周波の次数・Strang–Fix との対応典・読原典の次数の数え方の細部(±1)は確かめていない
§04κ=s1w1\kappa=s_1w_1 は目盛りに依らず、レンズは κ≤14\kappa\le\frac14 で開く読主係数だけの勘定
§04一プラケットの級数・同点・誤差の同点・dd 次元のレンズ・MK の等高線計算一プラケット・等分配の主項・MK の近似の写像
§04群の情報は交差の高さと次の項の符号に残る・四次元のレンズと帯の重なり仮主項だけ・偶然を含みうる
§04候補 B(区別を渡す比較はレンズに局在する)仮(B1)(B2)(B3) を仮定。言明だけ
§05候補 5.1・5.2・5.7(錐の引き戻し・劣乗法・一段で超え束で縮む・アフィンの再帰の五つの形)Lean抽象の NN(∥⋅∥pp\|\cdot\|_p^p の役)で書いた文。μ≥0\mu\ge0・0≤μ<10\le\mu\lt1・ε≥0\varepsilon\ge0 など定理ごとの仮定。作用素ノルムの上限そのものは入っていない
§05候補 5.3・5.6:log⁡Sp\log S_p の中点の凸性、Schur の μp≤Rp−1C\mu_p\le R^{p-1}C とその等号、δ\delta の場の薄まり、Sp≤S2Rp−2S_p\le S_2R^{p-2}Lean有限和。w≥0w\ge0・a>0a\gt0・a≤Ra\le R・p≥1p\ge1。連続の pp での凸性と SpS_p の式そのもの(補間)は入っていない
§05重みつきの Stein の上界の一般の pp の導出・真の log⁡μp\log\mu_p の凸性・窓 WnW_n は区間・素朴な薄まりの反例(定数の場)読・典p≥2p\ge2(t=1−2/p≥0t=1-2/p\ge0)。凸性は Riesz–Thorin と perspective
§05log⁡Sp\log S_p の二階の差分商が全て正・S2S4/S3=1.016\sqrt{S_2S_4}/S_3=1.016〜1.0361.036・Sp1/p→RS_p^{1/p}\to R(2.252・0.928・0.332)・束の数の上界(p=3p=3 で 3、p=4p=4〜3232 と ∞\infty で 2)・一段の真の μp\mu_p は 3.5≤p≤53.5\le p\le5 で未決(下界 0.65〜0.77、上界 3.5〜7.8)。W1W_1 が空でなければ (3.04,5.67)(3.04,5.67) の中の一区間計算一段 848^4 切り詰めなし・二段 粗い 16416^4・三段 粗い 12412^4・R=3R=3 で切り詰め・下界は最大と示していない
§05npn_p は p↓2p\downarrow2 で c/(p−2)c/(p-2) 型に発散する、または W∞W_\infty の下端 pc>2p_c\gt2 がある仮定数の場の次元の勘定 24−2p2^{4-2p} だけからの見立て

この章の Lean

五つのファイルは、どれも sorry を含まず、native_decide を使わず、末尾の公理の表示は標準の三つ(propext・Classical.choice・Quot.sound)か、その一部だけでした。どのファイルにも格子・群・測度・最小化・フーリエ変換そのものは入っていません。

表 14 この章の Lean のファイル Lean
ファイル(名前空間)定理の数主な定理と仮定本文の場所入っていないもの
DominantMatrixContraction(DominantMatrix)21dominant_mul・dominant_pow(単位元のノルムが 1)・weighted_step・weighted_iter(Bw≤λwBw\le\lambda w)・weight_change(av≤w≤bvav\le w\le bv、a>0a\gt0)・liftWeight_step(B≥0B\ge0、w≥0w\ge0、s>0s\gt0、k≥1k\ge1、Bkw≤skwB^kw\le s^kw)・norm_pow_le_const_mul・sum_norm_pow_le・affine_uniform(0≤λ<10\le\lambda\lt1、ε≥0\varepsilon\ge0)・aggregate_step・two_by_two_weight・two_by_two_exists・signedEx_sq・absEx_pow§01Collatz–Wielandt の等式・Gelfand の公式そのもの・Perron ベクトルの存在・候補 1.2′(ℓ2\ell^2 の重み)・max-plus の挟み
SignLossBound(SignLoss)16jensen_four・schur_four(行の ℓ1≤A\ell^1\le A、列の ℓ1≤B\ell^1\le B)・coherent_of_neg_le(負 ≤δ\le\delta 正)・loss_le_of_coherent・comp_coherent・coherence_le_one・sum_four_le(∣va∣≤M|v_a|\le M)・stein_form_le・stein_le_inv_sq_mul_test(κArM≤∣yr∣\kappa A_rM\le|y_r|)・abs_comp_le・row_l1_comp_le§02Stein の式そのもの(Plancherel と補間)・平面波の位相の平均・Wielandt の定理・階数 1 への収束・損の数
ConstrainedExtension(ConstrainedExtension)20exists_extension・isExtension_iff_mem_coset・finrank_freedom(有限次元)・freedom_eq_zero_iff(W≠0W\ne0)・exists_extension_with_conditions((resV,C)({\rm res}_V,C) が全射)・finrank_freedom_with_conditions・eq_of_eqOn_iSup(部分空間の族の和が全体)・comp_isExtension(f1(V1)⊆V2f_1(V_1)\subseteq V_2)・comp_depends_of_not_le§03格子・記号の連続性・折り返しの次数・積率・候補 3.1〜3.5 の格子の段
ConeCalculus(ConeCalculus)20定義 IsCone・Contracts。cone_pullback(c≥0c\ge0)・contracts_comp・contracts_iterate・cone_pullback_iterate(μ≥0\mu\ge0)・block_decay(M≥0M\ge0、μ≥0\mu\ge0)・row_rpow_le・lp_schur(p≥1p\ge1、行の ℓ1≤R\ell^1\le R、列の ℓ1≤C\ell^1\le C)・lp_schur_sharp(行和 R>0R\gt0・列和 CC が一定)・delta_dilution・weighted_rpow_midpoint(w≥0w\ge0、a>0a\gt0)・stein_form_midpoint・weighted_rpow_shift(0<a≤R0\lt a\le R、p0≤pp_0\le p)・sup_shift・sup_midpoint・midpoint_below_one・affine_const(0≤μ<10\le\mu\lt1、ε≥0\varepsilon\ge0)・affine_varying・affine_invariant・affine_eventually・affine_block§05作用素ノルム(真の ℓp\ell^p ノルムの上限)そのもの・Stein の上界の式(補間と Plancherel)・Riesz–Thorin・連続の pp での凸性・Gelfand の公式・格子と核・記録の数
OneStepWindow(LatticeGauge.OneStepWindow)20holder_dual_ratio・norm_conj_rpow・exists_lpRatio_ge_row(一座標の Hölder の下界、p>1p\gt1)・lamMax_mono・lamMax_smul(λmax⁡\lambda_{\max} は Rayleigh 商の上限で定義)・steinWeighted_ge・stein_row_weight_saturation(行の重みの族は u=Ap−2u=A^{p-2} で飽和)・window_ordConnected・window_ordConnected_of_logConvex(log⁡μp\log\mu_p の凸性は仮定)§05Courant–Fischer・数 prow=5.874p_{\rm row}=5.874 と区間 (3.04,5.67)(3.04,5.67)(計算)・作用素ノルムそのもの

言えていないこと

(a) 新しい理論や新しい定理を立てたとは言いません。§01〜§03 と §05 の定理の候補はどれも既知の事実の有限次元の形、その初等的な帰結、または既知の枠組み(Perron–Frobenius、多重格子の次数、和の規則、Riesz–Thorin の補間、Schur の検定)の言い換えです。この章で付け加えたのは、記録の数をそれらの量に読み替える対応と、そこから出た問いです。

(b) Lean で通ったのは表 14 の 77 本だけです。候補 1.2′・過渡の定数の明示式・位相の因子・候補 3.1〜3.5 の格子の段・§04 の全て・§05 の Stein の上界の一般の pp の導出・真の log⁡μp\log\mu_p の凸性・候補 5.5 は、紙の筋か見立てです。

(c) 数は評価ではありません。§02〜§04 の数は浮動小数の計算で、区間の評価ではありません。真の比は最大化の下界で、最大であるとは示していません(16416^4 の一段では 2 つの始点で 0.5767 にとどまり、記録の 0.591 に届いていません)。

(d) 損が全ての段で有界であることは示していません。示したのは k≤4k\le4(444^4)と k≤3k\le3(848^4)の数と、「そろいが下に有界なら損は有界」という条件つきの不等式だけです。444^4 のトーラスは核の台を大きく巻きつけるので、そこでの「損 =⟨κ−2⟩=\langle\kappa^{-2}\rangle」はその周期の作用素についての事実です。

(e) 候補 3.4 の尾の規則は段に一様な定数を仮定した筋です。無限段の一様性は扱っていません。記録の連鎖で合成の整合が成り立つかは確かめていません。

(f) §04 の四次元の数は一次の主項と等分配だけから出したものです。四次元の真の級数を使っていません。帯や転移との重なりは偶然を含みえます。MK は近似の写像で、U(1)U(1) の止まる等高線が本当の固定線かは区別していません。候補 B は言い換えで、帯を易しくするとは言いません。

(g) この章の結果は ① にも ⑦ にも直接には効きません。§01 の記録との対応表は記録の読み替えです。

(h) 文献の多くは要旨と抜粋の水準で読みました。Hemker・Charina–Conti・Jia・Donatelli・Rump・Varga・Bertsekas–Tsitsiklis・arXiv:1005.1993・arXiv:0807.0185・Stein–Weiss・Hendrickx–Olshevsky・Boyd(power method)は、原典の定義の細部を確かめていません。

(i) §05 の窓と束の数は上界の窓です。SpS_p による窓は二段で [≈4,∞)[\approx4,\infty)、三段で [3,4][3,4] を含みますが、真の μp\mu_p の窓の端の値は出していません。一段の 3.5≤p≤53.5\le p\le5 は未決で、二段・三段の数の切り詰めと粗いトーラスの大きさへの依存は評価していません。npn_p の p↓2p\downarrow2 での振る舞いは見立てです。

残る問い

表 15 この章の問い F-SYS1〜F-SYS16
番号問い節
F-SYS1最悪の向きでの行のそろいの下限 κ0\kappa_0 を段の極限の核の上で評価し、段の摂動で κ\kappa が動く量を行ごとに押さえて、全ての段で 損 ≤κ0−2\le\kappa_0^{-2} と言える形にできるか。§02
F-SYS2大きいトーラスで Stein の最大点が周期 2 からずれる分(損 6.4 に対して上界 10.2)を、周期 2 の点に制限した Stein とそれ以外の qq に分けて測ると、差はどこから来るか。§02
F-SYS3真の作用素の側の打ち消しを測る量(例:∥Tk∥\|T^k\| と ∥∣T∣k∥\||T|^k\| の比を符号の相似類の中の最小で割る)を一つ決めると、段でゆっくりにしか増えない損の規則性は何から来ると言えるか。§01・§02
F-SYS4有限の型と残りの戻りを二×二に集約し、記録の行列で bc<(1−a)(1−d)bc\lt(1-a)(1-d) が成り立つか。成り立つなら区間の評価に上げられるか。§01
F-SYS5W の座標の記録は ℓ2\ell^2 で測っている。候補 1.2′(Schur の判定法の重み)で読み直すと、一段の縮みの定数はどうなるか。§01
F-SYS6拘束つきの和の規則の上限:任意の k≤ordV(F)k\le\mathrm{ord}^V(F) について、ord(K)≥k\mathrm{ord}(K)\ge k の局所の代表が有限範囲で取れるか。他の段・他のブロック化で ordV\mathrm{ord}^V が上がる場合に一般の形があるか。§03
F-SYS7自由度の正準な選び方:Stein 型のノルムを最小にする代表は存在し、一意で、局所か。§03
F-SYS8合成の整合:段 kk の代表の出力は段 k+1k+1 の拘束の部分空間(細かい側の Bianchi の像)に入るか。入らないなら、im⁡D\operatorname{im}D の外の自由度は連鎖にどれだけ効くか。§03
F-SYS9Moore–Penrose の代表の核はどの速さで減衰するか(0 次斉次の不連続な記号から ∣Z∣−4|Z|^{-4} 型か)。§03
F-SYS10有限のトーラスの対称な代表の零モードが、指数より速く U/4U/4 に近づいて見えるのはなぜか。§03
F-SYS11三つ目の付値(トランス級数の指数)を足した三重付値で、U(1)U(1) の帯は弱結合と指数の付値の同点、SU(2)SU(2) は強結合と弱結合の付値の同点、という区別が立つか。MK の U(1)U(1) の傾き 13〜14 は何に向かうか。§04
F-SYS12四次元の本物の級数(強結合の高次の項と弱結合の高次のループの係数)で誤差の同点を求めると、レンズは 13-06 の帯とどう重なるか。§04
F-SYS13基本と随伴の二つの結合の空間 (βF,βA)(\beta_F,\beta_A) では、同点集合の余次元 1 の骨格は非自明な多面体複体になるか。一次の転移の線の端点とどう並ぶか。§04
F-SYS14ブロック化の写像の列で、窓 Wn={p:μp(K(n))<1}W_n=\{p:\mu_p(K^{(n)})\lt1\} の下端は nn とともにどう動くか。一段の 3.5≤p≤53.5\le p\le5 で真の μp(K0)\mu_p(K_0) は 1 を下回るか(Stein の重み uu を ApA^p 以外に最適化して上界を締めるか、局在と広がりの混ざった始点や power method で下界を上げるかして、W1W_1 が空かどうかを決める)。答え(一部):W1W_1 が空でなければ (3.04,5.67)(3.04,5.67) の中の一区間。行の重みの族は u=Ap−2u=A^{p-2} で飽和し、重みつきの Stein ではこれ以上締まらない(Lean:OneStepWindow)。一段の下界は p=4p=4 で 0.6470 まで上がったが 1 との間は未決§05
F-SYS15束の数 npn_p は p↓2p\downarrow2 でどう発散するか。μp(K(n))1/n\mu_p(K^{(n)})^{1/n} の極限が定数の場の次元の勘定 24−2p2^{4-2p} で決まって np≈c/(p−2)n_p\approx c/(p-2) となるか、それとも W∞W_\infty の下端 pc>2p_c\gt2 が格子の幾何から決まるか。§05
F-SYS16Schur の閾値の指数 p∗p^*(二段で約 66.5)と Stein の窓の下端(二段で約 4)の隔たりは、列の ℓ1\ell^1 の大きさと符号の打ち消しのどちらから来るか。重みつきの Schur(正の試験関数)で p∗p^* をどこまで下げられるか。§05・§01

出典

もの種別出典
Perron–Frobenius・Collatz–Wielandt・優勢による比較 ρ(A)≤ρ(∣A∣)≤ρ(B)\rho(A)\le\rho(|A|)\le\rho(B)典R. A. Horn, C. R. Johnson, Matrix Analysis の非負行列の章(読)
重みつき最大ノルムでの縮みと反復法・M 行列典(読)R. S. Varga, Matrix Iterative Analysis。A. Berman, R. J. Plemmons, Nonnegative Matrices in the Mathematical Sciences。D. P. Bertsekas, J. N. Tsitsiklis, Parallel and Distributed Computation (1989)
max-plus の固有値と挟み典S. Friedland (1986)。F. Baccelli, G. Cohen, G. J. Olsder, J.-P. Quadrat (1992)。P. Butkovič (2010)。M. Akian, S. Gaubert, A. Marchesini, arXiv:1309.7319(読)
sign-real spectral radius読S. M. Rump (1997)
転送作用素の次数読P. W. Hemker, On the order of prolongations and restrictions in multigrid procedures, J. Comput. Appl. Math. 32 (1990) 423–429。M. Donatelli, arXiv:0807.2565。U. Trottenberg, C. W. Oosterlee, A. Schüller, Multigrid(局所フーリエ解析)
和の規則・Strang–Fix 条件・近似の次数典(読)G. Strang, G. Fix (1973)。R.-Q. Jia, Math. Comp. 67 (1998)。M. Charina, C. Conti, arXiv:1202.3931。I. Daubechies, Ten Lectures on Wavelets
Fisher 零点と強結合の盆・crossover読(要旨)A. Denbleyker, D. Du, Y. Liu, Y. Meurice, H. Zou, arXiv:1005.1993。arXiv:1112.2734。arXiv:0807.0185
Riesz–Thorin・Stein–Weiss・Schur の検定・p→pp\to p ノルムの計算の難しさ・細分割の LpL^p 理論典(読)M. Riesz (1927)、G. O. Thorin (1939)。E. M. Stein, G. Weiss, Trans. AMS 87 (1958)。I. Schur (1911)。J. M. Hendrickx, A. Olshevsky, SIAM J. Matrix Anal. Appl. (2010)。D. W. Boyd, Linear Algebra Appl. 9 (1974)。R.-Q. Jia, Adv. Comput. Math. (1995)。S. Boyd, L. Vandenberghe, Convex Optimization §3.2.6
§02〜§05 の数計本書の検討の計算の記録(合成の核の行の直接の作用と段ごとの作用の照合・準ニュートン法と周期 2 の場の二経路・一プラケットの級数は有理数で作成・§05 の SpS_p は合成の核から直接に計算)
表 14 の定理LeanLean のファイル DominantMatrixContraction・SignLossBound・ConstrainedExtension・ConeCalculus・OneStepWindow

この章で使った語 — 優勢行列・重みつきの塊ノルム・kk 段の縮み・過渡の定数・一段の重み・符号を捨てる損・行のそろい・拘束つき写像・延長・局所の代表・自由度・零モード・積率・折り返しの次数 ord\mathrm{ord} と ordV\mathrm{ord}^V・ずらしたジェット・二重付値・補の同点・同じ座標の同点・誤差の同点・レンズ・κ=s1w1\kappa=s_1w_1・錐の定数 cpc_p・pp-縮み μp\mu_p・重みつきの Stein の上界 SpS_p・束の数 npn_p・窓 WnW_n・Schur の閾値の指数 p∗p^*。

改訂 2026-10-22:初版。 2026-10-22(改):§05 錐の計算法を加え、表 11・12 を置き、§06 の表を表 13〜15 に繰り下げ、五分類・Lean・問い(F-SYS14〜F-SYS16)・言えていないこと (i)・出典に §05 の行を足した。
2026-10-22(再改):§05 に一段の窓の位置((3.04,5.67)(3.04,5.67) の中)と重みの族の飽和を足し、表 12 の一段の下界・F-SYS14 の答えの現在・表 14(OneStepWindow)を改めた。

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